
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、年金をもらいながら副業をしている場合のケーススタディーです。
◆Q:年金生活ですが副業収入があります。確定申告しないとどうなりますか?
今回は、All About編集部が設定したケーススタディーに対して回答いただきます。
「年金を受給していますが、趣味の延長でネット販売をしています。収入が少し出ていますが、確定申告をしなかった場合、問題になりますか?」
◆A:申告が必要なのに申告しないままでいると、後から税金に加えて加算税や延滞税が発生する可能性があります
所得税は、原則として毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行い、税金を納める仕組みです(2026年は3月16日まで)。ネット販売の収入がある場合も、条件によっては確定申告が必要になります。
本来申告が必要なのに申告をしないまま放置すると、納める税金のほかに「無申告加算税」がかかることがあります。例えば、税務署から調査の事前通知を受ける前に自分から期限後申告をした場合は、追加で5%がかかるのが一般的です。一方、事前通知の後に期限後申告をした場合は、追加で10%がかかるのが一般的です(状況によって取り扱いが変わることがあります)。
また、納付が遅れた日数に応じて「延滞税」がかかる点にも注意が必要です。
一方で、年金受給者には「確定申告不要制度」があります。公的年金等の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下であれば、原則として確定申告をしなくてもよいとされています。ネット販売がある場合は、「収入」ではなく、必要経費を差し引いたあとの「所得」が20万円以下かどうかがポイントになります。
ネット販売の場合、例えば梱包資材、送料、販売手数料など、販売のために必要だった支出は経費として扱えることがあります。ただし、何でも経費にできるわけではなく、経費として認められるための要件があります。判断に迷う場合は、最寄りの税務署に「ネット販売の収入があること」「想定している経費の内容」を伝えて、確定申告が必要かどうかも含めて確認しておくと安心です。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
文=All About 編集部