
スター・ウォーズの世界を象徴する映画小道具やコレクティブルが、銀座の中心に集まる。世界最大級の収集品オークションハウス、ヘリテージ・オークションズが、『スター・ウォーズ』展 in 銀座三越を2026年3月11日から17日まで開催する。会場は銀座三越本館1階。入場は無料で、1977年の第一作から現代のシリーズ作品まで、およそ半世紀にわたる『スター・ウォーズ』の歩みを物語る貴重なアイテムが公開される。
本展は、毎年5月4日の「スター・ウォーズの日」にアメリカで開催される「スター・ウォーズ シグネチャー・オークション」に出品予定のアイテムの一部を日本で事前公開するものだ。展示終了後、これらの品々は同オークションに出品され、世界中のコレクターが入札できる。もちろん日本からの参加も可能だ。
今回の展示で特に注目されるのが、全長約1.5メートルの大型ミレニアム・ファルコン号レプリカである。1977年公開の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』制作時にインダストリアル・ライト&マジック(ILM)が使用した撮影用ミニチュアを高精度で再現したもので、ILMのモデルショップと同様の手法によって手作業で制作された。スチール製アーマチュア構造やアクリル製ドーム、精密なスチレン加工構造などを組み合わせ、170以上のヴィンテージ模型キットから3000点を超えるパーツを使用して組み上げられている。
このモデルは、『帝国の逆襲』制作時に施された改修以前、1977年公開当時の仕様を忠実に再現している点も特徴だ。オリジナルの撮影用ミニチュアは現在、ルーカスフィルムのアーカイブに改修後の状態でのみ残されているため、当時の姿を正確に再現した個体は極めて希少とされる。表面ディテールやウェザリング、バトルダメージに至るまで高い精度で再現されており、映画史および視覚効果史を象徴するモデルの一つとして評価されている。
会場ではこのレプリカに加え、実際に撮影で使用されたプロップも展示される。たとえば『マンダロリアン』シーズン1で主人公ディン・ジャリンが着用した接写撮影用のマンダロリアン・ヘルメット。ファイバーグラスレジン製で、ベスカー鋼を思わせる金属的な仕上げと経年変化を表現した加工が施されている。内側にはブラックのパッドフォームが装備され、スタジオ制作の証として「Legacy Effects」のパッチも確認できる。
さらに『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』からは、デイジー・リドリー演じるレイが使用したアクション用ジャクー・クォータースタッフも登場。硬質ポリフォームとポリウレタンで作られた軽量仕様で、廃材を組み合わせたような外観や布巻き装飾、レザー製カフなどが細かく再現されている。この武器は、ジャクーで生き延びるスカベンジャーからジェダイへと歩みを進めるレイの象徴的なアイテムとして知られる。
同作に関連する展示として、チューバッカが使用したスタント用ボウキャスターや、ハン・ソロの愛銃DL-44ブラスターも公開される。DL-44は『フォースの覚醒』において、ミレニアム・ファルコン船内やスターキラー基地などのシーンで使用されたもので、オリジナル三部作とは異なり銃口先端がブラック仕上げとなっている点が特徴だ。撮影による軽微な擦れや加工の痕跡も残されており、制作現場のリアリティを伝える資料としても興味深い。
加えて、フォースの覚醒に登場した新生ファースト・オーダーのストームトルーパーが着用したヘルメットも展示される。J・J・エイブラムス監督と衣装デザイナーのマイケル・カプランによって再設計されたモデルで、従来の帝国軍トルーパーの意匠を踏襲しつつ、より滑らかなフォルムと拡張されたバイザーを備える現代的なデザインが特徴だ。素材にはABS樹脂ではなく鋳造ポリウレタンが採用され、3Dデザインや3Dプリントなどの技術を用いて制作されている。
映画史に残る小道具やモデルが実際に目の前に並ぶ機会は多くない。半世紀近く続く『スター・ウォーズ』の世界を形作ってきた品々を間近で見ることができる、貴重な展示となりそうだ。