最新ランボルギーニ「テメラリオ」のグランドツーリズモ性を確かめる

サーキットでスーパーカーを試す機会は数多くあれど、そのグランドツーリズモ性にじっくり向き合うチャンスは意外と少ないものだ。今回、冬の北海道でランボルギーニの最新モデル、テメラリオとウルスSEで長距離ドライブをする機会に恵まれた。果たしてその感想は。

【画像】ランボルギーニのテメラリオとウルスSEの快適ドライブ性を試す(写真14点)

思い起こせば、これまでランボルギーニで世界中の様々な道を走ってきた。お膝元のイタリアはもちろんのこと、オーストラリアやバーレンのサーキットでもステアリングを握ったほか、日本国内で開催されるツーリングイベントのLamborghini Esperienza GIRO Japan2025では南は沖縄、北は北海道まで旅をさせていただいた。そうした経験を通じて痛感するのが、ランボルギーニの優れたグランドツーリズモ性である。

スーパーカーといえば、刹那的なパフォーマンスを追求したスプリンターを思い起こす方が多いだろう。もちろん、ランボルギーニの各モデルもサーキットでは瞬発力を生かした痛快な走りを満喫できるけれど、その優れたスタビリティや快適性ゆえ、長距離ドライブを苦もなくこなせることは意外と知られていない。

では、ランボルギーニの最新モデル、テメラリオの場合はどうなのか?

これまで私はクローズドコースとワインディングロードでテメラリオを走らせた経験はあるが、グランドツーリズモ性についてはまだ試したことがない。そんな私のもとに「冬の北海道をテメラリオで走りませんか?」との誘いが舞い込んだ。千載一遇の好機とはまさにそのこと。冬支度もそこそこに、私は北を目指した。

新千歳空港で私を待ち構えていたのは、アルジェリータ・パッケージを備えたテメラリオとウルスSEの 2台だった。

アルジェリータ・パッケージは、カーボンパーツを多用することで25kgの軽量化(イタリア語でAlleggerita)を施すとともに、エアロパーツの装着によりダウンフォースを実に67%も増強したパッケージ・オプションのこと。このテメラリオで、まずは空港周辺の市街地を走り始めた。

冬の間は連日氷点下となる厳しい環境ゆえ、アスファルトがところどころ剥がれた路面はかなり荒れていたものの、テメラリオはしなやかな足回りでショックを吸収し、快適な乗り心地をもたらしてくれる。正直、この辺は先代のウラカンもかなりのレベルに到達していたが、テメラリオが優れているのはキャビン・スペースが拡大されるとともに、ちょっとした小物から旅行用バッグまで収納するスペースが各所に用意された点にある。

とりわけ便利なのが、シート後方に用意された棚で、ここに厚手のジャケットから大きめのデイパックまで無造作に放り投げることができる。また、センターコンソール周りにスマホを置くスペースが用意されたり、助手席側ダッシュボード内にリトラクタブル(格納式)のカップホルダーが備えられているのもロングドライブの際には嬉しいポイントといえる。

キャビンスペースの拡大に伴う副次的なメリットといえるのが広々とした視界。なかでも前方と側方は天地方向の視野角が格段に広がったほか、ドアミラーを併用すればこれまでは不可能だった斜め後方も部分的に視認できる。おかげで、幹線道路や高速道路では自信を持って本線に合流できるようになった。

プラグインハイブリッド・システムの装着により燃費が改善されて航続距離が伸びたこともグランドツーリズモ性の強化に役立っている。なにしろ、燃料計の隣に表示される残り航続距離が400km以上を示していたりするのだ。これまでは 200kmも走るとそろそろガソリンスタンドを探したくなったりしたのだから、まさに隔世の感がある。

もう1台のウルスSEもプラグインハイブリッド・システムの助けを借りて余裕ある航続距離を実現していたが、よくよく観察するとテメラリオとウルス SEではハイブリッド・システムのストラテジーに大きな違いがあって興味深かった。ウルスSEではこまめにエンジンをオン/オフして燃費を稼いでいたのに対して、テメラリオは一旦エンジンがかかるとこれを休止させることはほとんどなかったのだ。おそらく、テメラリオはエンジンをかけたまま積極的にバッテリーを充電することでポンピングロスを抑え、燃費低減を図っていたのだろう。また、ウルスSEはエンジンがスムーズかつ静かなため、頻繁にこれをオン/オフしてもほとんど気にならなかった。

今回は幸いにも走行ルートのほとんどがドライコンディションで、雪に覆われた路面はほんの少ししかなかったが、そんなところもスタッドレスタイヤを履いたテメラリオとウルスSEは何の苦もなく走り抜けてみせた。 4WDがもたらすこの優れた走破性こそ、ランボルギーニのグランドツーリズモ性に大きく寄与していることは疑う余地がないだろう。

文:大谷達也 写真:アウトモビリ・ランボルギーニ

Words:Tatsuya OTANI Photography:Automobili Lamborghini