「好きな趣味は?」と聞くと多くの人が一番に挙げる「旅行」。最近では電車や街なかで訪日外国人の姿を見かけることが増え、インバウンドも盛り上がりを見せています。

そんな旅行を支えてくれているのが空港や航空会社、ホテル、旅行会社をはじめとした観光産業、そしてそこに勤める人たちです。観光産業は、地域活性化にもつながることから、今後さらなる発展が期待されている産業でもあり、現在、就活や転職を考えている人のなかにも目指している人は多いはず。しかし、実際の働く環境や待遇、仕事内容、身につけられる経験・スキルがわからないと一歩を踏み出しにくいものです。

そこで今回、就活中の大学生2人が観光産業で働く3名の先輩社会人に突撃インタビュー! 観光産業で働くことの“リアル”について聞いてみました。

先輩社会人に質問! どうして観光産業で働こうと思ったの?

本日は貴重な機会をいただいてありがとうございます! さっそくですが、皆さんが観光産業に就職したきっかけや理由を教えてください。

私が就活していたときの軸の1つが、「形のないものに携わる仕事がしたい」というものだったんです。学生時代に結婚式場でアルバイトをしていて、人生の特別な瞬間に立ち会えることに喜びを感じたことが原点にあります。旅行も同じように、“誰かの特別な瞬間をつくる仕事”だと思っています。

実は就活当初は観光産業に興味はなくて、出版業界を目指していました。ただうまくいかず、あらためて進路を考えたときに当時のアルバイト先の飲食店の店長に「ホテルとか向いていると思うよ」といわれたことがきっかけで観光産業を注目するようになりました。旅行も接客も好きだったので、面白そうだなと思って入社を決めましたね。

私は高校生の修学旅行で飛行機に乗ったとき、スタッフさんのホスピタリティに感動して、航空業界に興味を持ちました。あとはアルバイトしていたカフェで外国人のお客さんと接する機会が多くて、海外の方と関わりたいと思ったことも理由です。

盛り上がる観光産業! 働く環境はどんな感じなの?

僕も就活で観光産業は気になっているのですが、仕事がハードというイメージがあって……。待遇面など、実際のところはどうなんでしょうか?

そこは学生のみなさんとしては気になるところですよね。実際、私も入社するまで不安でした。ただ、実は観光産業は今まさに変革の時期に入っています。たとえば弊社ではフレックスタイム制や在宅ワークを取り入れ、一人ひとりに合わせた働き方ができるようになっています。服装もスーツはもちろん、Tシャツやスニーカーなど自分の好きな服装で働く人も増えているんですよ。また、初任給の引き上げを行うなど、給与面もきちんと整えています。

そうですね。弊社も給与面や待遇面はしっかりしています。観光産業は社会情勢の影響を受けやすいので変動はありますが、ボーナスもちゃんと出ます。もちろん、産休育休も男女問わず取得できます。

観光産業は比較的女性も多く、以前から産休や育休などの制度が整っていますよね。それに弊社は旅行会社なので当然かもしれませんが、皆さん旅行が大好き。連休をとって旅行したり、「どこに行くの?」なんて会話が飛び交っていて、休みもとりやすいです。価値観が近い人たちと働けるので、すごく恵まれた環境だと感じています。

価値観が合う人が多いのはいいですね! それに思った以上に就業環境が良くて安心しました!

観光産業で働く方の多くがそうだと思いますが、弊社もシフト勤務です。入社当初はそのスタイルに慣れるまで大変なこともありました。ただ、それは慣れれば大丈夫ですし、何よりグランドスタッフは協調性が求められる仕事ということもあってか、皆さん思いやりのある方々ばかりです。また職場に女性が多いので、体調がすぐれないときにも上司に相談しやすい雰囲気があり、安心して働けています。

女性が働きやすいというのは私にとってもすごく魅力的です!

 

 

仕事でやりがいを感じる瞬間はどんなとき?

皆さんはお仕事のなかで、どんなときにやりがいを感じますか?

