満員電車より自転車通勤で一石二鳥
テレワークが推奨されていますが、実践できないビジネスパーソンは少なくないでしょう。職場で感染対策を徹底しても、通勤環境は従来通りです。
通勤・退勤ラッシュを避けるべく、自転車に注目が集まっています。自転車通勤のために新しく購入する人が増えただけでなく、一頃のブームで高価なロードバイクやクロスバイクなどを買ったものの放置状態だった人が再挑戦する動きもあるようです。
自転車通勤で密を回避しつつ、外出自粛による運動不足解消が期待できるとなればやってみたいところ。
自転車に乗るなら盗難対策を忘れずに!
自転車利用には、盗難対策が欠かせません。盗難や事故に備える保険は、ぜひ検討をしましょう。自宅や職場の駐輪場はもちろんのこと、数分の用だからと施錠をおろそかにしていると、盗難被害に遭う恐れも。東急ハンズ渋谷店・サイクル用品担当の長谷川浩樹さんに聞きました。
――スポーツ自転車のブームはすっかり落ち着きましたが、最近はどんなトレンドがありますか?
長谷川さん: 最近では、電動アシスト自転車が人気です。自転車全般では、メンテナンスについてのお問い合わせが多くなったと感じています。久しぶりに自転車を取り出し、壊れたパーツの修理やカスタムが気になる方が多いようです。
――コロナ禍で自転車防犯事情も変わっていそうです。どんなことに気を付ければよろしいでしょう?
長谷川さん: まず、自転車から離れる際は、短時間でも施錠を徹底することです。自転車の利用シーンやTPOにもよりますが、2つのカギを使う「ツーロック」がお勧めです。家の防犯とも通じることですが、自転車盗難対策の基本もツーロックです。
例えば、一般車・軽快車なら備え付けのカギがあると思いますが、それに加えてもう1つカギを使います。簡易的なカギと、しっかり目のカギの2つがあると安心です。ポイントは、地面にがっちり固定されている柵や柱などの構造物と自転車を結び付けてロックすることです。自転車界ではこのようなロックを「地球ロック」「アースロック」と呼びます。
長谷川さんに、「2つ目のカギ」を幾つかお勧めしてもらいました。まずは「ダイヤル式チェーンロック」と呼ばれるタイプ。太く頑丈なチェーンで自転車を固定し、数字の暗証番号で施錠します。
また、「シリンダー式チェーンロック」という、太く頑丈なチェーンで自転車を固定するタイプで、付属のカギで施錠するタイプもあります。
また、「コンパクトタイプ」と呼ばれる、小型で使いやすいコンパクトタイプのものも持っておくと便利。
自転車防犯にもITが使える!?
自転車乗りの間では、「床の間自転車」という言葉があります。張り切って買ったのに、「乗ると汚れるから」と、室内に置きっぱなし、飾りっぱなしにしている自転車をおもしろおかしく言う言葉です。高価なスポーツ自転車は室内保管が基本ですが、外ではどのようにすればよいのでしょう?
――屋外でできる防犯対策を、お勧め商品とともに対策を教えてください。
長谷川さん: コロナ禍で地域の防犯活動がやりにくく、人目のつきにくい場所や時間帯が増えています。駐輪場などでは、できるだけ人目を避ける工夫をしたいところです。常に駐輪している時間帯があるなと気付かれると、狙われやすくなるとも言えそうです そこで活躍しそうなのが、「防犯機能付きサイクルコンピューター」。防犯機能付きなので、愛車から目を離す時も安心です。
最後に、「実は私は今、アップル社の忘れ物防止タグ「AirTag(エアタグ)」に注目しています。サドルのとある場所に忍ばせているのですが、自転車から離れてもスマホで所在地を確認できるのは安心感があります」と長谷川さん。
確かに、Bluetoothでスマホと連動するスマートタグなどのデジタルガジェットも使えそう。防犯をしっかり意識しながら、皆様も楽しいサイクリングライフを!
取材協力:長谷川浩樹(はせがわ・ひろき)
東急ハンズ渋谷店 1Aフロア サイクル用品担当として入社し勤続10年。自転車技師、自転車安全整備士。趣味はサイクリング。