五輪は無料で見られたのに、WBCは見られない――民放連の早河洋会長(テレビ朝日会長)は20日の会見で、国際スポーツコンテンツをめぐる現状について語った。

  • 民放連の早河洋会長

    民放連の早河洋会長

早河会長は冬季オリンピックを例に挙げ、「日本人アスリートの活躍を無料で視聴者に伝えた」とし、「スポーツや文化の発展・普及に寄与することが放送の重要な役割」との認識を示した。

一方で、「放送権料の高騰は止まらない」と課題を指摘。「広告収入で成り立つ民放としては、消費者ニーズだけでなく経営の観点も重視しなければならない」とし、番組制作費とのバランスに苦慮している現状を明かした。

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)をめぐっては、Netflixによる独占配信の影響にも言及。東京ラウンドの日本戦が配信された時間帯について、「NHKと民放の視聴率は3日間すべてで減少しており、独占配信の影響を受けているのだろう」と分析した。

その上で、「今回大会で最もショックを受けているのは、これまで大会に貢献してきたTBSとテレビ朝日だ」と述べ、従来の放送体制の変化に対する危機感をにじませた。

テレビ朝日の視聴者センターには、「地上波でも見られるようにしてほしい」「民放局で連携して放送権を確保してほしい」といった要望のほか、高齢者など非ネット利用者への配慮を求める声も寄せられたという。

オリンピックと同様に、WBCの放送権をNHK・民放共同のジャパンコンソーシアム(JC)で獲得する可能性については、「試合数が最大でも7試合と限られており、オリンピックとは事情が異なる」とし、慎重な見方を示した。

また、国民的イベントの視聴機会を保障する「ユニバーサル・アクセス権」については、「(総務省に)正式に要望する段階にはない」としつつも、「重要なのは誰でも無料でストレスなく視聴できるかどうか」と指摘。

イギリスの制度を例に挙げ、「映像へのアクセス権は基本的人権の一つという考え方がある」と紹介し、「まずは制度の勉強を進め、各局のコンセンサスを得た上で次のアクションを考える」とした。