老後生活において、交際費は大切な出費のひとつです。とはいえ、現役時代と同じ感覚で使っていると、老後破産につながってしまう可能性もあります。老後破産を防ぐためには、交際費とどのように向き合えばよいのでしょうか。元銀行員の筆者と共に考えてみましょう。※サムネイル画像:PIXTA

老後破産をしないためには、どのように交際費を使うとよいのでしょうか? 元銀行員の筆者と共に考えてみましょう。

◆現役時代とセカンドライフでは交際費も変わる

まず押さえておきたいのは、現役時代とセカンドライフでは交友関係や使える金額が変わるということです。

現役時代には、プライベートな友人や知人だけでなく、仕事上のお付き合いも多くあります。そのため、セカンドライフを迎えると、現役時代と同じ交際費が必要になることはほとんどありません。

また、現役時代とセカンドライフでは交際費に回せるお金の額も変わります。現役時代と同じ感覚でお金を使うことはできないという認識を持つことが大切です。

◆どのような仲間がいるのか思い浮かべてみる

セカンドライフでは、交際費に使える金額をあらかじめ決めておくことが重要です。

そのためには、どのような仲間がいるのかを一度整理してみましょう。交友関係はさまざまですが、例えば次のようなグループに分けることができます。

・幼なじみ

・かつての仕事仲間(先輩・後輩・取引先など)

・現在の仕事仲間

・趣味のグループ

・近所の知人

こうしたグループごとに、どの程度のお付き合いがあるのかを考えてみます。

飲み会や定期的な集まりがある場合は、どのくらいの頻度で、1回あたりいくらくらい使っているのかを確認しましょう。また、形式的なお付き合いでよい関係なのか、親しい関係なのかを整理することも大切です。

例えば形式的なお付き合いであれば、個人的に贈り物をするのではなく、仲間と一緒に贈ることで支出を抑えることもできます。

また、親しい間柄の場合は、日常の付き合いだけでなく冠婚葬祭などの支出が発生する可能性があることも考えておきましょう。

◆お金だけが交際費ではない?

交際費というと「お金を使うもの」というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。

例えば、旅行のお土産を渡す、いただき物をおすそ分けするなど、日常のやりとりの中で物を贈ることもあります。直接お金を渡すわけではありませんが、これも広い意味では交際費といえるでしょう。

親しい間柄だからこそお金をかけるべきだと考える人もいるかもしれません。しかし、年齢を重ねると、お金よりも気持ちのこもった交流の方が心に残ることもあります。

例えば、イベントの際に手伝いをする、お金ではなく物を贈る、一緒に食事をするなどの方法でも十分に関係を深めることができます。

「親しき中にも礼儀あり」という言葉がありますが、礼儀を大切にしながら、お金だけに頼らない交流を心がけることが大切なのです。

交際費は人とのつながりを保つための大切なお金ですが、使い方を誤ると家計を圧迫する原因にもなります。

無理をして付き合うのではなく、自分の生活に合った範囲で交際を続けていくことが、老後破産を防ぐことにもつながります。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)

金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

文=飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)