新元号「令和」が施行され、ますます遠くなった昭和。あの頃のドラマの映像を見ながら、懐かしい昭和の世界に浸っている方も多いのではないでしょうか。
この連載では、昭和のドラマで多くの視聴者の記憶に残る、といわれるロケ地を訪ね、当時の風景・面影を探します。今回は「3年B組金八先生」の代表的なロケ地へ行ってきました。
北千住駅・東口からスタート
金八先生は、東京・足立区の千住、堀切、牛田から荒川土手に広がるエリアで数多くロケが行われました。当時の東口には、JT(日本たばこ産業)の営業所、倉庫、職員住宅などが密集していましたが、再開発で東京電機大学が同地に移転。学生街に変貌しています。
千住旭町商店街の学園通り
東口から伸びる学園通りは今も健在。ドラマの舞台「桜中学校」の通学路のひとつとして、何度も登場しました。
荒川河川敷はシリーズの原風景
第1シリーズからお馴染みの荒川土手に到着。この道を金八先生や生徒たちが行き交い、数々のドラマが生まれました。右手に広がる住宅街もたびたび登場。金八ワールドには欠かせない風景のひとつです。
堀切橋をくぐれば桜中学校
京成関屋駅から荒川を渡り、対岸の堀切菖蒲園駅へ向かう京成電車。桜中学のモデル「足立区立第二中学校(現・東京未来大学)」は、この鉄橋をくぐった先の土手沿いにありました。
土手下の道は変わらない
第1シリーズの第1回だけで使われたタイトルバックで、宮沢保(鶴見辰吾)と浅井雪乃(杉田かおる)が歩いていた道。当時とほとんど変わらない風景に驚きました。
たびたび登場した金八通り
荒川土手から望む「金八通り」。第1、3、4シリーズのタイトルバックで金八先生や生徒が登校してくる場面に登場。いつのまにか「金八通り」と呼ばれ、今に至っています。
堀切駅は桜中学と土手の間にある
昭和の面影を残すレトロな駅舎。改札側と荒川土手の道を結ぶ跨線橋も、たびたび登場。第2シリーズ第16回で、加藤優(直江喜一)が、家を飛び出した松浦悟の母(津々井和枝)を見つけたのも、この跨線橋周辺だそうです。
千寿桜堤中学校の通学路
跨線橋の向こう、東武線沿いに続く路。第1、2シリーズで使われた通学路として有名です。東武線に乗り入れた東急線の車両が走る風景が、現在であることを伝えています。
東京未来大学にある桜中学校の校舎
堀切駅の改札を出て歩くこと約3分。桜中学校のモデル「足立区立第二中学校」跡地に建てられた東京未来大学が見えてきます。
同大学は、ロケで使われた中学校の校舎をリノベーションし、教室など、さまざまな用途に活用している、とのこと。今回、同大学の許可をいただき、当時の教室を見せてもらいました。
在りし日の桜中学校がここに
東京未来大学の正門に到着。左手に桜中学校のモデル「足立区立第二中学校」の校舎が見えています。
リノベーションされたL字型の旧校舎。ドラマの記憶がよみがえります。
旧校舎エントランスは、外履きと上履きを履き替えたであろう場所。内と外を分ける段差も当時のまま。
エントランスを逆側から見ると、生徒たちの歓声が聞こえてくるようです。
走ったら怒られそうな廊下はきれいにリノベーションされていますが、公立中学校の雰囲気が漂っています。
教室のシーンはスタジオ内のセットで撮影されたと思われますが、セットとそっくりです。いまにも金八先生が現れそう。
教室の引き戸も当時と同じデザインと思われます。引き戸錠とすり減ったレールが昭和の教室の空気感を醸し出しています。
体育館も当時のものをリノベーションして使っていました。いかにも公立学校の体育館といった佇まいです。
体育館内では、昼休みに東京未来大学の学生たちがバスケットボールを楽しんでいました。
下町風情が残るエリアの「日の出屋」
東京未来大学を後にして、もう一度、荒川土手へ。牛田駅・京成関屋駅方面を目指します。
たびたび登場した牛田駅近くの1.7mガード。東武鉄道伊勢崎線が上を走っています。
「日の出屋」の佇まいは、第1シリーズの頃からほとんど変わっていません。このお店の前を桜中学校の先生や生徒が通りかかっていました。
ロケの際の休息場所としても使われたとされる日の出屋。店内には出演者のサインも飾られているそうです。
第1シリーズの頃からよく使われていた通学路の左側は、京成本線の側壁です。
「3年B組金八先生」の代表的なロケ地散策、いかがでしたか? 昭和、平成を経て、令和の時代が始まりましたが、番組のロケ地には、古き良き昭和の風景が息づいていました。