アメリカの専門誌『USニューズ&ワールド・レポート』が選ぶダイエットランキングで、8年連続で総合トップ評価を得ている地中海式ダイエット。聞いたことはあるけれど、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか? 本記事では地中海式ダイエットの基本的な考え方から推奨される食材や注意点を解説します。
地中海式ダイエットのキホン
そもそも地中海式ダイエットとはどのようなものなのでしょうか? まずは基本から見ていくことにしましょう。
地中海沿岸の食文化がベース
地中海式ダイエットは、その名の通りイタリアやギリシャなど、地中海沿岸の国々で育まれた食文化をベースにした食事法です。オリーブオイルに代表される植物性の脂質を中心に、魚介類、穀物、野菜、果物など、さまざまな食材を用いるのが何よりの特徴。栄養バランスを適度に保ちながら健康的な食生活を送ることから、いま大きな注目を集めているのです。
主な特徴と推奨される食材
地中海式ダイエットの中心となる脂質は、なんといってもオリーブオイル。調理油としてだけでなくドレッシングにも料理の仕上げにも使われ、食事全体の風味を支えています。また旬の野菜や果物のほか、魚介類をたっぷりと用いるのは沿海部の食事法ならではといえるでしょう。一方で赤身肉の使用は控えめ。魚介類や鶏肉、豆類などが重要なタンパク源になっています。また、栄養価の高い全粒穀物も頻繁に食卓に上がります。
地中海式ダイエットのメリット
食事制限が厳しくない
極端な食事制限がなく、バランスよく栄養を摂取できることから、栄養が不足する危険性が抑えられるのが地中海式ダイエットの魅力です。言い換えれば、食事に制限をかけるというよりは、体によい多種多様な食品を積極的に取り入れるということ。そのぶん日々の食事内容は充実したものとなり、楽しみながらダイエットを続けることができます。
生活習慣病のリスク軽減
動物性脂肪とは異なり、オリーブオイルに含まれる脂質は心血管疾患のリスク低減やコレステロール管理に寄与することが示されています。地中海式の食事に登場する素材の多くは、組み合わせて摂取することで生活習慣病のリスクを引き下げてくれることが期待できます。
太りにくい体になる
食後の血糖値が高い状態が続くことは、体脂肪が蓄積しやすい状態の原因になる可能性があります。地中海式の食事では、野菜や果物、全粒穀物など食物繊維を多く含む食品を豊富に取り入れるため、食後の満腹感が得られやすいとともに食べ過ぎの防止にも貢献します。
地中海式ダイエットの取り入れ方
白米を全粒穀物に
地中海式ダイエットでは、白米や小麦といった精製された穀物の代わりに全粒穀物を主食とするのが特徴です。精製穀物に比べて全粒穀物は食物繊維を多く含むため、消化吸収が緩やかで食後の血糖値の急上昇が起こりにくいのが特徴です。さらに咀嚼回数が増えることで食事時間が延び、血糖値変動や食べ過ぎを抑えることにもつながります。
油はオリーブオイルを使用
バターなどの動物性脂肪をオリーブオイルに置き換えれば、血管の健康を保つ効果が期待できます。オリーブオイルは不飽和脂肪酸が主で、ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化成分も含まれています。ただし、脂肪燃焼や便秘改善といった効果がはっきり示されているわけではなく、油である以上は使い過ぎに注意が必要です。「体にいいから摂取量を増やす」ではなく、調理油やドレッシングとして他の油と置き換えながら適量を使うのがポイントです。
お肉よりも魚を優先
地中海沿岸でよく食べられている魚介類は、肉類に比べて低脂質。なかでもイワシやサバ、アジといった青魚には、DHAやEPAと呼ばれる脂肪酸が含まれており、血管の健康を保つことが知られています。地中海式ダイエットに関する研究では、魚料理を週に2回程度取り入れる食事パターンが目立ち、これが一つの目安とされています。また、揚げ物よりもグリルや蒸し料理などの調理法を選ぶことで、余分な脂肪の摂取を抑えつつ魚本来の栄養を摂ることができます。
野菜と果物を積極的に摂取
低カロリーでありながら、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養価に優れた野菜は地中海式ダイエットの要ともいえる食材。行き過ぎたカロリー摂取を防ぎつつ、満腹感を得られるのでできる限り取り入れたいものです。トマト、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、玉ねぎ、キャベツなどの淡色野菜とでは含まれる栄養が異なるので、うまく組み合わせるのがおすすめ。摂取量の目安としては、厚生労働省が推奨する1日350グラム以上を意識するとよいでしょう。
小腹満たしにナッツ類を
ナッツ類も不飽和脂肪酸や食物繊維が豊富。心疾患予防や腸内環境の改善につながります。日々のおやつの置き換えにはもってこいの食材であるだけでなく、料理の食感を変えるトッピングとしても役立てられます。ただし、油分が多く高カロリーなため食べ過ぎは禁物。1日30グラム程度を目安にしましょう。
アルコールは適量まで
地中海式ダイエットに限った話ではありませんが、アルコールの摂取は控えめが基本です。赤ワインには抗酸化作用といった効果が報告されているポリフェノールが含まれていますが、摂取により動脈硬化や高血圧、認知症などが予防できるとする明確な根拠はありません。むしろ、アルコールの過剰摂取は高血圧をはじめとする健康リスクを高めることが知られており、飲む場合にしても量には注意が必要です。嗜好品として楽しむのであれば、グラス1杯程度にとどめるのが無難でしょう。
地中海式ダイエットの注意点
人によっては調理に手間がかかる?
多彩な食材を組み合わせる地中海式ダイエットは自炊が中心になりやすく、手間がかかると感じる人も少なくないかもしれません。ですが、たとえばトマトとオリーブオイル、少量のチーズを使ったシンプルなトマトソースパスタや、魚をオリーブオイルで焼いてレモンをかけるだけの一品でも、地中海式ダイエットの考え方を反映した食事にできます。忙しい日はオイルサーディンやサバの缶詰にレモンを添える、サラダにはゆで大豆やひよこ豆を加え、オリーブオイルベースのドレッシングで食べるといった方法もおすすめです。
また自炊が難しい場合は、外食や宅配サービスを利用する際に、魚料理やトマトベースの料理が多いイタリアンを選ぶのも一つの工夫です。こうした選択を習慣として積み重ねていくことで、無理なく地中海式の食事スタイルに近づくことができます。
食費の増加を招かないために
高品質なエキストラバージンオリーブオイル、雑穀米など食材のすべてを地中海料理に合わせようとすると、食費が高くなってしまう可能性は否めません。そんなときは魚の缶詰や旬の野菜を選ぶなどの工夫をしてみましょう。地中海式ダイエットは、高級食材を用いることとイコールではないもの。むしろ自炊の機会が増えることで、食費が抑えられるかもしれません。
食生活の変化への対応
食事全体を一気に地中海式に変えようとすると、慣れない食材に苦手意識を感じたり、食事内容の変化に戸惑いを感じたりするかもしれません。その程度は人によりますが、まずは無理のない範囲で少しずつ地中海料理の要素を取り入れることを心がけましょう。炒め油をオリーブオイルに変えたり、おやつをナッツに置き換えたりと、その方法はさまざまです。
地中海式ダイエットで、楽しく食生活を改善してみよう!
さて、ここまで地中海式ダイエットについて詳しく紹介してきました。初めからすべてを変えようとするのではなく簡単な料理から地中海式の食事を取り入れ、毎日を健康なものに変えていくのが何よりのポイント。さまざまな食材を楽しみながら、よりよい食生活を送ってみてはいかがでしょうか。




