マンション購入の際、多くの方は時間をかけて何回も検討するのではないでしょうか。しかし、それでもマンション購入後に失敗したと感じている人がいるのは事実であり、購入したマンションに不満を感じてる人も少なくありません。
この記事では、マンション購入後に後悔しないための対処法や注意点を解説します。後悔している人は、具体的にどのような理由で後悔しているかについても紹介します。これからマンション購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
※株式会社リンクアンドパートナーズによる調査。アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社
購入したマンションに不満を感じている人の割合
2015年2月から3月にかけて国土交通省が行った「住生活に関する意識調査」の結果を表にまとめました。新築、中古に関わらず購入後の住宅に対してさまざまな理由で不満を感じている人がいるのがわかります。
項目 | 新築 | 中古 |
広さ・間取り | 25% | 23% |
収納スペース | 50% | 44% |
外部からの騒音に対する遮音性 | 34% | 60% |
断熱性・気密性 | 24% | 33% |
冷暖房や照明などの設備の省エネ性能 | 38% | 58% |
高齢者等への配慮(バリアフリー性など) | 41% | 45% |
いたみの少なさ | 23% | 45% |
維持や管理のしやすさ | 17% | 38% |
地震・台風時の安全性 | 19% | 33% |
火災時の避難の安全性 | 17% | 28% |
防犯性 | 20% | 24% |
“出典:国土交通省「住生活に関する意識調査の結果概要」pp22-26を加工”
マンション購入で失敗した人の体験談
ここからは、マンションの購入で失敗したと感じている人の体験談を紹介します。どのような理由で後悔することがあるのか、具体的な事例を知っておきましょう。
近隣住民との関係が悪い
マンションは同じ建物のなかに多くの世帯が居住するため、近隣住民との関係性は非常に重要です。間取りや機能、立地などマンション自体には満足できたものの、近隣住民との関係性で苦労したというケースは多く聞かれます。
近隣住民とのトラブルでよくあるのが、足音やドアの開閉音、騒いでしまったときなど音に関わるものです。近隣住民が極度のクレーマーだった場合、日常生活にも大きな影響を及ぼすことになるため注意しましょう。
また、ベランダ越しにタバコの煙や臭いが伝わってきたというクレームで関係性が悪化したというケースも珍しくありません。喫煙者には気にならない臭いでも、非喫煙者にとっては非常に気になるものです。
一度関係性が悪化してしまうと修復まで長い時間がかかることもあります。快適な日常生活を過ごすことも難しくなってしまうため、近隣住民との関係性には十分気をつけましょう。
管理会社の対応が悪い
購入したマンションに引越し後、管理会社の対応に不満を持つケースもあります。基本的に管理会社は住民が快適に過ごせるようにサポートしてくれますが、清掃や修理がしっかり行われていなかったり、クレーム対応が遅かったりすることも珍しくないようです。
管理費や修繕費を払っている住民からすれば、エントランスや廊下など共用部分の清掃や修繕はしっかり行ってほしいと思うのは当然でしょう。管理会社はマンションでの生活で困ったときの相談窓口でもあるため、その対応は非常に重要です。
マンション管理の現状や管理会社の仕組みについて解説したこちらの記事もおすすめです。