まず、お客様にとっての特別な瞬間を作れたり、お客様の人生に伴走できたりしたときですね。たとえば店舗営業をしていた頃、学生のお客様の卒業旅行をご案内したことがあったのですが、その後そのお客様がご結婚されてハネムーンに行かれる際、私を指名でご相談にいらしたんです。さらにその後お子さんが生まれて、ご家族で海外に行くためにまた私を指名でご相談いただきました。

お客様の特別な瞬間に選んでいただけたことがすごくうれしくて、本当にやりがいを感じる瞬間でした。もう1つは部署を異動するたびにお客様も、自分がお客様にご提供できる価値も変わること。1つの会社のなかでいろいろな経験を積めることはやりがいにつながります。

ホテルはお客様の「日常」と「非日常」の両方に寄り添う存在だと思っています。旅行で宿泊される方もいらっしゃれば、地元の方がレストランにいらっしゃることもあります。そんななかでお客様に「いつもありがとう」とお声がけいただけるのは大きなやりがいですね。また、グループ会社に出向したり、人事や企画部門を経験したりと、新しい挑戦ができるのもやりがいを感じる部分です。

グランドスタッフはフロントやゲートで搭乗手続きをしてお客様を送り出す重要な仕事です。責任は重大ですが、それだけに的確に業務をこなせたときはすごくやりがいを感じますね。お客様は旅に慣れている方、赤ちゃん連れの方、車椅子の方など本当にさまざまな方がいらっしゃいます。一度、車椅子のお客様のアシストをしたのですが、最初は不安そうだったお客様が最後は笑顔で「ありがとう」とおっしゃって、それが本当にうれしかったです。

大切なのは「自ら一歩進んでお客様と向き合えること」

皆さんのお話をうかがって、ますます観光産業に興味がわいてきました! ただ、私は観光産業でアルバイトをした経験がなくて……。働くのに必要な経験やスキルはありますか?

経験がなくてもまったく不安に思うことはないですよ。たとえば弊社は入社後にさまざまな研修制度を用意していて、社員一人ひとりの成長を会社が支援してくれるんです。私も多様なメンバーと協働し、国際的な視野を広げることを目的とした海外派遣研修制度を活用して、海外勤務を経験しました。ほかにもマーケティングや語学、MBA、法務、財務、ITなどさまざまな研修が受けられます。

ホテルはサービススタッフもいれば調理スタッフもいて、バラエティに富んだ社員が集まっています。そうした社員全員が身につけるべきビジネスマナー研修については会社がしっかりと実施してくれますし、資格取得を目指すような場合は会社が褒賞金を出すなどサポートしてくれます。私も最近メンタルヘルスマネジメント検定を取得して褒賞金をいただきました。

※日本ホテルの制度では褒賞金と表記しています

グランドスタッフは業務内容が、すべて教育を通して始まり、初期の現場では新人一人に先輩が一人つくといった手厚い指導が受けられます。なので、不安な方も多いかと思いますが先輩方が寄り添ってくれるので安心してください。空港には海外の方が多くいらっしゃるので英語力はあるに越したことがないと思います。

 

どんな人が観光産業で活躍できるのでしょうか?

 

 

一言でいうと「人に興味を持ち続けている人」です。本当に色々なお客様がいらっしゃって、求められることもさまざまあるなかで、どうすればお客様一人ひとりに喜んでいただけるかを考え続けるのが観光産業で働く醍醐味です。また、考えるだけにとどまらず、それを行動にうつしていくことも大切です。

よくコミュニケーション力が必要だと思われがちですが、実はそういうわけではないんです。大切なのは自ら一歩進んでお客様と向き合う姿勢です。それができる人は成長も早いし、観光産業で活躍できると思います。

自分のことよりも誰かのためになることをできる人ですね。あとは素直な心でしょうか。やはり最初はミスもするし、お客様からお叱りを受けたり先輩から指摘されたりすることもあります。でも、それを素直に受け止めて次にいかすことが大事なんです。

