不動産業界の将来はどうなる?不動産業界の現状と今後についての考察

社会問題・用語解説

これまで不動産業界は、超低金利政策などの影響を受けて売り上げを伸ばし躍進を続けてきました。しかし、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行はそんな不動産業界にも大きな打撃となりました。東京オリンピック開催に向けて不動産投資を進めていた投資家たちにとっても2020年は激動の年だったのではないでしょうか。

不動産の購入・売却をする上で、今後の不動産業界全体の動向は押さえておきたいポイントです。本記事では、昨今の不動産業界についての解説及び将来についての考察をまとめました。不動産業界で今後も生き残っていくためにどうすればいいのか、一緒に考えていきましょう。

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不動産業界の現状や市場の動向

新型コロナウイルスの流行や東京オリンピックの延期など、波乱の幕開けとなった2020年の不動産業界は、現在どのような状況に置かれているのでしょうか。さまざまな方面から不動産業界を切り取って詳しく見ていきましょう。

不動産会社の事業所数は増加傾向にある

不動産業を営む事業所の数から見ていきましょう。不動産流通推進センターの「2020不動産業統計集」によれば、不動産業の法人数は依然として上昇傾向にあります。他の産業法人数と比べてみてみても全産業のなかで10%以上を占めており、多くの業種が減少傾向にあるなか、不動産業は増加傾向を見せています。

従業員数も増加しており、特に従業員数が1~4人の小規模事業所が目立つ形です。小規模事業所が増え、それに伴って雇用が生まれているものと見られます。

4年制大学を卒業して新卒雇用される人口についても安定した数を保っており、このような不動産会社の事業所数の増加はしばらく続くものと考えられています。

不動産市場規模も拡大傾向にある

市場規模については2015年より拡大傾向を続けています。財務省が毎年おこなう法人企業統計調査にもその拡大傾向が表れています。「年次別法人企業統計調査(平成30年度)」によれば、2015年に39兆3,835億円だった売上高が2018年には46兆5,363億円にまで成長しています。

四半期別法人企業統計調査(平成31年4~6月期) 」「四半期別法人企業統計調査(令和2年4~6月期)」によると、不動産業の売上高は2020年1~3月に12兆1,878億円で2019年同時期の10兆648億円を大きく上回り、上昇を見せていました。しかし、2020年4~6月の調査では2019年の10兆2,090億円から9兆1,840億円と大幅にダウンしています。

この時の調査ではそれまで上昇傾向を続けていた不動産業だけでなく食料品や業務用機械、建築業など、他の産業についても軒並み減少する結果となっています。これにはコロナウイルスの影響があると見て良いでしょう。

新築住宅の着工数も増加傾向にある

新築住宅着工数は数年前まで減少傾向にあり、国土交通省の「平成30年度 住宅経済関連データ」の「新設住宅着工戸数の推移」を見ると、2009年には775,000戸まで落ち込みましたが、そこから現在までゆるやかな上昇が続いています。特に2016年の日本銀行のマイナス金利政策は住宅ローンの低金利にもつながり、新築住宅の増加に大きく影響しました。

マイナス金利政策は景気改善を目指し現在も続いているため、家を新築したい人にとっての需要は依然として継続するでしょう。しかし、近年新築住宅へのこだわりを持って家を探す層が減少していることや、コロナウイルスによって収入が減るなどしていることを鑑みると、全体的な需要の減少も考えられます。今後の動向に注目しましょう。

東京を中心としてオフィスビルの需要が増加している

2020年の東京オリンピックに向けて、東京都心部は国家戦略特区とされ、高層オフィスビルが建設されるなどして不動産業界も大きく盛り上がりました。選手村マンションをはじめとして都市部に高層オフィスビルや商業ビルが複数建設されるなど、売れ行きもよく順調な成長を期待されています。

しかし、東京オリンピック開催延期を受けて需要の変化も懸念されていることも事実です。オリンピックは2021年に開催される予定ではありますが、本当に開催されるのか見通しが不透明であることや、テレワークが普及し、本格的なオフィスの縮小化を目指す企業も現れたため、当初望まれていたような不動産需要が見込まれるかどうかは曖昧です。

