お金持ちは、「無駄遣いをしない」とよくいわれます。しかしそれは、単にお金に厳しいというより、本当に価値があることにしか使わないという明確な基準があるからです。今回は、堅実に資産を築いた方に共通する3つの在り方をお届けします。※サムネイル画像:amanaimages

お金持ちは、「無駄遣いをしない」とよくいわれます。しかしそれは、単にお金に厳しいというより、本当に価値があることにしか使わないという明確な基準があるからです。

あるとき、1億円を貯めた方が「これから海外旅行へ行く」と話されていたのですが、手にしていたのは年季の入ったスーツケースでした。「就職してすぐに買って、ずっと修理しながら使っている」と笑うその姿に、モノに対する姿勢がよく表れていました。

今回は、私が営業職のときに出会った、堅実に資産を築いた方に共通する3つの在り方をお届けします。

◆共通点1:自分の「納得」で選ぶ

彼らは、流行や世間の評価よりも「自分が納得できるかどうか」を唯一の尺度にして物事を選びます。

たとえ世間で「持つべき」とされる高級品を勧められても、安易に手を出すことはありません。「今の自分にとって、それだけの価値があるか?」と静かに問い直し、必要がないと判断すれば、周囲の目に惑わされることなく見送ります。

それは決してケチや我慢ではなく、自分の価値観に忠実な生き方そのもの。

この「納得感のある選択」を1つずつ積み重ねているからこそ、見栄のための余計な出費がなく、無理なく自然に資産が守られていくようでした。

◆共通点2:迎合せず、でも孤立しない

印象的だったのは、人付き合いの距離感です。

必要以上に付き合いを広げることはせず、慣習や惰性の誘いにも無理して応じません。でも、冷たいわけではなく、信頼する人との関係は深く温かい。自分の時間やお金を「誰に、どのくらい使うか」が明確なのです。

「迎合しないけれど、人を遠ざけない」。この絶妙な距離感が、心の余裕や判断の冷静さを保つ秘訣(ひけつ)のように感じました。

◆共通点3:いつも淡々としている

感情に振り回されず、いつも落ち着いている。その姿勢は、長期的な資産形成に欠かせない要素でした。

相場の変動や人間関係のトラブルがあっても、「コントロールできること」にだけ集中し、それ以外は自然に流す。だから焦らず、無駄な出費や判断ミスも少ないのです。

「できる準備はする。でも結果は思い通りにならないこともあるよね」。そんな軽やかさが、長い時間を味方につける力になっているようでした。

◆自律がつくる、穏やかな豊かさ

資産を築いてきた方々の姿から感じたのは、「我慢して貯める」のではなく、「無理なく自分の軸で行動する」ことで結果的にお金が貯まっていくということ。

群れるわけでもなく、孤立するわけでもない。「人との距離感」「モノへの向き合い方」「お金の使い方」。そのどれもが静かで、誠実で、自律的でした。

もし今、自分の消費行動や人間関係にモヤモヤしているなら、一度「本当に大切にしたいこと」を問い直してみる。そんな静かな時間が、豊かさへの第一歩になるのかもしれません。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)