給湯器が水漏れを起こす原因
給湯器のトラブルの中でも水漏れはよくあるトラブルの一つです。
水漏れを発生させないためにも、まずは給湯器が水漏れを起こす原因を知っておくことが重要です。
給湯器が水漏れを起こす原因は主に以下の4つです。
- 経年劣化
- 施工不良
- 配管の凍結
- 水抜き栓からの水漏れ
それぞれの原因について次節より詳しく解説していきます。
経年劣化
給湯器の内部で水漏れを防ぐために使用されている、パッキンの劣化が原因で水漏れが起こることがあります。
パッキンはゴム製の部品で、給湯器の使用から7~10年経つ頃には硬化していきます。
あなたは、硬くなった輪ゴムを触る、あるいは、使おうとした経験はありませんか。
硬くなった輪ゴムはガサガサとした触り心地をしており、伸ばそうとすると伸びずにちぎれてしまいます。
輪ゴムの例のように、硬化したゴムというのは弾力を失っているので、力が加わるとひびが入るなどの損傷を負ってしまいます。
給湯器を長年使用しているとゴムの硬化現象が原因でパッキンが損傷しやすくなってしまいます。
パッキンが損傷してしまうと損傷した箇所が水の通り道となってしまい、意図しない方向にも水が流れるようになります。
これが水漏れへとつながっているのです。
パッキンの経年劣化が原因の水漏れであれば、水漏れ箇所で使用されているパッキンを取り替えることで症状は解消します。
しかし、パッキンの劣化は他の箇所でも進行しているので、修理をしても今度は別の場所から水漏れが発生する可能性が高いです。
また、給湯器の部品は発売から10年で製造終了となるため、部品を調達することができない場合もあります。
パッキンの経年劣化による水漏れが発生した際は、給湯器の寿命のサインと考えて、給湯器の交換も検討してみてください。
賃貸の場合は修理費用を負担しなくても良い場合がありますので下記の記事を参考にしてみてください。
施工不良
給湯器の設置は人が行うので、施工時にミスがないとは言い切れません。
工事に不備があったり、きちんと設置できていなかったりといった施工不良が原因で水漏れが発生することがあります。
施工不良が原因の水漏れは設置後すぐに発生することもあれば、長年使用して徐々に不備のあった箇所に負荷がかかり発生することがあります。
水漏れ発生タイミングは設置後すぐであることが多いので、設置して間もないのに水漏れが発生している場合は施工不良も疑ってみてください。
施工不良による水漏れかもしれないと思ったら、給湯器の設置工事を担当した業者に連絡して修理を依頼しましょう。
担当業者の過失が原因なので無料で対応してくれる場合がほとんどです。
配管の凍結
基本的に液体が固体になると体積は小さくなりますが、水の場合は逆に体積が増えてしまいます。
この性質が原因で給湯器の配管の凍結による水漏れが発生することがあります。
給湯器の配管内には水が溜まっており、気温が0℃を下回るような日には配管内の水が凍結してしまいます。
凍結することで配管内で水の体積が大きくなり、配管が破裂してしまいます。
気温が上昇し、凍結した水が溶けると破裂した箇所から水漏れが発生してしまうのです。
凍結と聞くと北海道や日本海側などの寒さが厳しい寒冷地のイメージが強いでしょうが、実際、凍結による水漏れが多いのは関東や関西などの比較的温かい地域となっています。
なぜなら、寒冷地に設置する給湯器には凍結対策が施されているためです。
凍結対策が施されていることにより、厳しい寒さのなかでも配管内の水が凍結することなく使用することができるのです。
温かい地域の給湯器には凍結対策は不要なので、突発的な大寒波が襲ってきた際に配管内の水が凍結して配管が破裂してしまいます。
もしも直近で気温が0℃を下回る日があったのであれば、凍結による配管の破裂を疑ってみてください。
また、給湯器には凍結を防止するために、「凍結予防ヒーター」と「自動ポンプ運転」の機能が備わっています。
気温が低下すると自動的にこの機能が作動するので、給湯器の電源が入っていれば凍結のリスクを下げることができます。
他にも、自宅のどこかの蛇口からお湯を少量出しっぱなしにしておくことでも凍結を防ぐことができます。
