東海道新幹線を走る車両は300系、500系、700系、N700系の4形式がある。ところが、各形式にも2種類の仕様がある。すべて16両編成で、塗装も白地に青い帯。だから外観はほぼ同じで見分けにくい。しかし乗車してしばらくすると、誰にでもすぐにわかるという。さて、何が違うのか。どうすれば見分けられるのか。
明確な違いは車内放送のチャイムだ
東海道新幹線(東京 - 新大阪)は東海旅客鉄道(以下、JR東海)の管轄だ。しかし、そこを走る車両はすべてJR東海の車両というわけではない。まったく同じ形式ながら、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)所属の車両も走っている。なぜなら、JR西日本は山陽新幹線(新大阪 - 博多)を管轄しており、東海道新幹線と山陽新幹線は相互乗り入れの関係になっているからだ。だからのぞみ号は東京から博多まで直通しており、新大阪で乗り換える必要がない。
東海道新幹線と山陽新幹線は一体的に運用されているため、JR東海とJR西日本は同じ形式の車両を生産している。例外として、500系だけはJR西日本だけが生産したが、他の300系、700系、N700系は、JR東海仕様とJR西日本仕様の2種類が存在するというわけだ。しかし、一体的な運行を実現するために同じ形式の車両をつくったので、外観はほとんど違いがわからない。
あえて探すと、車体の端に小さく表示されているJRマークの色がJR東海所属車はオレンジ、JR西日本所属車はブルーになっている。また、300系ではJR西日本所属の車両は製造番号が3000番台になっている。JR西日本の700系は先頭車の運転室用扉のそばにJR700というロゴが入っている。N700系についてはほとんど見分けが付かない。
しかし、誰もがわかる明確な違いがある。それは車内放送用のチャイムだ。JR東海の新幹線電車は、チャイムが筒美京平氏作曲でTOKIOが歌う『AMBITIOUS JAPAN! 』だ。JR西日本の新幹線電車は谷村新司作曲で鬼束ちひろが歌う『いい日旅立ち・西へ』になっている。 JR東海の『AMBITIOUS JAPAN! 』は、2003年10月の品川駅開業をきっかけに実施されたキャンペーンから採用された。このとき、JR東海の新幹線車両には『AMBITIOUS JAPAN! 』のロゴが車体に貼り付けられた。『いい日旅立ち・西へ』も同じく2003年10月から採用。こちらはJR西日本のキャンペーン「DISCOVER WEST」にちなんだものだ。
東海道・山陽新幹線に乗ったときは、ぜひとも車内放送に耳を傾けて確かめてみてほしい。