今週もSDGsな缶詰の紹介です。日本人が大好きな本マグロ(クロマグロ)は、マグロ類の中でも頂点に位置する王様です。赤身から大トロまでいろんな部位を食べているように思えますが、血合いと呼ばれる部位は破棄されるケースが多いとか。

「そんな血合いをしぐれ煮に仕立てたのがこの缶詰。プロの魚屋と缶詰メーカーがタッグを組んで開発した最新のSDGs缶です!」

→これまでのお話はこちら

  • 大起水産/国産本マグロのしぐれ煮 180g 6缶で3,980円

    大起水産/国産本マグロのしぐれ煮 90g 6缶で3,980円

何とかせねばもったいない

今週紹介するのは大起水産「国産本マグロのしぐれ煮」であります。その名が示すとおり、あの超高級魚である本マグロ(クロマグロ)を使った缶詰であります。

「ということは社長。これ、すっごくお高いんでしょうー?」

と夢グループのTVショッピング風に突っ込みたくなるが(あれけっこう好き)、お値段は1缶で約663円と、思ったより安い。原料に血合いが使われているからだ。

鮮度が落ちると生臭くなる血合いは人気がない。毎日大量のマグロを扱っている大起水産でも、血合いは売れないので破棄しているという。その量は、比較的消費の減る夏場でも、1店舗あたりで130kgは出るらしい。

「何とかせねばもったいない!」と、同社は決意したのであります。

  • 本マグロのしぐれ煮の内観

    本マグロのしぐれ煮の内観

しょう油を使わないしぐれ煮

今日も暑いので常温のママ開缶! 血合いはひと切れがかなりデカそうで、表面がテラテラと光っている。上に乗っている黄色い細切り状のものはショウガである。

しぐれ煮はしょう油ベースの料理だけど、この缶詰ではしょう油は使われていない。

というのも、製造しているのが黒潮町缶詰製作所で、7大アレルゲンを一切使わないのがポリシーなのだ(しょう油の原料の小麦も7大アレルゲンのひとつ)。発酵調味料などを駆使し、まるでしょう油のような味に仕上げるのが同社の得意技であります。

  • 血合いを箸上げ

    血合いを箸上げ

脂が和牛並み

ひと切れを取り出すと、こんな様子。分厚くて大きいから食べ応えがありそうだ。そのまま頬張ると、しっかりした歯応えがあり、噛むと脂が湧き出してくる。

その脂が甘くミルキーで、まるで和牛を食べているようだ。いや、マジです。血合いってこんなに美味しかったっけ?

しぐれ煮らしい甘辛さもあり、脂と相まって、トータルの味は極めて濃厚だ。

  • きれいな照りが食欲をそそる

    きれいな照りが食欲をそそる

他の加工食品にも応用できそう

かくのごとし。熱々ごはんに九条ネギをたっぷり。その上に血合いを乗っけて缶汁も掛け、炒りゴマを振って丼ごはんにした。なお、血合いはこの量で1缶の約2/3である。

血合いの濃厚なうまみに、九条ネギの辛みとしゃくしゃくした歯触りがよく合う。なので九条ネギはマストだ。味付けが甘辛いので炒りゴマの香ばしさもマッチしている。この食べ方で0.5合のごはんをすっかり平らげてしまった。

これだけおいしくなるのだから、他の加工食品にも応用できるはず。血合いの未来は明るいぞ!

缶詰情報
大起水産/国産本マグロのしぐれ煮 90g 6缶で3,980円
直販サイト「街のみなと」や京阪百貨店の一部などで購入可。