とても勉強になります! ちなみに皆さんがお仕事をする上でのポリシーや大事にしていることを教えてください。

ワクワクする気持ちを忘れないことです。お客様の感動を私自身も体験することが大事だと思っているので、プライベートでもなるべく旅行に行ったりホテルに泊まったり、レストランに行ったりしてワクワクする気持ちを持ち続けるようにしています。

無駄なものは何もないというのが私のモットーです。これまでに色々な部署に異動したり、プライベートでも旅行や食を楽しんだりしてきましたが、今思うとそれらがすべてお客様へのサービスの質向上につながっていると感じています。大変なこともありましたが、無駄なことは1つもなかったと今は思っています。

働く仲間を一番大切にすることです。仕事は仲間と一緒に協力するものですから、お互いを大切しながら心地よい環境で働くことで、業務が円滑になると感じています。

観光産業は誰かの特別な瞬間に携われる素敵な仕事

―――では先輩社会人の皆さんから、最後に大学生の2人と読者へメッセージをお願いします。

喜びや感動はお客様一人ひとりにいろいろな形があります。そこに寄り添っていくのは難しいし大変なことでもありますが、同時にとてもおもしろい仕事でもあります。それを感じていただけたらうれしいですね。誰かの特別な瞬間に携われるワクワク感に共感できる方でしたら、いろいろなフィールドで活躍できます。ぜひ観光産業に興味を持っていただけたらうれしいです。

今日色々とお話をしたり聞けたりして、あらためて観光産業って楽しい業界だなって思いました! コロナ禍という厳しい時期を乗り越えて、ホテル業界でも動画配信やECサイトの展開など新たな取り組みもスタートし、まさに転換期にあります。チャレンジできる業界だと思うので、皆さんが持っている知識や経験をいかして一緒に変革していきましょう!

航空業界は本当に多くのお客様と関わる仕事で、サービスに絶対の正解はありません。そのなかで一番大事なのは、やはりお客様に寄り添うことだと思っています。そのなかで、観光産業でしか味わえないやりがいや喜びが生まれるので、ぜひチャレンジしていただきたいです。私自身も今後、ラウンジ業務やオペレーション業務、後輩の教育などさまざまな業務に挑戦していきたいと思っています。

―――大学生の2人は本日のお話を聞いていかがでしたか?

本日はありがとうございました! 研修や教育制度が整っていて、安心して働ける環境であることがわかって、漠然と持っていた不安もなくなりました。また、やりがいなど具体的なエピソードが聞けて、あらためて観光産業って素敵なお仕事なんだなと思いました!

観光産業に就職するためには高い英語力や接客業の経験が必要なのかなと思っていたので、今日のお話で「人と関わるのが好きなら大丈夫」と言っていただけて安心しました! 誰かの人生に寄り添って貢献することのやりがいや楽しさ、お客様から感謝をいただけたときの喜びなどもお話いただけて、あらためて観光産業の魅力が実感できました。観光産業に対して漠然と持っていた先入観が払拭できましたし、僕自身の視野も広がりました。ありがとうございました!

観光産業の情報を発信する「観光産業の未来 TOUCH! the future」とは

多くの人が楽しんでいる旅行を支えてくれている観光産業。そこで働く方々のリアルな声を聞けたことで、大学生2人の不安も払拭されたようです。今後の盛り上がりが期待される観光産業は、大企業だけでなく地域に根差した企業や個人経営の企業など多くの事業者が支える日本の産業基盤の一つであり、地域活性化にもつながる重要な産業として位置づけられています。

また、今回の記事を通して「もっと観光産業について知りたい!」と思った方におすすめなのが、観光産業の発展の一助を担う東京観光財団が運営する「観光産業の未来 TOUCH! the future」。

「観光産業の未来 TOUCH! the future」は観光産業を盛り上げるために、さまざまな情報を発信するサイトで、観光産業の魅力を伝えるイベントの開催や、観光産業の職業体験なども行っています。

観光産業は様々な企業が携わっており、その市場は広がり続けています。今回お話をしてくれた3人が観光産業にチャレンジしたように、現在就活中で興味を持った人も、ぜひ一度チェックしてみてください!

[PR]提供:公益財団法人 東京観光財団