自然食研は1月14日、「年齢とともに変わる"お酒の嗜好と体の変化"」に関する調査の結果を発表した。調査は2026年1月5日~1月6日、週1回以上飲酒する30~50代の男女503人および内科医501人を対象にインターネットで行われた。

「年末年始に飲みすぎた」と感じた人は約半数

  • この年末年始はお酒を飲みすぎたと感じますか?/この年末年始によく飲んだお酒の種類は何ですか?

    この年末年始はお酒を飲みすぎたと感じますか?/この年末年始によく飲んだお酒の種類は何ですか?

「この年末年始はお酒を飲みすぎたと感じるか」と尋ねたところ、約半数が「強く感じる(18.5%)」「やや感じる(34.8%)」と回答した。多くの人が、久々の親睦や休暇のリラックスした雰囲気の中で、通常よりも飲酒量が増えてしまった実態がうかがえる。お酒はコミュニケーションをより潤滑にさせる1つの材料となるが、ついつい適量を超えてしまったという自覚を持つ人も多いようだ。

「強く感じる」「やや感じる」と回答した人に「この年末年始によく飲んだお酒の種類」について尋ねたところ、「ビール(84.3%)」と回答した人が最も多く、「サワー・チューハイ(36.6%)」「日本酒(34.0%)」となった。

「とりあえずビール」という言葉がある通り、最初の一杯から食事中まで通して飲める「ビール」の根強い人気が示された。また、「サワー・チューハイ」「日本酒」を飲んだ人も約3割いるようだが、年齢を重ねる中で、こうしたお酒の選び方自体に変化は生じているのだろうか。

  • 20代前半ごろと比べて、お酒の好みは変化しましたか?

    20代前半ごろと比べて、お酒の好みは変化しましたか?

「20代前半ごろと比べて、お酒の好みは変化したか」と尋ねたところ、約7割が「大きく変化した(21.5%)」「やや変化した(43.7%)」と回答した。多くの人が、お酒の好みの変化を実感しているようだ。

お酒を飲んだ翌日の体調に変化を感じる人は約6割

前問では多くの人が若いころと比較して、「お酒の好み」が変化したと回答したが、こういったお酒の好みの変化は、体質や体調の変化を反映している可能性もあるのか。次に20代前半と比較したお酒を飲んだ翌日の体調の変化について質問した。

  • 20代前半ごろと比べて、お酒を飲んだ翌日の体調(酔いやすさ・残り方など)に変化を感じますか?/それはどのような変化ですか?

    20代前半ごろと比べて、お酒を飲んだ翌日の体調(酔いやすさ・残り方など)に変化を感じますか?/それはどのような変化ですか?

「20代前半ごろと比べて、お酒を飲んだ翌日の体調(酔いやすさ・残り方など)に変化を感じるか」と尋ねたところ、約6割が「強く感じる(18.1%)」「やや感じる(40.2%)」と回答した。

前の質問で「強く感じる」「やや感じる」と回答した人に、「それはどのような変化か」と尋ねたところ、「回復が遅くなった(40.3%)」「酔いが長引くようになった(39.3%)」「寝落ちするようになった(36.5%)」が上位になった。「以前なら一晩寝ればスッキリしていた」という感覚が通用しなくなり、翌日のパフォーマンスに影響を感じている人が多いようだ。特に、回復力の低下は、日常生活や仕事への影響が懸念される問題といえる。

代謝機能の曲がり角は「30代後半」

こうした週1回以上飲酒する30~50代の男女の実感に対し、専門家である医師はどのように見ているのか。ここからは内科医に質問した。

  • 年末年始など飲酒量が増えやすい時期は、加齢によるアルコールの分解速度の低下の影響が大きくなると感じますか?/加齢に伴うアルコール代謝の変化について影響が出やすいと感じる点はどれですか?

    年末年始など飲酒量が増えやすい時期は、加齢によるアルコールの分解速度の低下の影響が大きくなると感じますか?/加齢に伴うアルコール代謝の変化について影響が出やすいと感じる点はどれですか?