不動産業界の将来に影響すること

昨今のコロナ禍でもわかるように、不動産市場は幾多のものから影響を受け常に変動を続けています。将来の動きを読み取るためには、そのように不動産業界を揺るがす要素についてもきちんと触れておかなければなりません。ここでは以下のことに触れて考えていきます。

  • 東京オリンピック・大阪万博
  • 2022年問題
  • 高齢化社会
  • 若年層の人口減少

東京オリンピックと大阪万博の開催

オリンピックなどの国際的な行事がおこなわれる際には、世界的な需要の強化があるため、景気も大きく上昇する傾向があります。東京オリンピックに向けた日本も例外ではありません。選手村として使用されるマンションは、開催後は住宅や事業用に転用されることになっており、開催に向けて人気の高いエリアとなりました。

また、2025年には大阪万博が開催されることも決定されています。大阪では外国観光客を取り込むための宿泊施設の建設や、インフラ整備などがおこなわれ盛り上がりを見せています。

ただし、東京オリンピックが延期され、中止にならないとも言い切れない今の現状では、投資に慎重になるケースも多いです。需要が下がれば価値も下がってしまいます。すでにオリンピック用地の一部の埋め立てエリアでは、居住用マンションの供給が需要を上回っており、価格の下落が予想されています。

空き家が増加する2022年問題

2022年問題という言葉を聞いたことはあるでしょうか。生産緑地問題とも言われ、1992年に制定された生産緑地法に基づいて生産緑地に指定された土地が、30年の転用制限を解除されることが問題視されています。

生産緑地は、宅地よりも安い農地として課税評価を受ける代わりに、指定されてから30年間は宅地に転用することを禁止されていました。2022年は最初に生産緑地に指定された土地が一挙に宅地として市場に並ぶため、空き地の増加宅地供給過多で価値が減少することなどを懸念されているのです。

人口減少や単身世帯の増加に伴って住宅地が余る住宅ストック問題の加速や、空き家問題の悪化も予想されるため、不動産投資家にとってはいつ売却・購入するか判断を迫られることになります。

政府もこの2022年問題には取り組む姿勢を見せており、2018年に田園居住地域を用途地域に追加するなどして対策を急いでいます。

高齢化社会の加速

高齢化問題はさまざまな弊害を引き起こしていますが、不動産業界にも少なからず影響しています。高齢化と並行して総人口も減少しており、2004年1億2,768万人をピークとして現在まで減り続けています。2020年10月1日の総人口は1億2,588万人でした。

特に地方の人口は大幅に減り、空き家問題・価格減少に直結している状態です。一方で都市部では限られた土地に多くの人が住まいを求めるため、価格が上昇し、地域によって価格が大きく異なっている二極化の状態が持続しています。

空き家が増え、分譲住宅の価格が下がると、賃貸物件の需要に影響する恐れもあります。

若年層の人口減少

住宅を購入する人口のほとんどは若年層です。国土交通省住宅局の「平成30年度住宅市場動向調査~調査結果の概要~」で世帯主の年齢を見てみると、新築注文住宅・分譲住宅・中古住宅の部門でいずれも30代の層が最も多く、60歳以上は10%前後という結果になりました。

高齢化社会が進み、若年層の人口が減少すると住宅を購入する人口も減ってしまうことになります。新規購入需要だけでなく、住み替え需要の減少も懸念されています。

不動産業界の今後の課題

不動産業界の今後の見通しを考えると、いま不動産業界に求められる課題や改革もおのずと照らし出されます。いまの不動産業界に期待されているのはどういった対策でしょうか。

新技術やサービスの向上

極力接触を伴わない営業や接客が一般的となった現在、不動産業界もそういった改革を積極的におこなうべきです。最近ではAIを使った不動産査定や、IoTやVRを利用したバーチャル内覧などが話題になっています。

