――監督にお伺いしますが、今回の作品で一番伝えたいメッセージは何ですか?

佐藤監督「いろいろなところでマリンが『愛してる』っていうんですよ。予告の最後も『愛してる』ですし、おそらく番宣の最後も『愛してる』だと思いますし、何ならポスターにも『愛してる』って書くのではないかっていうくらい『愛してる』っていっぱい出てきます。実は大きなテーマの柱はそこで、『人を好き』とはどういうことか、新しい角度から考えてみようというのが大きなテーマになっています。マリンと夏音は、まったく逆のところがスタートなんですよ。ピュア100%で、人を憎んだり嫌われたりするところのないマリンと、とにかく人嫌いでいろいろな人と接触しないようにしている夏音。どちらも心はピュアなんだけど、まったく逆位相にいる人たちがお互いを好きになる。そして、その間にウリンという妹を置いて、彼女のことをおそらく夏音もマリンも好きになっていくというのが大まかなドラマの作りになっています。そういう話を通して、好きってどういうことなんだろうということを描いていこうと思っております。『愛してる』という言葉は、なかなか日常で使うこともないですし、過去にも言ったことがあるヤツは何人いるかっていったら、ほぼ……、みなさんありますか? ないですよね。結婚している私ですらないんですから(笑)。そんな言葉をマリンちゃんの真似をして、気軽に言えたりするのも素敵なことではないかと思ったりしております。そんな作品になればうれしいですね」

――実際に4話まで演じてみて、ご自身のキャラクターの好きなところをお教えください

阿澄「マリンちゃんは、監督もおっしゃるとおり、ピュア100%で、本当に真っ白で真っ直ぐで、素敵な部分を全部詰め合わせてキャラにしたみたいな女の子なんですよ。たぶん、世界中探しても一人もいない、アニメならではの存在といえるかもしれません。そんなキャラクターなので、私と比べてみてもやっぱり違う部分は多いけれど、すごく憧れる女の子になっています。マリンちゃんのセリフはすべて、真っ白で真っ直ぐで、本当に純粋に人を信じているということが基本になっていて、そういった部分は、なかなかほかのキャラでは演じられないところだと思うので、すごく楽しく演じさせていただいています」

寿「夏音は邪悪100%で、本当にマリンちゃんと正反対なのですが、その中にある『本当はこうなりたい』という願望などは、本当にピュアだったりもします。でもそれを隠して、人にツンケンと当たったり、邪悪、邪悪っていわれるようなことをしてしまったりするところが夏音ちゃんにはあるのですが、マリンちゃんやウリンちゃん、海の人々たちに出会っていくことで、変わっていくんだろうなってところが、私自身もすごく楽しみです。気持ちとしては共感できる部分がたくさんあって、本当に大好きなキャラクターなので、これからも頑張ってほしいなと思っています」

堀江「マリンちゃんの反動なのかはわかりませんが、ウリンちゃんはちょっぴり背伸びをしているというか、『しっかりしなきゃ』みたいなところがある気がして、そういうところがすごく可愛いですね。ちょっとひねているというか、うれしいことをうれしいと正直に言わない部分があったりするウリンちゃんを見ていると、『あ、素直に言えないんだ』なんて思ったりして、本当に可愛いなって思います」

――第4話までで、ココに注目してほしいというところを教えてください

阿澄「4話までだと、まだ夏音とマリンの仲もそこまで近づいた距離感にはなっていない段階ですが、段々と近づいていく2人の関係性に注目してほしいですね。個人的には変身するシーンがすごくうれしかったです。映像面も、PVの段階から本当にキレイだったので、そんな感じで本編全部がいろいろな色で飾られていくのかと思うと、本当に楽しみです。あと、亀の松本さんが火を吹くシーンをぜひ(笑)。作品全体が本当にキラキラしている感じを私は受けているので、そこにもぜひ注目していただきたいと思います」

寿「本当に絵がキレイなんですよ。天神子島というところが舞台になっているのですが、その風景が、画面上から、絵からビシバシと伝わってきます。あとは村の人たちひとりひとりや、夏音ちゃんもすごく表情の変化がはげしいので、ぜひそこにも注目していただきたいですね。あとは個人的になのですが、サムさんの歯とか(笑)。いろいろなことがきめ細やかに、そしてひとつひとつが丁寧に描かれている作品だと思うので、すべてをビッシリ観ていただけるとうれしいです」

堀江「やはりマリンちゃんと夏音ちゃんの2人に友情が芽生えるまでというか、今は2人の関係が築かれている途中なのですが、その段階がすごく丁寧に描かれていると思うので、特に夏音ちゃんの微妙な心の変化みたいなところが見どころだと思います。あとは、エンディングがとても美しく、ちょっとお伽噺風になっていて、それにいちいち反応するウリンちゃんがいるのですが、それがとても可愛いので、ぜひエンディングの一番最後まで皆さんに観ていただきたいなと思います」

永井「私が注目しているのは、メインの3人の心の機微だったり、夏音の母としては夏音ちゃんの成長だったり、あとはサムさんの歯だったり、松本さんが火を吐くところだったり(笑)。あとは、ワリンちゃんが、意外にいい人で、思ったより悪くないぞってところなのですが、都としては引き締まった身体ですね(笑)。登場人物がみんな、とてもスタイルがいいんですよ。それをちょっと観ていただきたいですね。あとは、この親にしてこの子ありみたいな親子のやりとり。都さんは夏音ちゃんのことを邪悪って言ってますが、都さんは都さんで自分勝手だったり、本当に大人気ないところがたくさんあったりします。そこがかわい気になっていればよいのですが、そういった親子のやりとりにも注目していただきたいです」

間島「サムとしましては、やっぱり歯の輝きに注目して欲しいです。あとは『海ぶどう』ですね。この2点を押さえておけば、サムという人間がわかります(笑)。メインキャラが正反対の性格だったりするのですが、そのあたりが、シリアスなシーンとコミカルなシーンとですごく差がはっきり出るので、そういったところも面白いと思います」

福井「マリンちゃんがすごくピュアなところですね。マリンちゃんの言葉を聞いているだけで、心が洗われていくような感じです。マリンちゃんだけではなくて、本当に皆さんおひとりおひとりに、それぞれピュアな面がありまして、1話観るごとに、浄化といいますか、キラキラした気持ちになれるような作品だと私は勝手に思っております。メインのキャラクターの方たちも素敵ですが、まわりのキャラクターたちも本当に心が温まる、そんな空気感がたくさんある物語だと思います」

納谷「ギャグっぽいところがすごく面白いですよ。マジなところとギャグのところがバッと入れ替わるところがすごく良くて、そこを注目して観てほしいです」

儀武「私は鈴木という夏音ちゃんの幼なじみのキャラクターをやらせていただいております。鈴木は夏音ちゃんに、『愛してる』(というのはちょっと大げさかもしれませんが)、その気持ちをずっと言えずにいたキャラクターなので、そういった『愛してる』って言いたいけど、言えないというのも、ある意味作品のピュアさなんじゃないかと思います。なので、ぜひキャラクターたちの心の動きにも注目してください」

(次ページへ続く)

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