
ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会の日本代表選手らが出場する「JPSA設立60周年記念2026ジャパンパラアルペンスキー競技大会」が2月15日と16日の2日間、ナショナルトレーニングセンター競技強化拠点でもある信州菅平高原パインビークスキー場で行われた。
男子座位は森井が2冠初日は大回転が行われた。3連覇を目指すエースの村岡桃佳は、11月にケガをし、2月に雪上復帰を果たしているが、3月の本番に向けたコンディション挑戦を優先して今大会は出場しなかった。
男子座位では、パラリンピックで悲願の金メダルを目指す森井大輝が優勝し、鈴木猛史が2位に。

「過去最高に調子がいい」という森井は、パラリンピックでは悲願の金メダルを狙う。
「いいチェアスキーができて、すごく楽しい。一日でも、一本でも多く滑りたいと思っています」
翌日の回転でも優勝し、2冠した森井。パラリンピック本番に向けては「もうひとつギアを上げていきたい。技術的なことよりも、気持ちの部分。おっかなびっくりだとラインのチョイスが消極的になる。イケイケなラインをチョイスできるようにしたい」と話した。
男子立位ではパラリンピック代表の小池岳太を抑え、髙橋幸平が優勝した。

「今大会にかける思いは誰よりも強い」と髙橋。日本障害者スキー連盟が決めたパラリンピック内定の条件にわずか届かず、北京大会に続く出場は叶わなかった。
「ミラノ・コルティナ大会は、自分の得意なコースだったので、なにがなんでも出たかった。今後については、パラリンピック後に考えたい」としっかりとした口調で語った。

女子立位は、本堂杏実が唯一の出場。得意の高速系で上位をうかがうが、北京大会以降、健常者のスキーヤーに混ざって技術系も磨いてきた。ミラノ・コルティナ大会は「以前よりプレッシャーがない」と言い、「杏実らしい滑り」を見せるつもりだ。

ミラノ・コルティナ大会の回転でソチ大会以来3大会ぶりの金メダルを狙う鈴木は、1本目で森井をリードしたが、2本目で逆転された。
それでも、今シーズンになってチェアスキーのフィッティングがハマり、2本目もセッティングを試行錯誤。収穫のある“負け”だったに違いない。
「オリンピックを見て力をもらっている」という鈴木の表情は、充実感に満ちていた。

2日目の回転には聴覚障がいの選手たちも出場。夏季冬季両方のデフリンピックで活躍し、東京2025デフリンピックの陸上競技4×400リレーで日本勢初の金メダルに輝いた村田悠祐が圧巻の滑りを披露。フィニッシュエリアで見ていた立位の小池も、「(タイムで)負けた」と、思わず拍手を送るほどだった。
夏季デフリンピックが終わり、これまで以上にアスリートとして応援されることが増えたという村田。次なるターゲットは、2027年にインスブルック(オーストリア)で開催予定の冬季デフリンピックだ。

「(先日まで大会に出場していた)オーストリアと雪質も似ていて起伏も似ていた。今日(回転)は、1本目はうまくいかなかったが、2本目リカバリーできた」と話してほほ笑んだ。
前回の冬季デフリンピックでは大回転で銀メダルを獲得。次回(2027年)は世界の頂点を目指すことを誓った。
女子知的障がいの大回転では、馬場圭美に次いで浅野陽香が2位になった。次世代のアスリートとして期待される高校生だ。昨年2月に右足の前十字靭帯断裂のケガを経て今月レースに復帰。2日目の回転では転倒してしまったものの「今大会に出られてうれしかった」と喜びを語った。

過去のジャパンパラで一緒に写真を撮ってもらったことがある座位の村岡を応援しているという浅野。
「将来は(私も)パラリンピックに出場し、優勝を目指したい」
次回以降の冬季パラリンピックで知的障がいクラスの種目が実施されることを願っている。
text by Asuka Senaga
photo by X-1