コロナ禍をひとつのきっかけとして起きているスポーツバイクブーム。密を避ける移動手段、そしてアウトドアの趣味として、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクといったスポーツタイプの自転車の人気が高まっています。

  • マウンテンバイク

そんなスポーツバイクの中でも、あらゆる未舗装路の走破性が高いマウンテンバイクは、ロードバイクやクロスバイクと比較すると、日本においては体験者が少なく、まだまだ発展途上のジャンルでもあるのが正直なところでしょう。

そこで本記事では、マウンテンバイク初心者のマイナビニューススタッフGがマウンテンバイクに関わるそれぞれのプロを訪ね、その魅力をレポート。「マウンテンバイクもいいぞ!」という点を、熱く語っていただきます。

  • GOOD OPEN AIRS myX

連載初回に訪れたのは、横浜駅から徒歩約7分のところにお店を構える「GOOD OPEN AIRS myX横浜店」さん。神奈川トヨタ自動車株式会社が運営する総合アウトドアショップで、キャンプ用品をはじめ、ルアーフィッシングアイテムやスポーツバイクの販売から、アウトドアスタイルに合わせたカースタイリング&カスタムまで幅広く対応しています。取り扱うスポーツバイクはマウンテンバイク中心とあって、今回の連載にまさにぴったり。

  • GOOD OPEN AIRS myX

しかも、お話を伺うスポーツバイク担当の片野 泰樹さんは、マウンテンバイク歴10年を誇ります。取材の数日前にも山梨県にあるMTBパーク「ふじてん」や、長野県の「富士見パノラマリゾート」に遠征していたそうで、スタッフGにとって心強い存在です。

  • GOOD OPEN AIRS myX 片野さん

マイナビニュースの企画でキャンプ関連の記事を数多く手がけており、myXさんのアウトドアコーナーにはよく訪れていまして……以前からマウンテンバイクが気になっていました!今日はいろいろ教えてください!


それはうれしいです!マウンテンバイクの世界にようこそ!(笑)マウンテンバイクの選び方や楽しみ方、最低限必要な道具などをご紹介いたしますね!


そもそもマウンテンバイク(MTB)はどこで乗ったらいい?

まず初歩的な質問で恐縮なんですけど、マウンテンバイクってどこで乗ったらいいんですか?街乗りしてもおかしくないんでしょうか……?


もちろん、おかしくないですよ!マウンテンバイクはタイヤが太い分、乗り心地が柔らかく、パンクしにくいですし、フレームによってはキャリアを装着して荷物や鞄を搭載できるので、舗装路をツーリングするのもおもしろいと思います!


  • GOOD OPEN AIRS myX片野さん

ただ、マウンテンバイクの魅力を存分に味わうのなら、おすすめの場所があると片野さんは補足しました。

マウンテンバイクに乗り始めた初心者の方は、整備された専用のコースやフィールドに足を運んでいただきたいですね!舗装されていないオフロードを駆け下りる疾走感はマウンテンバイクならではのものですが、その醍醐味を安全に体感できますよ!


  • SBAAサイト

    マウンテンバイク専用フィールドは自転車協会の運営するサイト「ENJPY SPORTS BICYLE」でも探すことができます。(画像はhttps://www.sbaa-bicycle.com/sbaa_sp/m_course/より引用)

せっかくマウンテンバイクに乗るなら、味わってみたいです……!


専用のコースやフィールドにはコーナリングやジャンプを練習できるエリアもあり、技をどんどん習得していくと、僕みたいに沼にハマっていきます(笑)


初心者は何を基準にバイクを選んだらいい?おすすめバイクもご紹介!

ざっと店内を見回すだけでも色々なカタチのマウンテンバイクがたくさんありますが、どう選べば良いのでしょうか?


マウンテンバイク選びは乗り方や遊び方によるのですが、その前に「ハードテール」と「フルサスペンション」の違いをご説明しますね!


  • GOOD OPEN AIRS myX片野さん

どちらも初めて聞いた言葉です……。


そんなに難しくはなくて、バイクの後ろ側にサスペンション(リヤサスペンション)が付いているかどうかの違いがあるだけです。ハードテールは前側にしかサスペンションがありませんが、フルサスペンションは前後に付いています。


  • MTBの2つのタイプ

なるほど……。それで、具体的にどう違うんでしょうか?


ハードテールは構造がシンプルなので、メンテナンスがしやすく、車体が軽いのがメリットです。また、前側にしかサスペンションがないためにペダリングのロスが少なく、フレームによってはキャリアを装着して荷物や鞄を搭載できるので、街乗りに向いていますよ!

一方のフルサスペンションは、衝撃の吸収性とタイヤの接地感が優れています。荒れた未舗装路でも疲れにくく、より本格的なマウンテンバイクを求める方にはフルサスペンションを推奨しています!


そのうえで、片野さんは初心者でも楽しめる乗り方・遊び方の例を3つ挙げ、それぞれに合った種類を教えてくれました。

  • MTBの3つの乗り方と対応するバイク

例えば、夏のゲレンデを駆け下りたいのにクロスカントリーバイクを選んでしまうと、サスペンションがあまり機能せず、車体が暴れて乗りにくさを覚えたり、恐怖心を煽られたりすることもあるそうです。また、使用用途が合わなかったために、結局買い直して余計に出費がかさんでしまうケースも散見されるのだとか。

初心者でも、どう乗りたいかをちゃんとイメージすることが大切なんですね!


イメージするポイントは、どれだけ自分で漕ぐのかどうかです!長距離をツーリングするなら当然漕ぐ量が増えますが、専用コースを駆け下りるのがメインならペダリングは少なくなります。サスペンションのストローク量(沈み込む量)が長ければ長いほど衝撃吸収性に優れる一方でペダリングのロスが大きくなりますので、長めの距離を漕いで移動するならストローク量が100mmほどのクロスカントリーバイクが良いでしょうし、坂道を駆け下りるだけなら200mmのダウンヒルバイクが適しています!