修繕費用の負担が大きかった
多くの場合、マンションに住むと修繕費の積立金支払いがあります。修繕費の金額は必ずしも一定ではなく、上がってしまうケースも珍しくありません。住宅ローンの支払いに加えて修繕費の負担も大きくなり、生活が苦しくなってしまったという声も聞かれます。
そのためマンション購入の際には初期費用だけではなく、修繕費など維持にかかる費用も考慮した生活計画をたてるのがおすすめです。マンションに移り住んだ後の暮らしが苦しくならないようにしましょう。
周辺環境が悪くなった
マンションの住み心地には、周辺環境も大きく影響します。購入前にチェックするのはもちろんですが、実際に住んでみないとわからない問題もあるため注意が必要です。一例として、国道沿いにあるため深夜の騒音とホコリに悩んだり、近隣商業施設の騒音で落ち着かなかったりというケースがあります。
周辺環境は変化する可能性があることにも注意しましょう。購入時は問題なくても、マンションの前に別のマンションが建設されて日当たりや眺望が台無しになったり、近隣の施設が閉店して生活が不便になったりというケースも考えられます。
マンション購入時は物件の良し悪しだけではなく、周辺環境や利便性もチェックしましょう。地域の発展性も影響するため、今後の開発計画などもチェックしておきたいところです。
住宅ローンの支払いが苦しくなった
ほぼすべての場合、マンションの購入では住宅ローンを利用します。ローンを組む際は収入金額を考慮したうえで無理のない支払い計画をたてるはずですが、その後の支払いが厳しくなってしまうケースも珍しくありません。
よくある理由の一つが、夫婦で収入合算をしたケースです。このような場合、出産や子育てなどライフステージの変化で妻が退職すると収入が減少して支払いが厳しくなってしまいます。また、残業がなくなって収入が減ったり、ボーナスがカットされたりして支払いが厳しくなるケースもあります。
住宅ローンを組む際は現在の収入だけではなく、今後のライフプランなども考慮して無理のない支払い金額と期間を設定するのが望ましいです。
想像よりも使い勝手が悪かった
実際に住んでみたら思っていたより住み心地がよくなかったという声も聞かれます。生活するうえで不便な間取りだったと感じることもあるようです。収納が少なく、部屋が物で溢れかえってしまったというケースもありました。このような事態を避けるためには、内覧時に実際の生活を想定して細かくチェックするのがおすすめです。
設置したい家具がある場合は、その家具が置けるスペースがあるか測りましょう。コンセントの数や場所などもチェックしておきたいところです。実際の暮らしを想定して、家事動線が悪くないかどうかもチェックしましょう。
耐震基準に問題があった
マンション購入の際には耐震基準にも注意しましょう。立地や建物、管理状態などが良いうえに価格もお手頃だったことから購入し、結果旧耐震基準の物件で後悔したというケースがあります。
現在の耐震基準が適用されたのは1981年であり、それ以前に建物の確認が行われた物件は旧耐震基準の物件です。とはいえ旧耐震基準の物件だったら必ずしも地震に弱いとは限りません。しかし、旧耐震基準のマンションは災害発生時のリスクは大きい傾向があります。
例えば旧耐震基準のマンションで、近くの川が氾濫を起こしたことにより浸水してしまったというケースもあるためです。旧耐震基準の物件と比較すると、より厳しい現行の耐震基準をクリアしている物件のほうが一定の安心感があるといってよいでしょう。
マンション購入で失敗しないための対処法
ここからは、マンションの購入で失敗しないための対処法を紹介します。ぜひこの機会にここで紹介する対処法を知っておき、マンション購入で失敗しないようにしましょう。
事前調査を徹底する
マンション購入の際は事前調査が重要です。周辺の環境や住民の様子をチェックして、問題がないかを確認しましょう。内覧時などマンションに行った際は、雰囲気なども可能な限りチェックしたいところです。
内覧時には、不動産会社の担当者から情報収集するのもおすすめです。ご近所トラブルがないか、上下階や隣の住人に問題がないかなど遠慮せず聞いてみましょう。マンションに住むうえで、住民の質は重要です。
最近ではインターネット上にマンション専門の掲示板や口コミサイトなどもあります。これらは実際にその物件に住んでいた人や現在住んでいる人が書き込みしているため、参考資料として価値があります。マンション購入後に後悔しないために、事前調査はしっかり行いましょう。
修繕費用の積立金を確認する
維持費がかかってローンの支払いが苦しくならないように、長期修繕計画や、維持費の積立金が十分にあるのかを確認しましょう。多くの場合、10年から15年ごとに建物の修繕が行われますが、その費用は入居者が毎月支払う修繕積立金でまかなわれます。
しかしこの修繕積立金の金額は一定ではなく、建物の状況によって上がることもあるため注意しましょう。入居後に修繕積立金が高くなったという話は決して珍しくありません。特に築年数の古いマンションは、修繕積立金が上がっていく傾向があります。
マンションの売却で修繕費が戻るのか詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