「年末年始など飲酒量が増えやすい時期は、加齢によるアルコールの分解速度の低下の影響が大きくなると感じるか」と尋ねたところ、9割以上が「強く感じる(47.9%)」「やや感じる(49.5%)」と回答した。圧倒的多数の医師が、飲酒量が増えやすい時期の加齢に伴うアルコール分解速度の低下の影響の大きさを認めている。特に、飲酒量が増えがちな年末年始は、本来の代謝キャパシティを上回る負荷が肝臓にかかりやすく、若い頃にはなかった「お酒の抜けにくさ」や「体調の戻りの遅さ」が顕著にあらわれる時期であると考えられる。

では、具体的にどのような点に影響が出やすいのか。ここからは、前の質問で「強く感じる」「やや感じる」と回答した人に質問した。

「加齢に伴うアルコール代謝の変化について影響が出やすいと感じる点」について尋ねたところ、「少量でも酔いやすくなる(55.7%)」と回答した医師が最も多く、「肝機能数値への影響が出やすくなる(43.7%)」「酔いが抜けるまでに時間がかかる(42.2%)」となった。

かつては「お酒に強い」と自負していた人でも、代謝機能が落ちることで酔いの回りが早くなり、さらに分解が追いつかなくなるという負のサイクルに陥りやすいことがうかがえる。また、目に見えない肝臓への影響も、専門家の視点では重要なチェックポイントとなっている。

  • 加齢によるアルコールの分解速度の低下は、何歳ごろから顕著になると感じますか?

    加齢によるアルコールの分解速度の低下は、何歳ごろから顕著になると感じますか?

「加齢によるアルコールの分解速度の低下は、何歳ごろから顕著になると感じるか」と尋ねたところ、「30代後半(27.5%)」と回答した人が最も多く、「40代前半(26.8%)」「40代後半(20.7%)」となった。「30代後半~40代」に回答が集中しており、全体の約8割がこの年代を「アルコール分解速度の曲がり角」と捉えていることが示された。

"無理なくお酒を楽しむ"ための生活習慣とは

  • 加齢によってお酒の好みが変化する要因の中で、影響が大きいと思うものはどれですか?/年を重ねても無理なくお酒を楽しむために、医師として推奨する生活習慣・セルフケア方法は何ですか?

    加齢によってお酒の好みが変化する要因の中で、影響が大きいと思うものはどれですか?/年を重ねても無理なくお酒を楽しむために、医師として推奨する生活習慣・セルフケア方法は何ですか?

引き続き内科医に、「加齢によってお酒の好みが変化する要因の中で、影響が大きいと思うもの」について尋ねたところ、「アルコール代謝機能の変化(45.9%)」と回答した人が最も多く、「消化器系の変化(42.3%)」「嗅覚の変化(34.5%)」となった。味覚・嗅覚の変化だけでなく、身体がアルコールや食事を処理する能力そのものの変化が、結果として「飲みたくなるお酒」の種類を変えているようだ。脂っこいものや刺激の強いお酒を避け、身体に優しいものを選ぶようになるのは、防衛本能に近い反応ともいえる。

最後に、「年を重ねても無理なくお酒を楽しむために、医師として推奨する生活習慣・セルフケア方法」について尋ねたところ、「適量の飲酒を心がける(43.3%)」と回答した人が最も多く、「休肝日を設ける(42.5%)」「飲酒の合間に水または炭酸水を飲む(32.5%)」となった。「適量」や「休肝日」といった基本的な飲酒習慣の見直しが上位を占めていることから、代謝能力が低下した身体を労わるためには、まずアルコールによる総負荷を減らすことが大前提であるとうかがえる。自身の体質変化を否定するのではなく、今の状態に合わせた「飲み方」へと意識的にアップデートしていく姿勢こそが、生涯にわたってお酒を嗜むために不可欠な要素になると考えられる。