「孤独」と聞いても、50代の方には関係のないことのように感じられるかもしれません。しかし定年後は、日常の「役割」や「つながり」が自然と減っていきます。今回は、老後の孤独に備えるため、50代の過ごし方をご紹介します。※サムネイル画像:amanaimages

50代は、仕事や家庭など、さまざまな役割や人とのつながりの中で日々を過ごしている方が多いでしょう。そのため「孤独」と聞いても、今の自分にはあまり関係のないことのように感じられるかもしれません。

けれども、いずれ訪れる定年後の生活では、そうした日常の「役割」や「つながり」が自然と減っていきます。その時になって初めて「何をして過ごそう」と考えても、思ったようには動けないこともあります。

老後をどう過ごすかは、50代のうちからどんな時間の使い方をしているかによって、大きく変わってくるのです。

◆なぜ老後になってから趣味を探すのでは遅いのか?

「時間に余裕ができたら、その時に考えればいい」と思う気持ちも分かりますが、実はそこに落とし穴があります。

長く仕事や家族のために忙しくしていると、自分の「好きなこと」や「心地よいと感じること」が分かりにくくなってしまうことがあるからです。

その状態で急いで何かを始めようとすると、次のようなつまずきが起こりやすくなります。

●環境のリサーチ不足

自分に合っていない教室やサークルに入ってしまい、なじめずにやめてしまう。

●初期投資の失敗

必要以上に道具をそろえてしまったものの、結局使わずに終わってしまう。

●性質の誤認

静かな趣味が向いていると思っていたが、意外にも外で体を動かすほうが性に合っていた……など。

50代のうちに、小さな試行錯誤を通じて「自分の性質」を正しく把握しておくことが大切です。自分に合った過ごし方をあらかじめ知っておくことで、老後の時間やお金をより納得のいく形で使えるようになります。

◆後悔しない趣味を見つける「3ステップ」

老後に無理なく続けられる趣味と出会うために、以下のステップを意識してみましょう。

◇ステップ1:自分の「動」と「静」の性質を見極める

まず、自分が落ち着いた空間で過ごすのが心地よいと感じるのか、それとも外に出て人と関わったり体を動かしたりすることが好きなのか、あらためて見つめ直してみましょう。

よく目にする「老後におすすめの趣味ランキング」は、参考程度にする分には役立ちますが、それが“正解”というわけではありません。

興味が持てないもの、性格に合わないものを「老後の趣味ならこれだろう」と思い込んで選んでしまうと、続けることが負担になってしまいます。

大切なのは、「自分に合っているかどうか」。その視点を忘れずに、自分なりの心地よさを基準に探していくことが、無理のない趣味選びにつながります。

◇ステップ2:「お試し」には、お金ではなく「時間」をかける

興味を持ったものがあれば、すぐに高額な月謝を払ったり、一式の道具をそろえたりするのではなく、まずは少しずつ試してみましょう。

例えば、いくつかの教室を見学したり体験したりしてみる。初期費用がかからない方法で3カ月ほど続けてみる。こうした時間のかけ方によって、自分の好みや続けられるかどうかの手ごたえを感じられるでしょう。

◇ステップ3:できれば「孤独を楽しむ力」と「つながる力」の両輪を持つ

一人で楽しめる趣味(読書、創作、料理など)と、人とゆるくつながる場(サークル、ボランティアなど)をどちらも持っておくと、気持ちのバランスを保ちやすくなります。

「人との接点がないと不安」という時期もあれば、「誰にも気を使わずに過ごしたい」と感じる時期もあります。両方の過ごし方を知っておけば、どんな日常にも対応しやすくなります。

◆50代半ばは「自分を見つめ直す」タイミング

50代半ばは、これから先の時間をどう過ごすかを考えるうえで、よい節目の時期です。

趣味を持つことは、単なる気分転換ではなく、自分にとって心地よいことや、関心が向く方向をあらためて見つける作業でもあります。そしてその過程は、限られた時間やお金を「何に使えば日々がより充実するか」を考えるヒントにもなります。

老後の不安から、なんとなく思いつきで始めてしまうのではなく、「本当に楽しいと思えること」を見つけていく。その積み重ねが、年齢を重ねたあとも、自分らしく日々を楽しむ力につながっていくでしょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)