間取りや収納スペースを確認する
実際に住んでみたら、思っていたより収納量が少なくて困ったという声もよく聞かれます。このような事態を避けるため、内覧時には収納スペースを見るだけではなく、実際に開けてどのくらい収納量があるかを確認しましょう。動かせるものはすべて動かすくらいの意識で臨むのがおすすめです。
マンションの内覧では間取りの違いにも注意が必要です。部屋によって収納が異なる場合があります。細かいことでも曖昧にせず、わからないことは不動産会社の担当者に確認しておきましょう。内覧時のチェックポイントについては、詳しく解説しているこちらの記事も参考にしてみてください。

ローンは年収の5倍以下の金額で組む
マンション購入後、住宅ローンの支払いで苦労する人は多いようです。一般的に、住宅ローンは年収の8倍までとされています。しかし、この基準は今後の収入や生活基準が大きく変化しないことを前提にしています。終身雇用制度や年功序列制度が当然ではなくなった昨今は、今後の生活が変化する可能性も考慮しなければなりません。
そのため、住宅ローンは年収の5倍以下の金額で組むのがおすすめです。また、住宅ローンを組むにあたって限度額まで借りるのはできる限り避けましょう。住宅ローンの組み方について詳しく解説したこちらの記事も参考にしてみてください。

ライフプランを練っておく
家族で今後のライフスタイルについて話し合っておくことも重要です。その際はできれば、自分たちだけで計画をたてるのではなく、ファイナンシャル・プランナー(FP)などのプロに相談するのがおすすめです。専門家からのアドバイスを得ることで、より現実的で確実性のある計画を立てられます。
また、計画を立てる際は、これからの生活も考慮したうえで住むエリアや間取りが適しているか判断しましょう。現在は不便を感じない間取りでも、子供が生まれたら手狭に感じたり、部屋数が少なく感じたりすることがあるかもしれません。家族が増えれば、家具や服など収納しなければいけないものも多くなります。
購入するマンションを選ぶときの注意点
マンションの購入で失敗しないために、選ぶときの注意点を紹介します。ここで紹介する注意点を意識して、自分にぴったりなマンションを購入しましょう。
資産価値の低いマンションはNG
将来的に売却する予定がある場合は、資産価値の下がりにくいマンションを選びましょう。資産価値の下がりにくいマンションの主な特徴は以下のとおりです。
- 近隣の商業施設が充実している
- 今後も人口が減らないエリアに建っている
- 物件の管理体制がしっかりしている
- 駅が近い
突発的な出来事や周辺環境の変化など予測できない要素で資産価値が下がってしまう可能性はありますが、なるべくこれらの特徴は抑えておきましょう。
安さだけで選ばない
マンションは価格だけで選ばないようにしましょう。市場価格より安い価格で売り出している物件は、それ相応の理由があると考えられるため注意が必要です。考えられる理由としては、何らかの欠陥を抱えている、過去に自殺や殺人があった事故物件だったなどがあります。
不動産会社には事故物件の告知義務があるため、事前に不動産会社に確認するとよいでしょう。その際には念のため、メールなど後々証拠として残る形で問い合わせておくのがおすすめです。
建物内部の老朽化を見逃さない
内装など目につく場所はきれいでも、給水や排水管など建物の内部が劣化している可能性があります。特に築年数が経過している古いマンションは要注意です。共有部分の配管については、管理組合によって定期的なメンテナンスが行われているかを確認するとよいでしょう。
配管に使用されている素材が腐食しにくい塩化ビニルや架橋ポリエチレン管かどうかも判断する目安になります。配管の素材に銅管が使用されている場合は比較的、腐食しやすいため注意が必要です。専有部分にある配管の状態が芳しくない場合は、入居前にリノベーションやリフォームをすることで改善できます。
モデルルームの雰囲気を鵜呑みにしない
一般的に、モデルルームはそのマンションにある数多くの部屋の中でも見栄えの良い部屋を選んでいます。そのため、モデルルームを見ただけで判断してしまうと認識の違いが生じる可能性があります。モデルルームがどれだけ魅力的に映っても、その雰囲気だけで判断せず図面も細かくチェックしましょう。
図面を読んでもわからないことがあった場合は、担当者への確認も必要です。図面も細かく読み込んだうえで、購入するかしないかを検討しましょう。
低層階と高層階は選ばない
同じマンションでも、階によって住み心地は異なります。一般的に、低層階は底冷えして暖房費が高くなりやすい傾向があります。また、高層階と比較して湿度が高い場合が多いです。
一方、高層階は風通しがよく窓からの眺めもよい部屋が多くあります。しかし、エレベーターが混雑して外出するのに時間がかかってしまうというデメリットがあることに注意が必要です。比較的人気の高い最上階は、屋上に日が当たるため部屋が暑くなりやすいことに注意しましょう。
防犯面では、1階や2階などの低層階が侵入されやすいと思われがちですが、実際は最上階の部屋が侵入件数も多い傾向にあります。最上階に住んでいる住人は高所得と思われるため、侵入件数も多くなってしまうようです。最上階でも、防犯的に安全ではないということは覚えておくとよいでしょう。
マンション購入後の失敗を挽回するには
どんなに注意しても、マンション購入後に失敗したと感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、購入後でも状況に応じて挽回する方法があります。そこでここからは、マンション購入後の失敗を挽回するための方法を紹介します。
売却して現金化する
まず考えられる方法が、売却してもっと住みやすい物件への住み替えです。売却して現金を手に入れることができれば、住宅ローンの返済や住み替え費用に充てることができます。ただし、売却金額が安いと負債が大きくなってしまう可能性があるため、注意しなければなりません。
売却する場合は負担が大きくならないか、今よりも暮らしやすくなるか等を事前にしっかり検討しましょう。どのくらいの価格で売却できそうかも調べる必要があります。基本的に物件は、築年数が浅いほど高く売れ、古くなっていくと価格も低くなっていきます。
売却で失敗するとさらに後悔を重ねてしまう結果になってしまうため注意しましょう。マンションの売却について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

