全国の高校生を対象にしたビジネスアイデアコンテスト「第12回マイナビキャリア甲子園」の決勝大会が3月14日と15日の2日目にわたり、大手町三井ホールで開催された。

今年は過去最多となる1万1,668名・3,151チームがエントリー。約300倍という狭き門を勝ち抜いた高校生たちが熱戦を繰り広げ、15日の「Innovation 部門」決勝大会ではセコム代表チーム「≒0」(ニアリーイコールゼロ)が優勝の栄冠に輝いた。

  • 「第12回 マイナビキャリア甲子園」決勝大会「Innovation 部門」

    「第12回 マイナビキャリア甲子園」決勝大会「Innovation 部門」

過去最多エントリー数を更新した「第12回マイナビキャリア甲子園」

「マイナビキャリア甲子園」は、企業が出題するテーマに対して、高校生が2~4人でチームを組んで課題解決に挑む、ビジネスアイデアコンテスト型の探究学習プログラム。

2014年の初開催以来、年々、参加者数が増加し、これまでに7万人もの高校生が挑戦してきた。過去には「マイナビキャリア甲子園」でプレゼンされたアイデアが製品化されるなど、高校生と企業の繋がりの場、貴重な体験の場となっている。

12回目の開催となった本大会のテーマは「Borderless Age」。この大テーマをもと、高校生たちは各協賛企業が設定した出題テーマに挑み、1次審査(書類審査)・2次審査(プレゼン動画審査)・準決勝大会を勝ち抜いた各企業の代表チームが決勝大会へと進出する。

今年は全国から過去最高の1万1,668名、3,151チームの高校生が参加。1次・2次審査を突破した72チームによる準決勝大会が2月15日に実施され、過去最高の倍率の中で決勝大会に進む全12チーム・39名が決定した。決勝大会では1チーム10分という持ち時間のプレゼンで、半年以上かけて考え抜いたアイデアが披露される。

  • 各チームが半年以上かけて考え抜いたアイデアを披露した

    各チームが半年以上かけて考え抜いたアイデアを披露した

今年は「Breakthrough 部門」、「Innovation 部門」の2部門に分かれ、それぞれの部門で優勝・準優勝・視聴者賞が表彰された。優勝した2チームには、賞品として100万円分の無期限海外旅行券という豪華な副賞が授与される。

決勝大会進出の倍率は約1/300という狭き門とを乗り越え、見事に「Innovation 部門」決勝大会へ進出を決めたファイナリスト6チームと受賞結果は以下の通り。

・セコム代表|≒0(渋谷教育学園渋谷高等学校) ※優勝、視聴者賞
・ロッテ代表|糖質上糖(帝塚山高等学校) ※準優勝
・河合塾マナビス代表|コズメロ(渋谷教育学園渋谷高等学校)
・サンリオ代表|ボボボーンズ・ボーンズ(駿台甲府高等学校)
・第一三共ヘルスケア代表|BandsMens(世田谷学園高等学校)
・たかの友梨ビューティクリニック(株式会社不二ビューティ)代表|再花(順天高等学校

優勝したセコム代表チームのプレゼンしたアイデア

本大会で優勝した渋谷教育学園渋谷高等学校の生徒によるチーム「≒0」は、警備業界の最大手であるセコムの代表チームとして、視聴者賞とのW受賞となった。

「私たちはイノベーションのチームとして若い世代の価値観が、少し先の未来の当たり前を生み出すことを常に実感しています。これまでもマイナビキャリア甲子園で毎年テーマのワーディングを少しずつ変えながら、高校生の皆さんの未来にかける期待のようなものを確認させていただいてきました。セコムのテーマにエントリーいただいた高校生の皆様、本当にありがとうございます」と、準決勝大会で選出されて以降、同チームを支えてきたセコムのオープンイノベーション推進担当リーダー・沙魚川久史氏。代表チームのプレゼン前に次のようなエールを送った。

