缶詰博士の黒川氏によると、缶詰は品名がとても大事だそうです。外から見ても中身が分からないから、買うときは他の食べ物よりも慎重になりがち。
だから品名を見たただけで「おいしそう」と思ってもらえるように、缶詰メーカーは日夜知恵を絞っているとか。
「この缶詰の品名とか、どうですか? もうおいしい予感しかないですよね!」
ポイントは「四万十」
食べ物に地名を付けて言い表すと、より美味しそうに思えるから不思議だ。
例えば、「京都の玉子焼き」とか。ただの玉子焼きではなくて"京都"が付くのがポイントである。甘さは控えめで、そのぶんダシが利かせてあって、上品でウマそうである(個人的な意見です)。
あるいは「築地の玉子焼き」もいいかもしれない。砂糖としょう油が利いた甘じょっぱい味で、いかにもごはんが進みそうだ(個人的な意見です)。
で、本日登場する缶詰は「四万十ポークとゴボウの甘辛煮」というもの。ただのポークではなく"四万十"がポイントであります。日本最後の清流と称される高知の四万十川が思い浮かぶし、その清らかな水を飲んで育ったようなイメージがある。
何となれば、臭みがなくて美味しい豚肉なんだろうなーと思えるわけだ(個人的なイメージです)。
昼食はオール高知
それにしても、蒸し暑い日が続く。僕は暑い日ほどガッツリしたものを食べたくなるので、今日は「四万十ポークとゴボウの甘辛煮」で豚丼を作ろうと思う。
そのために用意したのは、高知のブランド米「仁井田米」だ。高知県の四万十町一帯は、かつて仁井田郷と呼ばれていて、寒暖の差が激しい地域ゆえ、美味しいお米が育つそうだ。
これで、お米も豚肉も高知産になった。缶詰を製造している黒潮町缶詰製作所も、もちろん高知の企業だ。これで今日の昼食はオール高知になった。
缶詰にぴったりの部位
四万十ポークはコロコロした厚めのカットで収まっている。赤身と脂身の両方が入っているので、バラ肉を使っているのかと思ったが、違った。スネ肉を使っているそうだ。
スネ肉と言えば、えーと、あれだ。ドイツ料理「アイスバイン」だ。コラーゲンが含まれていて、煮込むほどトロトロになる部位だ。加圧・加熱で調理する缶詰にもぴったりの部位である。
四万十ポークの豚丼
かくのごとし。炊きたての仁井田米ごはんに、湯せんで温めた四万十ポークとゴボウの甘辛煮をほぼ全量のっけて豚丼とした。
まずは四万十ポークをひと口いただく。むっ、これは確かにバラ肉の味わいではない。もっと筋肉質で、歯応えがありつつ、ほろりと崩れて濃い味がにじみ出てくる。脂身の部分も臭みは皆無。とてもウマい豚肉であります。
一緒に入っているゴボウも、柔らかい中にしゃくしゃくした食感もちょっとあって、砂糖しょう油の甘辛味がよく沁みてる。
とはいえ、全体の味付けは濃くない。スネ肉とゴボウ本来の風味がよく分かる、品のいい味付けであります。
缶詰情報
黒潮町缶詰製作所/四万十ポークとゴボウの甘辛煮 90g 700円
同社オンラインショップなどで入手可