このように、新技術を導入して消費者に対するサービスの質を向上させていくことで、不動産業の信頼産業としての側面を際立たせることが求められているのです。そのためには、いち早い環境整備や技術の導入が必要でしょう。

東京オリンピック後の景気の後退

オリンピックや万博に向けて向上した景気は、そのイベントが終焉すると停滞・低下する傾向があると考えられています。過去オリンピックを開催した都市も開催後の景気の低迷を感じたといいます。

オリンピック後は海外の投資家が日本から手を引き、都内マンションなどの価格が下落することが予想されます。不動産業界は経済が停滞していくことを見越して、不動産業も沈滞するようなことがないように施策を用意する必要があるでしょう。

ブロックチェーン技術の発展

ビットコインをはじめとする仮想通貨システムを社会的に取り入れる流れが世界で推進されています。ブロックチェーン技術は、そういった取引を安全に正確におこなうために仕組みを作るシステムのことで、現在さまざまな業種で注目されています。

不動産業界もブロックチェーン技術を利用することでさまざまなメリットを得ることができます。例えば、不動産会社と消費者が一対一で取り組まなければならなかった賃貸契約の一連の流れを、物件管理から契約の締結までをアプリケーションなどで一連のプロセスとして管理することで、一括サービスとして提供することが可能になります。

ブロックチェーン技術などの高度な情報管理技術が発展していくことで、数多くの不動産会社がネットワークを共有することで連携を強めることも期待されています。

業態に合ったきめ細かいマーケティング

情報技術の向上やサービスの充実をおこなうためにも、業態に合わせて詳細なマーケティングをおこなうことは何よりも大切です。

仲介手数料だけで経営していくのが難しくなる未来もそう遠くないかもしれません。顧客がそのときに求めているサービスを徹底的に調べ、選ばれるサービスを提供し、仲介手数料以外に収益を生む機会(キャッシュポイント)を見つけていくことが必要でしょう。

不動産業界に将来性はあるのか

ここまで成長を続けてきた不動産業界ですが、人口の減少や需要の停滞を受けたその将来性が不安視されます。不動産業界の将来性について考察していきましょう。

テクノロジーが進歩すると不動産に関わる仕事が減る

これは不動産業だけに言えることではありませんが、AIなどの技術が発展すると今まで人が担ってきた仕事をAIに奪われることが懸念されています。

不動産業で考えると、物件探しから内覧、契約までを人の手でおこなってきましたが、AIが消費者のニーズに合わせた物件を精査し、VRで内覧をおこなったり、パスワードなどで管理された鍵を使用することで購入希望者のみで内覧が可能になるなどのことも考えられます。

現に査定をAIがおこなう技術も開発されており、不動産業者の業務がテクノロジーの業務にすり替わる可能性があります。

人間味を求める人もいる

上記のようにAIに取って代わられたことで不動産会社の人員が大幅に削減される可能性は否定できません。しかし、今のところ全ての業務をAIに任せることはできず、消費者としてもAIではなく人間味のある対応を求める声も多いのが現状です。

テクノロジーの進化を進める一方で、人間にしかできないサービスや質の向上を目指していくことが求められています。

大手不動産会社は苦戦を強いられる可能性が高い

地域密着型の不動産会社がコロナ禍の影響を受けて存続を危ぶまれることも厳しいことはもちろんですが、今まで安泰とされていた大手不動産会社も生き残りをかけて厳しい戦いを強いられる可能性があります。

地元重視の不動産会社は扱う不動産の地域に加え、種類も限っていることが多いです。しかし、大手不動産会社は居住用物件から投資用物件、オフィスビルから商業ビルまで、多くのジャンルで幅広く取引をおこなっています。

これまでは景気の悪化で居住用の物件の需要が落ち込むなどしても、商業ビルなどで安定的な売り上げを獲得していました。しかし、コロナウイルス対策で東京オリンピックが開催延期を強いられたり、テレワークの推進でオフィスの縮小がなされたり、郊外への転居が視野に入ってくるなど、その売上も大きな衝撃を受けることでしょう。