「『≒0』のメンバーたちは生まれたその日から自分の写真がネットに上がっている世代です。そんな彼ら・彼女たちの『自分が好きな自分でいられているか?』という、10代らしい問いと思いを皆様にも確認いただけたらと思います」(沙魚川氏)

  • セコム オープンイノベーション推進担当 リーダーの沙魚川久史氏

    セコム オープンイノベーション推進担当 リーダーの沙魚川久史氏

「セコムグループの力を使って、5年後のあなたの日常が100×happyになる、『あんしん』を再定義した新サービスとは」という同社の出題テーマに対し、同チームは、現代における「あんしん」を「自分なりの方法で行動し続けられるという確信を持つこと」と再定義。

さまざまな目標を叶えるために必要不可欠な一方、ストレスの主要因にもなる“我慢”“自制心”に着目し、既存のセコムの防犯カメラを思い出の記録やライフログに使うという斬新な発想の新サービスを提案した。

表情などからストレスの有無などを判断できるセコムの画像解析技術で、ユーザーが見過ごしがちな自制の負荷も客観的に把握。マスキング技術によってプライバシーに配慮しながら、競合のメンタルヘルスケアやライフログサービスとの差別化を図り、物理的なデバイスを使って自制とご褒美のバランスを気軽に可視化して振り返ることができる仕組みを考えた。

収益化の部分では、セコムグループのリソースを活用することでサービス導入のコストを削減。匿名化された“自制データ”を販売し、店舗や企業のマーケティングで活用できるスキームなども紹介した。

どんなタイミングでどういう欲求を感じているのか。継続的に自分の我慢とご褒美のログを残すことで、ユーザー自身の傾向の分析も可能にし、努力のモチベーションを維持しやすい工夫も盛り込むという構想を発表した。

1点差の激戦、2次審査での逆転優勝

決勝大会では各審査員による一次評価と審議後の二次評価の得点によって優勝・準優勝が決定される。一次評価で審査員は6項目・各10点の60点満点で評価。審議を経ての総合的な印象点となる二次評価では、審査員1人当たり最大20点を付けられ、合計320点満点目で6チームが順位づけされる。

また、決勝大会のもようはYouTube LiveとX Liveで生配信され、6チームのプレゼン終了後にWeb投票を実施し、「視聴者賞」が選出された。「視聴者賞」を受賞した「≒0」だが、投票結果はかなりの接戦で、たかの友梨ビューティークリニックの代表チーム「再花」との差はわずか2%。

  • たかの友梨ビューティークリニック代表チーム「再花」

    たかの友梨ビューティークリニック代表チーム「再花」

優勝チーム「≒0」の一次評価と二次評価の合計は238点と、準優勝チームの代表「糖質上糖」と1点差で、二次審査での逆転という展開となった。

  • ロッテ代表チーム「糖質上糖」

    ロッテ代表チーム「糖質上糖」

プレゼンターを務めたマイナビ コンテンツメディア事業本部 事業本部長の曽我則幸氏は「わずか1点差という結果で審査員の方々も本当に大変な審査だったと思います」とコメント。その上で同チームの受賞理由と審議のポイントについて次のように語った。

「会社の価値を素材に高校生になりの視点で、ビジネスとしてジャンプアップしていく。そこのスケーラビリティが全チームの中でも素晴らしかったです。課題設定についてもN1の分析から『自分のことをもっと深く知りたい』というインサイトまでのストーリーが鮮やかでした。ユーザーインサイトを捉え、セコムさんの会社の価値を素材にしながら、思いもよらないエッジの効いた視点のサービスの提案でした」(曽我氏)

優勝トロフィーと海外旅行券100万円が贈呈された「≒0」のメンバーの一人は、「本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。セコムさんはじめ、学校や家族といった全員に支えられてきたからこその優勝だと思います。何よりもずっと一緒に寄り添ってくれた、このチームのメンバーに感謝したいです」と、本大会までの道のりを振り返っていた。