将来プランやライフスタイルなど様々な要因から、マンションの購入をためらっている独身の女性も多いのではないでしょうか。女性にとってマンションの購入はハードルが高く思われがちですが、近年マンションを購入する女性は増加傾向にあります。
本記事では、実際にマンションを購入している女性のタイプや割合、独身女性がマンション購入するメリットと後悔しないマンションの選び方や注意点の詳細を紹介していますので、この記事を参考に理想のライフスタイルを手に入れる準備をしましょう。
※株式会社リンクアンドパートナーズによる調査。アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社
データからみるマンションを購入している女性の特徴
最初に各種の調査結果からマンションを購入している女性の特徴を紹介します。マンションを購入している女性の婚姻状況や世代、収入など、自身のケースに当てはまるか知っておくことで購入に備えることができます。あらかじめ情報を押さえておきましょう。
マンションを購入した女性の7割が未婚
まずはマンションを購入している女性の婚姻状況についてですが、既婚の女性がマンションを購入する方が多いかと思われがちですが、既婚者の購入は1割に留まり、7割の女性が未婚であるという調査結果があります。
これは時代に合わせて女性向けのマンションや金融商品が充実しているだけではなく、生涯未婚率の上昇が関係しているとも言われています。
“出典:一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会「マンション購入にまつわる条件や自身のライフスタイルに関するアンケート」”
購入者の4割が20代~30代
SUUMOや一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会の調査から分かる通り、新築マンションの購入は平均年齢43.5歳と、30代後半から40代全般の割合が半数以上を占めていることが分かります。
一方でマンションを初めて購入している女性は20代から30代だけでも4割を占めています。比較的早くからマンション購入を検討していたことがうかがえます。
“出典:SUUMO「独身女性のマンション購入が増えているってホント?データから見る最新事情」”
“出典:一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会「マンション購入にまつわる条件や自身のライフスタイルに関するアンケート」”
年収400~600万円の人が3割
マンションの購入検討に欠かせないのが、収入の目安です。調べによると女性でマンションを購入する人の年収は以下の通りでした。
- 300万~400万円までが8%
- 400万~500万円までが17%
- 500万~600万円までが16%
- 600万~700万円までが14%
400万~600万円の年収が全体の約3割を占めています。この調査結果からも分かる通り、高収入の女性だけがマンション購入に踏み切っているのではないことがうかがえます。
“出典:SUUMO「独身女性のマンション購入が増えているってホント?データから見る最新事情」”
“出典:一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会「マンション購入にまつわる条件や自身のライフスタイルに関するアンケート」”
独身女性がマンションを購入するメリット
独身の女性がマンションを購入するメリットは、理想の住居を手に入れるだけではありません。マンションの購入によって、定年退職後以降の負担軽減や資産的な価値、住環境の充実など様々な恩恵を受けられる可能性があります。
そこでこの章では、独身の女性がマンションを購入することで得られるメリットを紹介します。
- 老後の住宅費の負担を減らせる
- 資産として運用できる
- 住環境が優れている
- 生命保険という安心を手に入れられる
この4点について詳しく見ていきましょう。
老後の住宅費の負担を減らせる
現役の間に住宅ローンを完済しておくことで、定年退職以降の住宅費の負担はなくなり、マンションの修繕費用と管理費のみの支払いで住み続けることが可能になります。
少子高齢化が進んでいる現代においては、今後年金受給額が見直され、減額される可能性もあります。また、収入が年金のみの高齢者に対して貸し渋る大家も少なくないため、高齢になればなるほど賃貸物件が借りにくくなる傾向にあります。
それらを踏まえ、住宅ローンが完済されたマンションで住み続けられる点は大きなメリットと言えるでしょう。
マンション管理の現状や管理組合の仕組みについて解説したこちらの記事もおすすめです。