住まいの需要がなくなることはない

ここまで見てきたように、現在不動産業界全体が置かれている状況は易しいものではありません。所有する不動産が大きく価値を落としてしまう可能性や、不動産会社が厳選され減少していく恐れもあります。

とはいえ、不動産の需要がなくなってしまうことはありません。人間が生きている限りは、いつの時代においても人は住居を必要とします。テレワークの推進やおうち時間を充実させていく過程で、住まいに対する関心が高くなっていることも確かです。

コロナ禍が去って以前のような日常が戻ってきた場合や、現在のような生活が日常化していく場合など、さまざまな長期的見通しを立てて行動することが今後を握っています。

不動産業界で生き残るための対策

低迷する可能性のある不動産業界を今後も生き抜くためには、今どのような対策を取ることができるでしょうか。考え得る方策として次の3つのキーワードを覚えておきましょう。

  • リノベーション
  • 区分所有権オフィス
  • 不動産相場

それぞれについて以下で詳しく解説します。

価値のない不動産をリノベーションする

昨今、不動産需要のなかでも新築にこだわりを持つ層が減少傾向にあります。中古物件を好んで購入する人も少なくありません。そこで、資産価値が低くなった古い物件をリノベーションして売り出す手立てが注目されています。

空き家になっている家や、築年数が古い木造住宅などにはほとんど価値がなくなってしまうことも多いです。そのままでは買い手がつかない物件を安く手に入れ、リノベーションして売り出したり、シェルターにしたり、事業用倉庫として貸し出したり、高齢者住宅として運営するなど、さまざまな方法で活用します。

空き家問題が横行するなか、こういった再利用を進めることは社会的にも推進されています。発想によって多数の利用方法があるため、注目の不動産活用法です。

区分所有権オフィスへの投資

これまでの不動産投資と言えば、マンションを一棟建てたり、アパート一棟を購入して貸し出すことで賃料を得ることが一般的でした。しかしこれからは部屋ごと・フロアごとに購入して法人相手に貸し出す区分所有権オフィスが注目されることでしょう。

ポイントは部屋ごとやフロアごとの小規模な購入であることと、個人向けではなく法人向けの賃貸であるということです。

一棟購入するとその分大きなコストがかかることは明白ですが、これまではそのほうが運用する上でメリットが少ないとされていました。一棟まるごと購入すると、どこかで空室が出ても他の部屋で賃料が入り続ける安定性が魅力とされています。

しかし、人口減少に伴って居住用マンションの需要がなくなってしまっては、一棟で持っていてもそのメリットは享受できず、ただ多額のコストがかかるだけになってしまいます。そこでなるべくコストを下げるためにフロアで購入したり、部屋ごとに購入する方が最終的な利益が大きいのではないかと注目を集めているのです。

更に法人向けにオフィスとして貸し出すことで、居住用に貸し出すよりも安定的な需要を望むことができ、賃料も安定的に高い水準で得ることができるのではないかとされています。

先を見通した投資なら、区分所有権オフィスを選択肢に含めてみてはいかかでしょうか。

不動産の相場を正しく知る

投資をおこなうなら前提条件ともいえるかもしれませんが、不動産業界を知るには不動産市場の相場を知ることが一番です。

所有する不動産の価格を業者に定期的に査定してもらうことで価値の推移を把握するだけではなく、その不動産とは異なったジャンルの不動産の相場も含めた多数の物件について相場を調べて比較していくことで、不動産業界全体の状態・推移を考える基準になります。

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まとめ

現在、不動産業界を含めてさまざまな業種で変革の時を迫られています。人口減少やコロナウイルスの影響で厳しい将来が予想されることも事実ですが、不動産の需要は減ってしまってもなくなることはありません。言い換えれば、ニーズを満たした物件やサービスを提供することができれば、投資でも不動産業界としても良い結果を期待できます。

今までしていなかった取り組みやサービスの供給、空き家をリノベーションして再利用するなど、将来を見据えてさまざまな挑戦をしていくことで、不動産業界の未来をより良い形で切り開くことができるでしょう。

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