配管内を水が流れていれば凍結することがないので、大寒波が来るというニュースを聞いて不安というような方はこの方法をお試しください。
加えて、冬季に長期の旅行などで自宅を留守にする場合は、給湯器の「水抜き」をしておきましょう。
水抜きをすることで給湯器の内部の水をなくすことができるので、凍結の心配がなくなります。
水抜きの方法については、ご利用の給湯器の取扱説明書に記載されているのでご確認ください。
水抜き栓からの水漏れ
すべての給湯器には「水抜き栓」があります。
水抜き栓には、
- 給湯器内部の圧力が高くなった際に、水を出して減圧する
- 給湯器の点検時に配管内の水を抜く
- 配管内での水の凍結を防ぐ
といった役割があるため、水抜き栓から一時的に水が出ている場合は故障ではないので安心してください。
ただし、水抜き栓から漏れている水の量が多い、ずっと水が漏れ出ている場合はどこかが故障しているかもしれません。
給湯器が壊れたまま使用するのは危険なので、不安な場合は点検を依頼して、問題がないか確認しておきましょう。
給湯器のパッキン交換は自分でできる?
給湯器のパッキン交換を自分で行うことは可能です。
しかし、給湯器のパッキン交換はDIYできるケースとできないケースがあります。
それぞれのケースについて、詳しくは次項より解説していきますが、DIYができるための条件は難しくなっています。
また、DIYがおすすめできない理由もあるので、それについても次節で解説していきます。
パッキン交換をDIYできるケース
パッキン交換をDIYできるケースは、パッキン交換作業の工程で給湯器の配管の取り外しを伴わないケースです。
ただし、「給水装置工事主任技術者」の資格を保有している場合は、配管の取り外しを伴うケースでもDIYが可能になります。
また、そもそもなのですが、交換するパッキンと同じサイズのパッキンでないと水漏れが解消されることはありません。
パッキンは製品によって形状が異なるので、同じサイズのパッキンを見つけることも大変です。
同じサイズのパッキンを見つけることができた場合は、DIYで交換しても問題ないでしょう。
パッキン交換をDIYできないケース
パッキン交換をDIYできないケースは、パッキンの交換作業の工程で給湯器の配管の取り外しを伴うケースです。
給湯器の配管の付け外しには「給水装置工事主任技術者」という資格が必要になるためです。
資格を保有していないにも関わらず工事を行った場合は、法律違反になるので絶対に行わないようにしてください。
パッキン交換のDIYをおすすめできない理由
パッキン交換はDIY可能なのですが、おすすめはできません。
その理由は次の3点です。
- 水漏れの原因がパッキンだとは限らないから
- 作業中にほかの部品を破損させる恐れがあるから
- 給湯器本体も劣化している可能性があるから
それぞれのDIYをおすすめできない理由について詳しく解説していきます。
水漏れの原因がパッキンだとは限らないから
もしも蛇口からの水漏れを発見した場合は水漏れの箇所によって、パッキンが悪いのか、蛇口の部品が悪いのかをある程度絞ることができます。
しかし、給湯器からの水漏れの場合は蛇口のように原因を絞ることが難しくなっています。
なぜなら、給湯器は内部にガスや水などをコントロールするための機器を搭載している精密機器であるためです。
よって、配管から水漏れが発生していても必ずしもパッキンの劣化であるとは言い切ることができません。
パッキンの劣化が原因の水漏れと思っていたところ、本当の原因は本体機器の不具合により二次的に発生した水漏れであったということもあるのです。
このように給湯器の水漏れには様々な原因が考えられるため、一般の人が原因を特定することは非常に困難です。
原因が特定できないまま推測で修理を行ってしまうと、被害が拡大するかもしれないのでDIYはおすすめできません。
作業中にほかの部品を破損させる恐れがあるから
パッキンの交換のためには、給湯器の配管を脱着する作業が不可欠です。
配管の脱着のためにはスパナなどの工具を用いて、配管をつないでいる部品を締めたり緩めたりする必要があります。