迷いますね(笑)ハードテールとフルサスペンション、それぞれおすすめのマウンテンバイクをご紹介いただけますか?


かしこまりました!では、順にご紹介いたしますね!


【ハードテール】MARIN SAN QUENTIN 2

  • MARIN SAN QUIENTIN2

フロントのストローク量が130mmという長さなので、MTB専用コースやフィールドだけでなく、街乗りにも対応できる価格が手頃なアルミ製マウンテンバイクです。世界的マウンテンバイクライダーのマット・ジョーンズがフレームを監修しているだけあって、遊びのエッセンスも盛り込まれています!


【ハードテール】MARIN PINE MOUNTAIN 1

  • MARIN PINE MOUNTAIN

同じく「MARIN」から、こちらはクロモリ製のマウンテンバイクです。フレームにダボ穴が多くあり、ボトルケージやバッグを取り付けられる拡張性が魅力です。フロントのストローク量は120mmで、街乗りでも山の中でも楽しめる多目的な一台で、まだ乗り方が定まっていない方におすすめできます!


【フルサスペンション】ROCKY MOUNTAIN ALTITUDE A30

  • ROCKY MOUNTAIN ALTITUDE A30

下りが得意な「エンデューロバイク」というカテゴリーに該当する、老舗ブランド「ROCKY MOUNTAIN」のマウンテンバイクです。フロント170mm/リア160mmストロークのサスペンションに、最新の機構が組み込まれているからこその下りのなめらかさは、上級者も唸るほど。また、調整機構が複数あり、より適切なフィッテイングや理想の乗り心地を叶えられます。マウンテンバイクライダー界隈では注目のモデルです!


【フルサスペンション】KONA PROCESS 134 29

  • KONA PROCESS 134 29

本場カナダのブランド「KONA」のマウンテンバイクです。サスペンションのストローク量はフロント150mm/リア134mmとペダリング効率が良いので、登りと下りをバランス良く楽しめます。守備範囲が広い一台です!


初心者は最低どこまで準備したらいい?必要アイテムをご紹介!

ロードバイクと同様、道具も必要かと思いますが、最低限どんなものを準備したら良いでしょうか?


初心者の方が始める場合は、以下5つのアイテムは最低限準備していただくようにお伝えしています!


ヘルメット

  • LAZERのヘルメット

ヘルメットは必須です!マウンテンバイク専用のヘルメットは、草木が当たったり、転倒したりしたときに顔を守るため、バイザーが長く設計されていて、さらに後頭部が深くなっています。中でも「LAZER」のヘルメットは独自の構造で安全性と軽量化が両立されているので、おすすめです!


グローブ

  • グローブ

グローブも、マウンテンバイク専用のものを準備するようにしてください。ハンドル操作の邪魔にならないよう、ロードバイク用と違ってパットが付いていません。転んだときに地面に手をつくことが多いので、グローブを着用して保護しましょう!


プロテクター(膝、肘)

  • プロテクター

身体を守るプロテクターは、少なくとも膝と肘には着けるようにしてください。膝のプロテクターは側面にプロテクションが入っていて、膝蓋骨(膝のお皿)をしっかりとカバーしてくれます。肘のプロテクターは、手首まで守れるものを選びましょう。大きな怪我を防ぐことにつながります!


ペダル

  • ペダル

マウンテンバイク初心者は、最初は滑りにくい金属製のピンが付いたフラットペダルにすると良いと思います。シューズを固定しないフラットペダルなら、体重を自転車にかける練習にもなりますよ。慣れてきたらビンディングペダルにステップアップするのもありでしょう!シューズとペダルが固定されるので、引き足を使ったより効率的なペダリングができます。クロスカントリーなど、漕ぐ量が多い乗り方をされる方には特におすすめです!


シューズ

  • シューズ

シューズはペダルとセットで選びましょう。フラットペダルであれば底面がフラットなもの、ビンディングペダルであれば、クリートの規格が対応するものですね。ここで一点、特にビンディングペダルに多い注意点。靴の底面とペダルが干渉することで、違和感を感じたりクリートをはめづらかったりすることがあるので、必ずお店で確認してみましょう。その点、シマノのシューズとペダルなら干渉が考慮されておりセットで買うには安心です。


次回は「Smile Bike Park」で人生初のマウンテンバイクに挑戦!

ちなみに、お店選びで気を付けたほうが良いことってありますか?


やはり専門のスタッフが常駐しているショップのほうが、情報収集もできて安心かと思いますね!当店では、ハンドル周りのフィッテイングもサポートさせていただいています!あと、見落としがちなのが、自宅からの距離。何かあるとマウンテンバイクを持ち込まないといけませんが、遠いと大変です(笑)


確かにそうですね(笑)今日はいろいろと教えていただき、ありがとうございました!マウンテンバイクに乗るイメージがかなり湧いてきました!


それは何よりです!せっかくなので、専用のコースやフィールドに行ってみてください!マウンテンバイクの奥深いおもしろさは、平地ではなかなかわかりません。東京都稲城市にある「Smile Bike Park」などは、初心者やお子さまにも人気のMTBパークですよ!


百聞は一見に如かず。次回は、マウンテンバイクに対するモチベーションが上がったスタッフGが「Smile Bike Park」を走ってみます。

【店舗情報】
GOOD OPEN AIRS myX横浜店
神奈川県横浜市神奈川区栄町7-1myXビル
営業時間:10:00-19:00/定休日:毎週火

https://www.goodmyx.com/

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[PR]提供:シマノセールス