「年齢とともに、似合う服が変わる」ことは知られていますが、なかでもジャケットは「大人ほど似合う」ともいえる一着。
だからこそ本連載においても何度か扱ってきましたが、いよいよ最終回を迎えるにあたって、あらためて「休日ジャケットの着こなし」についてフォーカスします。
結論から申し上げますと、スーツジャケットやワイシャツに比べ、「生地感」や「つくり」がカジュアルに寄っているため、カジュアルジャケットとシャツの着こなしは、「単にスーツの着こなしを劣化させたスタイル」に見えかねません。
カジュアルジャケットに「襟つきシャツを合わせよう」とする方も多いのですが、その着こなしこそ、実はだらしなく見える原因だったのです!
正解ポイント
・襟シャツ「以外の選択肢」を持とう
・ジーンズ・チノパン「以外の選択肢」を持とう
大人の基本アイテムとして、渋いおじさんに仕上がる「休日ジャケットの最適解」を『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者が解説します。
襟シャツ「以外の選択肢」を持とう
ジャケットを休日に着こなす正解は、ズバリ「スーツを想起させない」着こなし。つまり襟がないインナーを合わせることが、最も簡単な抜け道です。
春夏ならばTシャツやニットTシャツ、秋冬ならばモックネックニットもおすすめ。そして選び方のコツとして大事なポイントは、「首型」と「生地感」を混同させないことでした。
まず首型については、クルーネックとVネックにくわえ、モックネックの存在をお忘れなく。モックネックは、クルーネックとタートルネックの中間くらいに位置する首型のインナーで、ジャケットの襟裏に皮脂がつかないようガードしてくれる首型のもの。
次に生地感を検討します。Tシャツならば、肉厚なストレッチのものを選びますし、ニットはハイゲージと呼ばれる細い糸で編んだものを選びましょう。
多くの男性が、「襟が付いたシャツ」というカタチでジャケットに合うだろうと判断しがちですが、むしろスーツを想起させない着こなしがポイントなのです。
だからこそ襟シャツ以外のジャケットインナーを選択肢に加えましょう。
ジーンズ・チノパン「以外の選択肢」を持とう
カジュアルジャケットに合わせるパンツとして、同じく定番であるジーンズやチノパンを選びがちですが、時代によって定番の印象が変わり、この組み合わせが時代遅れに見えるリスクは知られていません。
ここ数年、休日の定番パンツは「着心地」と「きちんと感」を両立したイージースラックスと言われています。はき心地はジャージーながらも、見た目はスラックスに見えるというパンツです。
「ジャケット=大人」という印象ですが、合わせ方次第では、野暮ったく見えてしまいます。それを回避するためには、定番だからという選び方ではなく、時代に合わせた選択肢を用意すること。
これからもファッション情報をアップグレードしていくことをお忘れなく。いつの日か、あなたにお目にかかることを楽しみにしております。