お正月明けから東京をはじめとした複数の地域で、緊急事態宣言が発令され、テレワーク比率が高まっています。昨春からずっとテレワークという企業も多いのではないでしょうか。

通勤時間の削減など良い面がある一方、部下や後輩が「テレワークでメンタルが疲弊」「自宅での仕事は集中しづらいし、モチベーションも高まらない」といった悩みもよく聞くようになりました。そして、ほぼ必ず「メンタル面で、部下・後輩に伝えてあげると良いこと(=方法)ってありますか?」ということを質問されます。

そこで、今回は、「テレワークをする部下・後輩に紹介すると効果的なメンタルマネジメント術」を4つ紹介させていただきます。

  • テレワークでの仕事の極意とは?

仕事スイッチの入れ方

1つ目は「仕事スイッチを入れる工夫」です。

テレワーク下では、「プライベート」と「仕事」の境目が、なんとなく曖昧になりがちです。そんなときは、例えば「お気に入りのカップに珈琲を入れてPCの前に置いたら仕事に入る」といったプロンプトを作り、「仕事への切り替えスイッチ」にすると効果的です。

プロンプトは行動分析学の概念で、「●●=行動開始」といったように、行動のスイッチを入れる特定のシンボルのことを指します。意図的に、「仕事スイッチ」として、このプロンプトを作るのです。

必要なことは、「特定の行為を繰り返すこと」。例えば、「このカップをPCの横に置く」といった日々繰り返していけば、無意識に、「カップを置く=仕事スイッチが入る」という状況が作られるようになります。

「仕事をやる気」の作り方

2つ目は「仕事に気持ちがのらないときの工夫」です。朝一番に気分が乗らず、そのまま「ダラダラ」が続いてしまうことがありませんか?

そんなときは、「簡単にできる作業」から仕事を開始するような段取りにし、開始時には「5・4・3・2・2・GO!」と頭の中でカウントダウンをしてから取り組むと効果的です。

心理学者クレペリンが提唱した「作業興奮」という概念があります。人間の脳は、やる気がない状態でも、いったん行動を始めると、やる気が出るメカニズムになっているのです。そこで、仕事開始時には事務的に返せるメール返信、デスクの整理整頓など 「簡単にできる作業」から始めるような段取りで一日を開始すると、エンジンがかかりやすくなります。

とはいえ、その作業に取り掛かる気分が乗らないときもあるでしょう。そんなときに効果的なのが、弁護士のメルロビンス氏が提唱する「5秒ルール」。

人間の脳は、「何かやる必要があるとき、5秒以上考えると、やらなくてもいい理由を考え出す」習性があります。だからこそ、やらなくてもいい理由を考え出す前に行動を起こすため、意図的に頭の中でカウントダウンをしてしまうのです。

集中力を維持する方法

3つ目は「集中力をとぎれさせないための工夫」です。

自宅の仕事は、集中力が続かないときもありますね。そんなときは、イタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案された「ポモドーロテクニック」という「短時間の集中作業+細かな休息」スタイルを活用すると効果的です。

キッチンタイマーを置き(100円ショップなどでも売っています)

タイマーを25分に設定する→タイマーが鳴るまでタスクに集中する→5分間休憩する

→このループを4回繰り返したら、15分程度、少し長めの休憩を取る

という流れです。

効果的な休憩の取り方

4つめは「リフレッシュタイムの取り方の工夫」です。

長時間、ひとりでPCに向かう仕事スタイルは、ストレスが溜まりやすいもの。だからこそ、自ら意図的に休息の取り方の工夫をすることが、時間効率を高める上でも必要です。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校とジョージ・メイソン大学の調査によると、以下3つの休憩の取り方をすると勤務時間中にエネルギーレベルを維持しやすいそうです。

午前中は短い休憩をこまめに取る

エネルギーの残量の多い午前中に短い休憩をこまめに取る方が、エネルギーレベルを維持しやすいとの結果が出ています。

休憩中は仕事に関わることから離れ、完全にスイッチを切る

休憩中に意志力や集中力を使う作業(WEBサイトで仕事にまつわることを調べる、仕事に関わる本を読むなど)をすると疲労度が下がりづらいとのこと。休憩中は、ボーッとしたり、音楽を聞いたり、ストレッチをする等など、休むことに集中することが大切。

また、ランチタイムなどの長時間の休憩中は、「社交(同僚や友人とおしゃべりをする等)」することも効果的です。

ランチタイムは気分転換に外に出る

自宅近くに買い物に出る、ウォーキングをするなど、「外出」をすると精神的疲労度が抜けやすくなります。

……いかがでしょうか?

上記4つは、私自身も実践していることですが、非常に効果が高いように感じています。ぜひ、部下・後輩にご紹介ください。そして、ご自身でもお試しください!