「おっさん」。主に40代・50代のいわゆる中年男性を指す言葉だ。私はあと数年でそんな「おっさん」の仲間入りをする、しがないアラフォーライターである。先輩のおっさん連中からは、若い時からの変化があると聞いていたが、いよいよその兆候が出てきた。

例えば胃もたれ。2、3年前までは何を食べても大抵何事もなかったのに、先日、焼肉をたらふく食べたら、翌日に胃もたれをして体が思うように動かなかった。そんな変化を感じる度に「若いころはよかった……」なんて思ってしまう日々のなかで、私はある作品と出会った。その名も『永久少年 Eternal Boys』である。

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動画配信サービス「FOD」で配信中の本作は、6人のおっさんたちがアイドルを目指す。アラフォーの私にとって、同じく年齢や体力の壁を感じながらも、それらを乗り越えてアイドルを目指す彼らの姿は、いつの間にか希望となっていた。

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おっさんだって輝ける

本作は、満福芸能プロダクションの“おっさんアイドルプロジェクト”で結成された、「永久少年(エターナルボーイズ)」の6人を中心に物語が展開する。

メンバーのひとりである真田健太郎(40歳。CV=平川大輔)は、会社が突如倒産し再就職先を探しているなかで、満福芸能プロダクションに応募した。募集内容が「おっさんアイドルプロジェクト」と知らず、挙句には面接で志望動機を他社と間違えたりボロボロだった真田。しかし、「いつからでも輝けることを証明する」というプロジェクトの意図に沿っているということで、メンバーのひとりに選ばれた。

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彼は「永久少年」のなかで、最もふつうのおっさんである。私と同じく急な運動をすれば筋肉痛になるし、毎朝ひげもしっかり剃る。スキンケアをしなければ、肌は荒れ果てた大地に。鍛えている同世代の腹筋を見て、なぜかお腹をへこませるという悲しい抵抗をする姿は、まるで私を見ているようだった。そして、彼が作中で最もテンションが上がる「労働のあとのビール」。私自身20代のころはその感動がよくわかっていなかったが、アラフォーになってからおいしさを理解することができた。

そんな真田に向かって、「何もかも中途半端」と言い放ったのは、⽯⽥直樹(39歳。CV=小西克幸)。学生時代から「Gentlemen」という男性アイドルグループの追っかけをしており、いつしか自分もアイドルになりたいと思うようになったが、それを周りに言えぬまま教師として働いていた。そんな彼は、アイドルになりたいと公言する学生と出会うことで一念発起し、自分もアイドルになる夢を追いかけることとなった。

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偶然だが、私も教育業界で数年働いたのち、もともと憧れていたライターという仕事を目指すようなり、いまに至る人間。だからこそ彼が一生懸命になる気持ちも、必死になろうとしない同業者を見るとイラついてしまう気持ちもわかる。おっさんが夢を見るのはカッコ悪くない。彼の行動そのものが、アラフォーの私にエールを送ってくれている気がした。

これまでのふたりとは違い、芸能経験があるメンバーが今川剛(37歳。CV=浪川大輔)。5歳で出演したCMをきっかけにブレイクしたが、その後はパッとせず。歌手・役者・ダンサーなどを目指すも、いまだに夢が叶ったことは一度もない。彼は少々メタボ体型で、おいしいものを食べるのをなかなかやめられないタイプ。作中でしれっとカップラーメンを食べている姿は、まるで私を見ているようだった(本日2度目)。

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目立ちたがり屋で子どもっぽいところもあるが、自分がおっさんであると認めている言動をしたり、変化に戸惑う子役に自らの経験を踏まえて言葉をかけたりと、決して夢見がちなおっさんではない。それでも夢を追いかけようとする今川は、小さいころから憧れていた業界で、もがきながらも働き続ける私を勇気づけてくれる。

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おっさんだって人生を楽しんでもいいじゃないか

元プロサッカー選手の浅井悠(35歳。CV=福山潤)は、負けず嫌いですぐ調子にのってしまう。今川とはすぐに口論になるも、実はウマが合っている様子。おっさんだからって新しい友達や仲間ができない訳ではない。特に彼のような存在がいれば、学生時代のノリで楽しむこともできそうだ。ぜひお友達になりたい。

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元プロスポーツ選手のため、他メンバーよりも運動神経がよく、ダンスレッスンや体力づくりも難なくこなす。くわえて、彼が持っている「自分が前に出る」というマインドは、社会に揉まれれば揉まれるほど失われがちなもの。年齢を重ねたからと言って尻込みせずに、自分をアピールできる前向きさは、私が喉から手が出るほど手に入れたいマインドだ。

今川や浅井とは異なる華やかな世界で活躍していたのが、柿崎誠(41歳。CV=佐々木望)。元No.1ホストで、ホストクラブも経営する彼は、満プロの社長の呼びかけに応じてアイドルでもNo.1を目指すことに。ホストクラブで養ったであろう「人を見る力」や気配りなどは、永久少年を支え、まとめる力となっている。

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メンバー全員分の衣装を用意できる点からも、お金には困っていなさそうだ。ラーメン屋や居酒屋など、相手の立ち場や価値観に合わせた場所で飲み食いするシーンが目立つ。……あれ、できた人間すぎないか? もちろん、人望も厚い。……正直、うらやましい限りだが、それに伴った行動をしているからこその結果だろう。

これまでのメンバーと同等、ひょっとしたらそれ以上に異色な経歴の持ち主かもしれないのが、⼭中⼤輔(45歳。CV=森川智之)。元モデルで業界を干されて荒れていた頃に、先代の満福芸能プロダクション社長に誘われ、アイドル活動前はマネージメント部の部⻑として働いていた。

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彼は業界の裏方として働いていた知識や経験をいかし、永久少年の活動を自らサポートする。また、歓迎会や慰労会などの催しを定期的に開催し、周りの空気を読んだ発言をするなど、その役割はいわば中間管理職のようなものだ。彼のような上司がいれば、組織としては心強いことこの上ないだろう。

おっさんが、おっさんらしく奮闘する作品

『永久少年 Eternal Boys』はアラフォーやおっさんが共感・憧れを抱いて活力を得られるアニメだが、夢に向かって努力する姿は、きっと誰の心にも響くもの。真田はふつうのおっさんだからこそ、「自分なんかがアイドルをするなんて……」と思い悩むこともあった。しかし、メンバーと共に目標へ向かっていくなかで気持ちに変化が訪れ、「ふつうのおっさんとして、誰かを楽しませることができて、輝けることができると証明してみせる」と決意表明をする。

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“社会人らしく”丁寧に頭を下げながらも熱い言葉を放つ彼の姿は素直にカッコよかったが、これはアラフォーだから響くものではないだろう。夢を叶えるのは、簡単なことではない。ただ、目指すことは誰にだってできることだ。おっさん世代だけでなく、新しいことをはじめようと思っている方々はぜひこの作品を見てほしい。何かヒントがつかめるかもしれない。

本作は現在、フジテレビにて毎週月曜26時20分から放送中のほか、動画配信サイト「FOD」でも先行独占配信中。月額976円(税込)からの「FODプレミアム」に加入すれば、ほかにも多くのアニメやドラマが見放題となる。アイドルとして輝こうとするおっさんたちが、あなたの応援を待っている!

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(C)満プロ/永久少年プロジェクト

[PR]提供:フジテレビジョン(FOD)