前々回でごはん缶詰の新商品「たこ飯」を紹介しましたが、今回はその姉妹品「あなご飯」の紹介です。どちらも備蓄食として開発されたそうですが、缶詰博士の黒川氏いわく「非常時だけでなく日常でも使える」とのこと。

「ごはんとおかずが一緒になっているので、忙しい時にはとくに便利。多めに買っておけば被災時に役立ちますぞ!」

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  • 木の屋石巻水産/あなご飯 160g 660円

    木の屋石巻水産/あなご飯 160g 660円

普段から食べたい物を備蓄

ちょっと前のことだが、東京都から冊子「防災ブック」が届いた。2015年に配られたもののリニューアル版で、災害への備え方がより具体的に書かれており、なかなか読み応えがあった。

例えば、現代的な備蓄食のやり方であるローリングストックについて、

「普段食べている物を多めに買ってストック。古い物から順に食べていき、減った分をまた買い足す」

といった説明がされている。「買う、ストックする、食べる」の繰り返しなので"ローリング"ストックなのだ。分かりやすいではないか。

となると、備蓄食といっても普段から食べたい物を選んだほうがいいことになる。

  • あなご飯の内観(常温のまま開缶)

    あなご飯の内観(常温のまま開缶)

ひつまぶしのよう

木の屋石巻水産の「たこ飯」「あなご飯」も、普段の生活で使えるごはん缶詰であります。第306回で紹介したたこ飯は、ダシを主体にしたあっさり味が好ましかったが、このあなご飯はどうだろう?

フタを開けてまず分かったのは、アナゴがひと口大にカットされていること。まるで名古屋名物ひつまぶしのようである。

アナゴの合間に見えるごはんは、たこ飯と同じく玄米だ。常温(18℃)の室温で開けても固まっておらず、箸を入れると簡単にほぐれる。

  • アナゴとごはんの様子

    アナゴとごはんの様子

ごはんの中にもアナゴ

中身をすくってみると、アナゴの切り身はごはんの中にも混ざっていた。表面に乗っているだけだと思っていたから、すごく嬉しい。

すくった分をそのまま食べてみると、甘じょっぱいタレの味がアナゴにもごはんにも染みている。そして香ばしい。アナゴはウナギの匂いと全然違うんだけど、サンショウをまぶして食べたらウナギの蒲焼きと間違えるかもしれない。

ただし、タレの味は比較的あっさりしていて、甘さも塩気も強くない。喉が渇きにくいから被災時にはありがたく、そのベクトルはたこ飯と同一であります。

  • 小さな茶碗なら2杯分

    小さな茶碗なら2杯分

様々な食べ方ができそう

かくのごとし。普段使いを想定してごはん茶碗に盛ると、ごく軽めに2杯分あった。

1缶の内容量は160gなので、単純にごはんとして換算すると、本来はごはん茶碗1杯分しかないはずである。不思議だ。我が家のごはん茶碗が小さいのかもしれない。

ともあれ、アナゴはふわっと柔らかいし、玄米のプチプチ食感は心地良く、白米よりも栄養が多いからありがたい。

今回はノリをふり掛けてひつまぶしのようにしたけど、他にも様々な食べ方ができそうだ。それも味付けが濃くないおかげであります。

缶詰情報
木の屋石巻水産/あなご飯 160g 660円
同社直販サイトなどで購入可