缶詰博士の黒川氏によると、缶詰は品名がとても大事だそうです。外から見ても中身が分からないから、買うときは他の食べ物よりも慎重になりがち。

だから品名を見たただけで「おいしそう」と思ってもらえるように、缶詰メーカーは日夜知恵を絞っているとか。

「この缶詰の品名とか、どうですか? もうおいしい予感しかないですよね!」

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  • 黒潮町缶詰製作所/四万十ポークとゴボウの甘辛煮 90g 700円

    黒潮町缶詰製作所/四万十ポークとゴボウの甘辛煮 90g 700円

ポイントは「四万十」

食べ物に地名を付けて言い表すと、より美味しそうに思えるから不思議だ。

例えば、「京都の玉子焼き」とか。ただの玉子焼きではなくて"京都"が付くのがポイントである。甘さは控えめで、そのぶんダシが利かせてあって、上品でウマそうである(個人的な意見です)。

あるいは「築地の玉子焼き」もいいかもしれない。砂糖としょう油が利いた甘じょっぱい味で、いかにもごはんが進みそうだ(個人的な意見です)。

で、本日登場する缶詰は「四万十ポークとゴボウの甘辛煮」というもの。ただのポークではなく"四万十"がポイントであります。日本最後の清流と称される高知の四万十川が思い浮かぶし、その清らかな水を飲んで育ったようなイメージがある。

何となれば、臭みがなくて美味しい豚肉なんだろうなーと思えるわけだ(個人的なイメージです)。

  • 高知のお米「仁井田米」を用意

    高知のお米「仁井田米」を用意

昼食はオール高知

それにしても、蒸し暑い日が続く。僕は暑い日ほどガッツリしたものを食べたくなるので、今日は「四万十ポークとゴボウの甘辛煮」で豚丼を作ろうと思う。

そのために用意したのは、高知のブランド米「仁井田米」だ。高知県の四万十町一帯は、かつて仁井田郷と呼ばれていて、寒暖の差が激しい地域ゆえ、美味しいお米が育つそうだ。

これで、お米も豚肉も高知産になった。缶詰を製造している黒潮町缶詰製作所も、もちろん高知の企業だ。これで今日の昼食はオール高知になった。

  • これが四万十ポークだ

    これが四万十ポークだ

缶詰にぴったりの部位

四万十ポークはコロコロした厚めのカットで収まっている。赤身と脂身の両方が入っているので、バラ肉を使っているのかと思ったが、違った。スネ肉を使っているそうだ。

スネ肉と言えば、えーと、あれだ。ドイツ料理「アイスバイン」だ。コラーゲンが含まれていて、煮込むほどトロトロになる部位だ。加圧・加熱で調理する缶詰にもぴったりの部位である。

  • 四万十ポークの豚丼

    四万十ポークの豚丼

四万十ポークの豚丼

かくのごとし。炊きたての仁井田米ごはんに、湯せんで温めた四万十ポークとゴボウの甘辛煮をほぼ全量のっけて豚丼とした。

まずは四万十ポークをひと口いただく。むっ、これは確かにバラ肉の味わいではない。もっと筋肉質で、歯応えがありつつ、ほろりと崩れて濃い味がにじみ出てくる。脂身の部分も臭みは皆無。とてもウマい豚肉であります。

一緒に入っているゴボウも、柔らかい中にしゃくしゃくした食感もちょっとあって、砂糖しょう油の甘辛味がよく沁みてる。

とはいえ、全体の味付けは濃くない。スネ肉とゴボウ本来の風味がよく分かる、品のいい味付けであります。

缶詰情報
黒潮町缶詰製作所/四万十ポークとゴボウの甘辛煮 90g 700円
同社オンラインショップなどで入手可