配管をつないでいる部品に合った工具を使わないと、うまく作業ができないうえに、最適な工具を使用していても滑ってしまうことがあります。
給湯器は様々な部品が組み合わさっているため、脱着しようとしている配管の近くには、他の配管やホースなどがあります。
脱着中に工具が滑るなどしてしまうと近くの部品に工具が接触し、部品を破壊してしまう恐れがあります。
また、工事中に給湯器の構造を見誤って緩めてはいけない部品を緩めてしまう恐れもあります。
給湯器はガスを用いてお湯を作り出しているので、配管の中にはガス管も存在します。
工事中のちょっとしたミスでも、ガスが漏れ出るというような大きな事故につながるリスクもあるので、DIYではなく給湯器のことに詳しい業者に修理の依頼をすることをおすすめします。
給湯器本体も劣化している可能性があるから
給湯器の寿命は10年と言われています。
対して、パッキンの劣化による症状が出てくるのは給湯器の設置から7~10年が経過したころです。
よって、パッキンの劣化による水漏れが発生するころには、給湯器本体の寿命が近くなっていると言えます。
給湯器の寿命は使い方や使用環境によって前後するので、必ず10年で使えなくなるという訳ではありません。
例えば一緒に住む人数が多い場合、入浴時に追い焚きや、足し湯をする回数が多くなるなどで給湯器の使用頻度が多くなり、給湯器の部品の劣化が早くなります。
また、住んでいる地域が台風が多い地域や、積雪が激しい地域である場合は、熱排気口から内部に水が入って制御用のコンピューターを壊してしまうかもしれません。
このように使用頻度が多い、使用環境が悪いと10年よりも早く給湯器が使えなくなることがあります。
給湯器の寿命が近くなると、水漏れ以外にもガスの燃焼がうまくできなかったり、センサーなどの作動がおかしくなったりというような不具合も出てきます。
全ての故障を修理対応しようとすると、給湯器の交換をした方が安く済むこともあります。
パッキンの劣化による水漏れが発生した際は、まずは水漏れの修理をして安全に給湯器が使用できる状態にしましょう。
加えて、給湯器の寿命が近いことを意識して、給湯器の交換の計画を立て始めるようにしましょう。
パッキン交換を業者依頼する時の費用相場
給湯器のパッキン交換を業者に依頼した際の修理費用相場はおおむね7,000円程度です。
自分でDIYする場合は数千円の部品代だけの負担でよいのですが、業者に依頼するとなると、手数料や出張費用が必要になります。
また、先述の通り、パッキンの劣化が原因の水漏れであれば、給湯器本体も劣化している可能性があります。
パッキン交換以外にも修理を行うとなると、修理に要する費用も高くなっていきます。
もしも、給湯器の交換を検討する際は、給湯器の合計修理費用と、交換費用を比較するだけでなく、燃焼効率の上昇によるガス代の削減も忘れてはいけません。
給湯器の燃焼効率は製品が新しくなるにつれて向上しています。
7~10年前の給湯器と比べると燃焼効率は大幅に向上しているでしょう。
修理・交換の検討時にガス代も考慮に入れたところ、交換を選択した方が合理的になるケースも多いので忘れないようにしましょう。
まとめ
本記事では、給湯器の水漏れを発見した際、自分でパッキン交換を行うことができるのかについて解説してきました。
パッキンの交換は自分で行うことができるのですが、同じサイズのパッキンを用意する必要があったり、工事に資格が必要でない箇所からの水漏れでないといけなかったりと条件をクリアするのが難しくなっています。
さらに、条件をクリアできても、水漏れの原因がパッキンでない可能性や、工事中にほかの箇所を破損させるリスクがあるので、自分でのパッキン交換をおすすめすることはできません。
給湯器からの水漏れを発見したら、無理をすることなく修理業者に依頼して直してもらいましょう。
また、水漏れの原因がパッキンの劣化であった場合は、給湯器本体の寿命が近づいているとも言えます。
寿命が近い給湯器の故障に対して修理対応をしていると、交換した方が安く済むケースもあるので、合理的な選択ができるよう交換の計画も立てるようにしましょう。
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