日本クレジットカード協会は4月6日、全面的キャッシュレス(以下、全面的CL)の導入に関する調査結果を発表した。調査は、クレジットカードの取り扱い加盟店1,521社(主要35業種を含む全面的CL未導入先)を対象としたWEBアンケート(以下、調査A)と、全面的CLを導入している11社への個別ヒアリング(以下、調査B)で行われた。
営業利益率改善、機会逸失は極小
調査Aでは、全面的CLに移行した際の財務面の効果を算出するため、売上高、CL比率、加盟店手数料等をヒアリングの上、CL比率が100%となった場合のコスト増加分と人件費・現金関連コストの費用削減分を比較した。その結果、全体の約15%の加盟店は、全面的CLを導入することで「営業利益率の改善につながること」がわかった。また、 調査Bでは「売上機会の逸失が極小であること」がわかった。
営業利益率に関しては、全面的CL導入効果として、加盟店決済手数料が増加する一方で、キャッシュレスによる合理化により人件費、現金関連費用(セキュリティコスト、入出金・両替手数料等)が改善することで、営業利益率が平均で約1.4%改善することがわかった。
一方で、全面的キャッシュレスの導入により、いわゆる現金派の顧客を失うことによる機会損失により、売上の減少を懸念する意見もあるが、SNS・チラシ等の事前の周知を丁寧に行うこと、現金チャージ機の設置等の対策を講じることで十分にカバーできることがわかった。
また、釣銭補充や営業終了後の事務等の削減、店舗内現金の紛失・盗難リスクの減少、決済の時間短縮に繋がる事例も確認できた。
省人化やモバイル決済普及でCL拡大へ
今回の調査結果により、同社は全面的CLの導入には加盟店にとって多くのメリットや効果があると評価している。また、今後さらに省人化ニーズが高まることや店舗の小型化、モバイルオーダー決済の普及やマイナカードへの決済機能搭載などが進むことにより、全面的CLとの親和性が高まる加盟店の拡大が期待される。
