「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。 お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。
連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。
インターネットを使って物を買うということが普及し、現在では年齢問わず、「インターネットを使って物を買ったことがない」という人のほうが少ないのではないでしょうか。ショッピングモール等に行ってウインドーショッピングをして、店舗で見たり触ったりして気に入った商品を、実際にはスマートフォンで、店舗に陳列されている同じ商品をインターネットで探して購入するという人もいらっしゃるでしょう。
大手の事業者であれば、実店舗だけでなく、インターネット上の店舗も運営していることが多いですが、中小事業者等においては、インターネット上の店舗を活用したいと思っていても、費用はいくらかかるのか、運営を継続していけるのか、自社でシステム管理ができるのなどの不安から、インターネット経由での販売を躊躇している事業者等も多いでしょう。
地方で暮らしていると、全国的に有名なご当地特産物と言われる物だけでなく、その地域の人には良く知られている食品加工物、工芸品、手芸品などが多く存在するということを実感しました。その地域ならではの物を、他の地域に住む人が簡単に購入できる手段としてEC(電子商取引)があります。
EC(電子商取引)とは?
ネット通販など、インターネットを介して、物やサービスの売買、契約をすることを表します。
地方自治体によるEC(電子商取引)参入支援
地方自治体では、対面販売に頼らない新しい販路を開拓したいと考えている事業者等を支援する補助金制度があります。地方自治体が実施している補助金制度として、焼津市と徳島市をご紹介します。
【1】静岡県焼津市「焼津市地域産品EC強化展開支援事業補助金」
地域産業の復興および発展を図るため、地域産品EC(電子商取引)強化展開事業を実施する焼津市内の事業者等に対して支援を行うものです。
・補助対象者:焼津市内において事業所がある個人および法人等
・補助対象事業:焼津市の事業者等が自ら販売する地域産品の販路および消費の拡大のため、ECサイトの構築および改修、自社ホームページのEC機能拡充、ECモール等への出店およびECサイトの宣伝を目的とした広告を行う事業。
・補助対象経費:ECサイト構築費(販売ページ作成経費など)、出店料(初期登録費用、その他ECモール等出店に係る経費)、広告宣伝費(ウェブ、メディア等を活用したECサイトの広告宣伝に係る経費等)などが対象となる。
・補助率・補助限度額:補助対象経費の2分の1以内の額とし、当該額に1,000円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額とする。なお、補助限度額は50万円である。
【2】徳島県徳島市「徳島市EC(電子商取引)参入支援事業補助金」
対面販売に頼らない新たな販路を書きたくしたいと考えている、意欲ある中小企業を応援するものです。
・募集期間:2025年4月15日から2026年1月30日まで(予算額に達し次第、募集終了)
・補助対象者: 1年以上徳島市内に事業所等がある中小企業者(個人事業主も含む)等。ただし、2026年2月28日までに出店、出品および支払い行為が完了している事業が対象となる。
・補助対象事業: ECショッピングモール等への出店および出品(新規に参入するモールに限る)、自己所有のウェブサイトへのEC機能の実装(新たにECサイトのページを実装するものに限る)など。ただし、オークションサイトまたはフリーマーケットサイト等への出品は補助対象外となる。また、ECを活用して販売する商品の半数以上は、徳島市内で製造・加工された商品であることとし、一次産品(まだ加工されていない、とれたままの形の生産物。農産物、水産物等)の出品も補助対象外である。
・補助対象経費: ECショッピングモール等への出店に係る初期登録手数料および外注費、自己所有ウェブサイトのEC機能の実装経費等が対象となる。
・補助率・補助限度額: 補助率は10分10(全額補助)であるが、18万円(税抜き)が補助限度額となる。
2つの地方自治体の補助金制度をお伝えしましたが、自治体によって、補助金が支給される経費の割合や補助限度額が異なるので、どれくらい補助金が支給されるか、事前に把握した上で、EC事業参入の際の経費の概算を計算しておくと、資金面で安心して導入できると思います。
