2010年6月、FXオンライン・ジャパンの代表取締役社長 CEOに、新しくアンドリュー・マッケイ氏が就任しました。レバレッジ規制が8月からスタートする目前の社長就任に際しての抱負を伺いました。

聞き手 : 新しく社長に就任され、今後、御社をどういう方向に持っていこうと考えていらっしゃるのでしょうか。

マッケイ : FXオンライン・ジャパンは、ローコストかつ公正なレート形成を行うということを目的して、日本のFXマーケットの拡大に寄与してきました。それは今までと変わらず継続してまいります。

ただ、それとともに商品の拡大にも注力しており、当面はCFDのナンバーワン企業としての地位向上を目指していくつもりです。実際、当社が扱っているCFDの銘柄数は7,000以上にも達しており、文字通り、日本国内ではナンバーワンのプレイヤーとなっております。その地位を確固たるものとすると同時に、CFD市場の拡大と業界全体の発展に寄与していきたいと思います。

聞き手 : 日本ではまだCFDのマーケットが広まってきていません。マーケットを拡大していくうえで、何が必要であると考えますか?

マッケイ : 日本の場合、他の国と比較して考えると、CFDの位置づけが大きく異なります。

CFDは「差金決済取引」のことです。その意味においては、FXもCFDの一種と考えることができます。実際、海外ではその概念のもとでCFDが大きく発展してきました。でも、日本の場合は、CFDの一種であるFXだけが先行して、マーケットを大きく拡大してきたという歴史があります。そのため、FXのマーケットは非常に大きいのですが、一方でCFDのマーケットはなかなか広がらないというのが現状です。

ただ、それも徐々に変わっていくでしょう。日本も他国と同じように、FXがCFDの一種としてみなされるように、そのなかで大きくマーケットが拡大していくと考えております。

CFDが発展していけば、それこそ株式の個別銘柄だけでなく、株価インデックスや債券先物、あるいはコモディティなど、実に幅広い資産への分散投資が容易になります。それも少額資金でトレードできます。あらゆる資産へのワンストップ・トレードが簡単にできるようになるのです。CFDの商品性が正しく理解されれば、日本でも海外と同様に、大きく成長する可能性があると考えています。

聞き手 : FXオンライン・ジャパンとしては、どういう点に注力して、日本国内でのマーケット拡大に寄与していこうと考えているのでしょうか。

マッケイ : まず信頼される取引システムの提供です。FXの場合、一般的に通貨ペアの種類は20~30種類ですが、CFDの場合は、それこそ何千銘柄もの取引を行うことになりますから、それだけシステムも複雑になります。したがって、何よりもシステムへの投資が重要になってきます。

この点、FXオンライン・ジャパンの場合、IGグループの一員になったことによって、IGグループが有しているIT投資の恩恵を受けることができます。現在、ロンドンには200名ほどのITプロフェッショナルが所属しており、IT投資にかける資金も豊富ですから、それを活用して常にトレードシステムを最善なものにすることができます。これは、当社ならではともいうべき特徴でしょう。IGグループは日本だけでなく、世界中に進出しており、過去10年間にわたり、年40%もの成長を維持してまいりました。その強さが支えになるはずです。

それに加えて、IGグループはCFDについて30年近くの歴史を持っています。オンライン取引に参加したのは1998年からですが、それ以前からCFDの可能性を信じて、ここまでやってきました。その間に積み上げたノウハウは膨大なものがあり、個人投資家が欲しいと考えているノウハウやサービスを知り尽くしています。つまり、ハードユーザーが何を欲しがっているのかということを瞬時に把握でき、それをトレードシステムに反映できる環境が整っています。それこそが、IGグループとしての一番の強みともいえるでしょう。

聞き手 : FXオンライン・ジャパンで取引することのメリットは、どこにあると思われますか?

マッケイ : IGグループは、もともと個人投資家のトレード環境を、少しでも機関投資家のそれに近づけたいという意識のもとで、サービスを提供してまいりました。つまり、機関投資家が日常的に使用しているシステムを提供するとともに、公正な価格形成のもとで高い約定率を維持していこうというのがそれです。

IGグループがイギリスで設立されたのが1974年のこと。設立者であるスチュアート・ウィラーは、英国のフェアプレイという精神を重視し、機関投資家にも個人投資家にも公平なサービスを提供することによって、そこからコミッションをいただくというビジネスを展開してまいりました。その精神はこれからも変わることはありません。