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賃貸として入居者に貸す
自分で居住するのではなく、賃貸として入居者に貸すことも考えられます。入居者を募集して契約を結び、毎月得ることのできる家賃収入をローンの返済に充てられるのがメリットです。賃貸契約が満了すれば、また自分の居住用にすることもできます。老後は今のマンションに戻りたいと考えている方にもおすすめの方法です。
この方法は、特に賃貸需要の高い都心部エリアのマンションにおすすめです。そのようなマンションでしたら、借りる人も見つけやすく利益も出しやすいでしょう。マンションを賃貸として貸す方法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

リフォームを実施する
リフォームも有効な手段です。住みやすいように間取りを変更したり、設備を最新のものに入れ替えたりすることによって、住み心地を改善できます。リフォームする際には、マンションの管理規約に抵触しないか必ずチェックしましょう。事前に申請が必要なマンションもあります。
リフォーム業者を選ぶときは、安さだけで選ばないのがポイントです。低価格で優良なリフォーム業者もありますが、無免許でリフォームを請け負っている悪質な業者もあるため注意しましょう。自分で優良なリフォーム会社を探すのが難しいときは、不動産会社の担当者に紹介してもらうのもおすすめです。
まとめ
購入したマンションに不満を感じている方は珍しくありません。その理由は間取りや収納、設備など建物に関することから、住民とのトラブルや周辺環境など多岐にわたります。この記事で紹介した対処法や注意点を参考にして、マンション購入で後悔しないようにしましょう。
そのためにも、実際にマンション購入で失敗した人の口コミは大いに参考になります。マンション購入の失敗談については以下の記事でも取り扱っていますのでぜひご覧ください。

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