今回紹介する社食は、東京・新宿にある東京都庁の職員食堂だ。この庁舎には、第一本庁舎32階に2つ、第二本庁舎4階に2つ、あわせて4つの職員食堂がある。第一本庁舎の2つの食堂に行ってきた。
食堂の前に立つと、入り口が左右に2つ。ほとんど同じ造りの食堂が北と南で対称的にあるようなかたちだ。2つの食堂は入り口が分かれているが、中ではつながっている。食事をどちらで購入したかに関わらず、どちら側の座席も利用できるという。
どちらも席数388席で、一般の人も利用可能(昼食11時30分~14時)。都庁見学の人なども多く訪れ、職員と一般の利用は半々くらいという。あわせて1,000食、多いときで1,500食ほどが出るという巨大な食堂。全体で7,000~8,000人ほどいる職員が休み時間に入る12時~13時は大変混雑するそうなので、避けたほうがよさそうだ。
どちらの食堂も、32階という高層階からの眺望が魅力。昼食以外にも軽食(14時~16時)、喫茶(10時~11時30分、14時~17時)の利用ができる。
北側の食堂のふわふわオムライス
まずは、北側の食堂(東京ケータリング運営)へ。入り口でサンプルの展示があるのでここでメニューを選んで、食券を購入する。
こちらではカレーやラーメンなど定番メニューに加えて、「スペシャルセット」(660円)や「あつあつランチ」(600円)、「ヘルシーバランスランチ」(600円)など毎日6種類の日替わりメニューがある。季節に合わせてイベントも開催しており、取材した期間には、オリンピック日本代表選手にゆかりのメニューを提供するフェアを行っていた。取材日は、日替わりメニューの一つ「あつあつランチ」の「東京産さくら玉子のオムライス」をいただいた。
卵は、こだわりの東京産「さくらたまご」「もみじたまご」を使用しているとのこと。ふわふわとろとろの卵に、濃厚なデミグラスソースが絡む。メニューは日替わりだが、このオムライスは月に1回は出る人気メニューという。
食堂では、どちらも窓からは副都心の高層ビル群が見え、北側では晴れた日には富士山、南側では東京スカイツリーも眺めることができる。
南側のうなぎまぶし
続いて、南側の食堂(西洋フード運営)へ。こちらも入り口でサンプルを確認して、食券を購入する。
定番メニューに加えて、「おすすめメニュー」(660円)、「ヘルシー定食」(580円)など、毎日6種類の日替わりメニューが提供されている。全国の郷土料理を提供する「味めぐり」などのイベントメニューもある。"都庁"の名前のついた「都庁弁当」「都庁ラーメン」も人気という。取材日はこの日の「おすすめメニュー」の「うなぎまぶし」(660円)をいただいた。
うなぎの価格が高騰している昨今、驚きのこのお値段。たれの香りが食欲をそそるうなぎのかば焼きに、半熟卵が載せられている。好評のため、今回が今年2回目の提供だったそうだ。
どちらの食堂でも、すべてのメニューにエネルギー、タンパク質、脂質、塩分の栄養表示をしており、健康への配慮も抜かりない。また、「食べて応援!被災地支援!」として東北の食材を使ったメニュー提供などの取り組みも行っている。
毎日豊富なメニューを取りそろえている2つの食堂。利用者は当日の両食堂のメニューを確認して、どちらに行くか決めることが多いそうだ。どちらの食堂を選ぶか、迷うのも毎日の楽しみになりそうだ。