クリニックフォアグループは1月9日、2026年春のスギ花粉飛散について、最新予測にもとづく傾向と、シーズンをより快適に過ごすための準備・受診のポイントを発表した。
2026年春のスギ花粉飛散予測
日本気象協会によると、2026年のスギ花粉シーズンは例年並みの時期にスタートする見込み。スギ花粉の飛散開始は、九州や中国・東海・関東の一部で2月上旬、四国から関東の広い範囲で2月中旬、北陸と東北南部では2月下旬、東北北部では3月上旬から中旬になると予測される。
この冬は12月から2月にかけて気温がほぼ平年並みに推移する見通しで、初冬の冷え込みによりスギの雄花の休眠打破はおおむね順調に進むとみられている。厳しい寒さの中で休眠から目覚めた後、寒さの和らぐ日が現れることで雄花は順調に開花すると予想される。このため、九州から東北にかけて、スギ花粉の飛散開始は例年並みの2月上旬から3月中旬となる見通しだ。
医師による受診のポイント
クリニックフォアの医師によると、花粉症は、本格的に症状が出てから治療を始めてもピーク時のつらさを抑えきれないことがあるという。花粉の飛散開始は例年通り2月ごろから本格的になるが、2026年は東日本や北日本で飛散量が多いことが予測されるため、1月頃からの早期治療が特に重要とのこと。症状が強い場合には薬の見直しも可能なため、我慢せず医師に相談することが勧められている。
2026年の花粉症を乗り切る2つの構え
構え1:早期治療でピーク時の症状を緩和
飛散開始1か月前から受診し、早期治療を行うことで、ピーク時の症状緩和が期待できる。
スギ花粉は飛散開始の2~3週間前から少量が飛び始めることが知られており、例年の飛散開始が2月上旬である点を踏まえると、1月頃から治療を開始することが症状軽減の鍵になるとされる。
抗ヒスタミン薬は本格的に症状が出る前から使用を開始することで、ピーク時の症状を抑えやすくなり、毎年症状が強い人では12月末から準備を始めるケースもある。
構え2:飛散開始後は、花粉量に合わせて治療を見直す
2026年の花粉については、東日本~北日本で飛散量が多い見込みで、前年と同じ薬では十分に抑えられない場合がある。症状に応じて、治療の見直しを医師に相談することが重要とされる。
根本治療としての舌下免疫療法
スギ花粉症を長期的に改善する治療として「舌下免疫療法」がある。治療開始は、スギ花粉飛散終了後(5月GW明け)~12月頃とされており、翌年以降の症状軽減が期待できる。2026年に症状が強く出た場合、シーズン終了後が根本治療を検討する好機とされている。
市販(OTC)薬と処方薬の使い分け
2026年は地域によって例年より飛散量が多いため、市販薬のみでは症状を抑えきれないケースも想定される。
軽度の鼻水やくしゃみ、初期のムズムズ感、毎年市販薬でコントロールできている場合は市販薬での対応が可能とされている。一方、喘息を併発している場合や、鼻づまりが強く眠れない場合、例年より症状が強い場合、目のかゆみや充血が強い、仕事や学業に支障が出ている場合には受診が推奨される。
花粉症に関するQ&A
Q1. 花粉症の薬はいつから飲み始めるべき?
A.一般的には、スギ花粉の飛散開始の約2週間前〜1か月前の服用開始が推奨されている。これは「初期療法」と呼ばれ、症状が出る前から抗ヒスタミン薬などを服用することで、アレルギー反応の立ち上がりを抑え、ピーク時の鼻水・鼻づまり・目のかゆみが軽くなることが報告されている。またスギ花粉は、飛散開始と認められる前から微量が飛び始めるため、症状が出てから治療すると、すでに炎症が進行していて薬の効きが弱いケースもある。例年症状が強い人は、1月から治療を始めると効果が期待できる。
Q2. 2026年の花粉は本当に多い?
A.2026年は東日本・北日本を中心に例年より多く、北海道では例年の2倍以上になると予測されている。花粉の飛散量は前年夏の気温や日照時間の影響を受けるが、2025年夏は気象条件が花粉の生育に適していた地域が多く、このため翌年の花粉量が増える見込みだ(日本気象協会 2025年12月2日発表) 。飛散量が多い年は、症状が強く出たり薬の効きにくさを感じる人が増える傾向があり、早めの対策が重要とされる。
Q3. 市販(OTC)薬と処方薬はどう使い分ければよい?
A.軽症の場合は市販(OTC)薬の抗ヒスタミン薬で対応できるが、症状が強い・日常生活に支障がある場合は処方薬がより効果的とされている。
処方薬には、眠気が出にくい第2世代抗ヒスタミン薬や、強い鼻づまりに有効なステロイド点鼻薬、症状に合わせた目薬(抗アレルギー点眼薬)など、より症状に合わせた選択肢がある。特に 鼻づまりが強い方は市販(OTC)薬だけでは不十分なケースが多く、処方薬に切り替えると改善が期待できる。喘息がある人や妊娠中の人は、自己判断より受診が推奨される。
Q4. 舌下免疫療法はいつ始めるべき?
A.舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散が終わった5月頃後~12月頃までに開始するのが適切とされる。舌下免疫療法は、アレルゲンを毎日少量取り込み、体を慣らしていく根本治療で、治療開始から効果が感じられるまでに数か月~1年ほどかかることがある。そのため、スギ花粉が飛んでいない時期に始める必要があり、翌シーズン以降の症状軽減が期待できる。複数年継続する治療だが、重症の人や毎年つらい人には有効な選択肢とされている。
Q5. 初期療法とは?
A.初期療法とは、花粉が飛び始める前の"無症状の時期"から薬を開始し、炎症反応を抑えることでピーク時の症状を軽くする治療方法を指す。抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などを早めに開始することで、鼻水や鼻づまりが出にくくなり、目のかゆみの増悪を防ぎ、日常生活への支障を抑えられる、といった効果が期待されている。スギ花粉は"目に見える量の飛散開始より前"にすでに感作刺激が始まるため、 「症状が強く出てから薬を飲む」では遅い場合がある。