資産として運用できる
万が一、転勤や海外赴任、実家に戻るなどのライフスタイルが変化した場合でも、マンションを所有している場合は売却したり、賃貸に出すなど資産運用としても活用することが可能になります。
そこで得た資産はまた住み替え後の資金に充てることもできるため、いざという時の資産としても役立てることができます。
住環境が優れている
賃貸の場合、物件を探す際に南向きで駅から近くてなどの希望条件を指定することで予想以上に家賃が上がってしまうことがあります。しかし、同じ金額を支払うとしても、購入した方がお得に感じることが多いようです。
賃貸よりも購入が優れている点は、主に以下のような内容です。
- 水回り設備の充実:キッチン、浴室、脱衣場、洗面所
- ペットの入居も可能な場合も
- セキュリティー付き
- 宅配ボックス付き
- 24時間廃棄可能なごみステーション
中でも一番のポイントは日常的に生活の中で使用する水回りの設備に関してでしょう。
この他にも、近隣に駅や大型ショッピングセンター、オフィス街があるなど、職場・交通機関・商業施設・生活利便施設などをコンパクトにまとめた街づくりがされている物件も数多くあります。住環境の質は生活の質にもつながることですので、より優れている方を選びたいものです。
生命保険という安心を手に入れられる
住宅ローンを組んでマンションを購入する場合は、金融機関にて団体信用生命保険への加入を求められます。
この団体信用生命保険とは、通称「団信」と呼ばれ、病気やケガで働けなくなるなど、自身の身に何かがあった場合に住宅ローンの残債分を保険会社が清算する仕組みとなっています。そのために返済で苦しむ必要がなくなり、そのまま住み続けることができます。
女性が1人暮らし用のマンションを選ぶときのポイント
女性の一人暮らしの場合、マンションの購入はどのマンションでも大丈夫とういうわけではなく、選ぶ際にいくつかポイントをおさえておく必要があります。
ここでは、女性が1人暮らししていくのにぴったりなマンションの選び方のコツを紹介していきます。
- 立地や治安の良さ
- 耐震性に優れている
- セキュリティが充実している
- 家族が増えても対応できる間取り
上記の4点について確認しておきましょう。
立地や治安の良さ
マンションを購入するうえで、女性の1人暮らしで特に確認しておきたい事柄が、周辺の立地状況や治安の良さについてです。
例えば、近くに病院が無かったり、将来的に家族ができた場合に公園などの子供が遊ぶスペースが無いと不便に感じます。周囲の環境にあるもの、ないものをあらかじめ確認しておくようにしましょう。
また最寄駅からの距離や駐輪場の有無、交番の位置や街灯の明暗など把握しておくようにしましょう。たとえ駅から近い場所にマンションが建っていても、近隣に繁華街があればその分夜間の治安も悪くなりがちです。購入したいマンションの昼の顔と夜の顔を把握し、なるべく公共施設が近くにあるような立地を選ぶようにしましょう。
耐震性に優れている
マンション購入時に住宅ローンを組む場合には、耐震基準が旧耐震基準であるか新耐震基準であるかが重要になってきます。旧耐震基準のマンションとは、1981年5月31日以前に建てられたものを指しますが、この旧耐震基準のマンション購入を検討している場合は住宅ローンの全額融資が受けられない可能性があります。
旧耐震基準のマンションでもメンテナンスがされていて安全性が保たれてれば住むにあたって問題はありません。しかし、住宅ローンを組むにあたって金融機関はマンションを担保として融資する仕組みとなっています。耐震基準が旧式のものとなることで評価が下がり、全額ローンが受けられない可能性が高くなります。
新耐震基準を満たしているマンションの方が安全面でも資産の評価も高くなる傾向にありますので、住宅ローンの融資を全額受けたい場合は耐震基準にも着目して選ぶようにしましょう。
売却時のマンションの築年数と評価額については、以下の記事で詳細を紹介していますので、参考にしてみて下さい。


