ふるさと納税、やってみたいけれど、お礼品の種類が豊富すぎてなかなか決められない! という人も多いのではないでしょうか。第5回でも解説したとおり、そろそろ今年分の申し込みをしておきたい時期になりました。そこで今回は、ふるさと納税サイト「さとふる」の運営と自治体のふるさと納税業務の代行サービスも行う、さとふる・坂平由貴さんに、最近のふるさと納税事情についてお話を伺いました。
"コト消費"が増加傾向に
――まず、最近の人気のお礼品の傾向などがあれば教えてください。
やはりお肉類や海鮮類といった食べ物、伝統工芸品などの「モノ」のお礼品は引き続き人気ではあります。一方最近になって、その地域に行ってさまざまな体験をする「体験型」のお礼品や、お墓の清掃代行や親孝行代行といった「代行サービス」も、自治体によっては増えてきています。いわゆる「コト消費」ですね。
――親孝行まで代行してくれるんですか……具体的にはどういったことをしてくれのですか?
ご自身のご両親が住む自治体に寄付をし、現地の人がご実家にお伺いして家事のお手伝いなどをしてくれるというものです。
――なんだか「ふるさと納税」らしいですね。
そうですね。趣旨に合っていると思います。
――坂平さんのオススメのお礼品はありますか?
先ほどご紹介した体験型のお礼品が、この1年で3倍以上に増えています。現地の温泉の宿泊券などもあるのですが、個人的には農家民宿などが面白いなと思っています。
その地の農家などに泊まって、現地の人と一緒に食事を作って食べたり、収穫体験をしたりすることができます。普通の旅行では、なかなか現地の人と触れ合う機会って少ないと思うので、ぜひオススメしたいですね。
――子どもがいる家庭などにも人気がありそうですね。
そうですね。とくにお子様にとってはより深く思い出に残るのでは、と思います。
2018年の夏休みには、さとふるでも「自由研究」の特集を組んだのですが、今年はタコ籠漁を体験できるツアーもありました。タコを捕って絞めて食べるところまで体験できるんです。
いつも処理された状態でスーパーに並んでいる食材が、"生きている"ところから見られるというのは、子どもたちにとってとても貴重な体験ですよね。
魅力たっぷりのおせち
――ふるさと納税でしか手に入らない品物もあるんですか?
はい。ふるさと納税限定の品もありますし、その地域内でしか手に入らないような品物もあります。さとふるでは、今の時期だと「おせち」の特集を掲載しているのですが、「さとふる限定おせち」として自治体の方と一緒に作らせていただいたものも掲載しています。
たとえば、北海道・網走市のおせちにはエミューのスモークハムが入っていたり、鹿児島・指宿市のおせちには「かるかん」というご当地和菓子が入っていたりと、その地域ならではの食材が入っているんです。これらは非常に人気で、すでに品切れになってしまっているものもあるのですが……。
――エミューにかるかん、まさにふるさと納税でしか出会えないご当地食材ですね!
そうですね。現地でしか手に入らない、その土地ならではの物産品が自宅に届くというのも、ふるさと納税の魅力のひとつです。これまで「国産牛」としてしか売られていなかったお肉をブランド化して産地の名前を付けるなど、各自治体も工夫しています。
体験型お礼品や限定品など、ふるさと納税でしか手に入れることのできないモノやコトがたくさんあるのだそう。豪華なお礼品が注目されがちですが、そういった"ならでは"の返礼品を探してみるのもいいかもしれません。