セキュリティが充実している
1人暮らしの女性が必ず確認したい項目は、このセキュリティ面に関してでしょう。マンションを選ぶ際に以下のようなセキュリティー対策がされているか確認しておきましょう。
- オートロック玄関
- 玄関カギが2重ロック
- ピッキング対策の鍵
- 防犯カメラ
- TV付き・録画機能付きインターホン
これらの条件以外にも、留守時にインターホンの映像が携帯電話に自動転送されたり、エレベーターでも鍵がないと作動しない設備を揃えた最新のセキュリティー対策をしたマンションもあります。
セキュリティ対策に力を入れているマンションか判断材料として、防犯優良マンション(公益財団法人全国防犯協会連合会)の登録を確認するのも一つの手です。
家族が増えても対応できる間取り
当初は1人暮らしの予定でも、ライフスタイルが変化することで家族が増えたりして部屋が手狭にならないように、家族が増えても柔軟な対応ができるような間取のマンションを選ぶようにしましょう。そのため夫婦2人を想定するのであれば、間取は2LDK以上は必要になるでしょう。
また、節税対策の意味でもある程度の広さが必要になります。延床面積が50平米以上を満たしている場合、住宅ローン控除が受けられたり、登録免許税の減税やすまい給付金が受給できますので、節税対策としても、ライフスタイルの変化で柔軟に対応するためにも、50平米以上のマンションを選択肢に入れると良いでしょう。
すまい給付金の詳細や申請については以下の記事もおすすめです。

また、以下の記事では住宅ローンの控除についても詳細を紹介していますので、あわせて読んでおきましょう。

女性がマンションを購入するときの注意点
ここまでマンションを購入するメリットや購入する際の選び方のコツについて紹介してきましたが、この章では女性がマンションを購入する前に知っておくべき注意点について紹介していきます。購入後に後悔をしないためにも、注意点について理解を深めたうえで検討しましょう。
マンションによっては売却しにくい
単身者向けのマンションとしてよくワンルームマンションが取り上げられますが、なんらかの事情でそのマンションを売却することになった場合、買手限定されることでその分売却に時間がかかってしまう可能性があります。
前述の通り、マンションの間取り選びは大変重要なポイントとなります。必ず売却も見据えた購入を検討するようにしましょう。
以下の記事では、マンションの売却に関するポイントについて紹介していますので、あわせてご覧ください。

老後の生活とミスマッチが起こる可能性がある
仕事に打ち込むためオフィス街の近くにマンションを購入した場合、現役時代は通勤時間の短縮などで利便性の高さを感じることができるかもしれません。しかし、定年退職後は近隣がオフィス街では生活に不便さを感じることになりかねません。
高齢化社会が進んでいる現代では、定年退職してからの人生も決して短くはないでしょう。そのため、老後の生活を見据えてマンションの周辺環境を確認しておく必要があります。そこで、もしそのまま住み続けることが難しいとなった場合は住み替えを検討する必要があります。
50代からの住み替えに関する基礎知識と家を購入するタイミングについて、以下の記事で詳細を紹介していますので、あわせて読んでみてください。


身の丈に合わないローンは組まない
マンションを購入するうえで住宅ローンを利用する際に気をつけたいことが、予算をオーバーした状態での住宅ローンの全額融資です。支払いが苦しくなり、結果として生活が成り立たずに住宅ローンを滞納することとなり、結果として住む場所を失ってしまう可能性があります。
必ず自分の収入に見合った金額と年数で余裕のある返済計画を立てて住宅ローンを組むようにしましょう。
以下の記事では住宅ローンのオーバーローンや、返済金の目安となる返済比率とローンを組む年数について紹介しています。あわせて読んでいただければ、住宅ローンの仕組みについてより理解を深められます。



また、住宅ローンを滞納した場合の対処法についても以下の記事で紹介しています。滞納するとどのような事態になるかもあらかじめ把握しておきましょう。

無計画に購入しない
女性の場合、ライフイベントとして結婚や出産が挙げられますが、これらのプランを無視してマンションの購入を無計画に進めてしまうと、後々ライフプランに影響が出てきてしまう可能性があります。物件の良し悪しだけではなく、将来を見据えた時間軸でライププランを設計し、検討したうえで購入に踏み出したほうが得策でしょう。
それでもライフプランニングに自信が無い場合は、住まいに詳しいファイナンシャルプランナー(通称:FP)に相談することをおすすめします。具体的な収支を踏まえて相談に応じてもらえるため、マンション購入の際に参考になるでしょう。
女性のマンション購入に関するQ&A
最後に、マンションを購入したいと思っている女性の疑問点について紹介いたします。主な疑問点は以下の内容になります。
- 独身の女性がマンションを購入する理由とは?
- 賃貸と購入のどちらが良いか
- 女性人気エリアについて
- 女性に人気の部屋の広さ
購入前の参考情報としてご覧ください。
女性がマンションを購入する理由は?
女性がマンションを購入したいと思う理由は人によって異なりますが 、そのなかでも特に多い理由として挙げられるのが以下の理由になります。
- 老後の安心のため:35.9%
- 低金利で買いやすい:29.4%
- 資産として所有したい:28.2%
これらの理由はSUUMOのアンケート調査に基づきますが、結果からも分かる通り、老後を見据えた購入が大半で、資産としてのマンション所有を望む独身の女性も多いことが分かります。
“出典:SUUMO「独身女性のマンション購入が増えているってホント?データから見る最新事情」”
賃貸と購入はどちらが良い?
マンションの購入は決して安くはない買い物のため、賃貸か購入で悩まれる女性も少なくないと思います。そこで、どちらが自身に向いているケースかを表で紹介しますので、参考にご覧ください。
賃貸が向いているケース | 購入が向いているケース |
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賃貸に向いているケースは、将来的に住む家がある場合や、結婚の予定が近々あるなど近い将来で生活スタイルに変化がある人です。また、家賃の補助が会社から出る人も無理に購入する必要はないでしょう。
反対に、賃貸が向いているケースを除いた人は購入が向いていると言えます。転勤する可能性が低い人にもおすすめです。
“出典:一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会「マンション購入にまつわる条件や自身のライフスタイルに関するアンケート」”
女性に人気のエリアは?
働く女性にとって、通勤時間や周りの住環境は大変重要になってきます。せっかくマンションを購入しても、職場から何時間も電車に揺られたり、電車の乗り換えが多いとなると苦痛に感じてしまいます。生活する上で、住む場所というのは大変重要なポイントです。
そのため、首都圏を中心とするアンケートでは以下のようなエリアを希望する女性が多いようです。
- 都心エリア:41.8%
- 城南エリア:33.0%
- 城西エリア:22.0%
- 神奈川県:18.7%
- 東京23区以外:15.4%
上記から分かる通り、マンションを購入する女性に人気なエリアは職場へのアクセスを重視し、住環境が整っている都心に近いエリアのマンションが人気ということが分かります。
“出典:ノムコム・ウーマン「男女比較!シングルの住まい選びアンケート」”
女性に人気の部屋の広さは?
女性が購入するマンションで最も人気が出ている広さは、ワンルームのような20平米台の部屋や70平米台のファミリー向けの部屋ではなく、コンパクトマンションと呼ばれる30~50平米ほどの広さが好まれる傾向にあります。
これは、狭すぎず広すぎない面積で、夫婦2人と子ども1人であれば十分に暮らしていける広さになります。将来を見据えて家族が増えても良いように、また、人気のある広さのため資産としての価値も高く、売却や賃貸で収入を得ることが可能であることも人気が出る理由といえます。
“出典:ノムコム・ウーマン「男女比較!シングルの住まい選びアンケート」”
まとめ
女性の社会進出が定着した現代においても、まだまだマンションの購入をためらう独身の女性は少なくないでしょう。しかし、賃貸のまま家賃や管理費用、交通費を払い続けるよりも、マンションを購入した方が将来的にも経済負担は軽減され、ゆとりができることで生活の質を底上げすることができます。
住宅ローンで購入する場合は団信という生命保険への加入が出来るため、万が一の場合にも備えることができるというメリットもあります。また、ライフスタイルに合わせて売却や賃貸に出すことで収入を得られる点も大きな利点と言えるでしょう。
マンションを購入する前に、マンション近隣の住環境や設備、耐震性などの安全性をしっかり把握し、オーバーローンになっていないか資金計画も立て、売却時を想定して購入することをおすすめします。この記事で得た情報を参考に、マンションの購入を検討してみませんか。
自宅の購入については次の記事でも取り扱っていますので、ぜひご覧ください。


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