フジテレビの動画配信サービス・FODで配信中の『めちゃ×2メチャってるッ!』の「完全版」の新エピソードが、15日午前2:50に配信スタートした。新撮に加え全12話に収まらなかった未公開映像をナインティナインが振り返るという内容だ。

しかし、『めちゃ×2イケてるッ!』をルーツに持ち、総監督・片岡飛鳥氏が手掛けるこの番組の「完全版」が、ただ未公開映像を紹介するだけで収まるはずがない。そんな先入観を持って視聴し始めると、想像の上を行く一大スケールの伏線回収とノスタルジーに圧倒されることになった――。

  • (左から)矢部浩之、江頭2:50、岡村隆史 (C)短い人で1年6ヶ月、長い人で3年間「メチャっていた」製作委員会

    (左から)矢部浩之、江頭2:50、岡村隆史 (C)短い人で1年6ヶ月、長い人で3年間「メチャっていた」製作委員会

数年ぶりに立ち上がった岡村隆史とニッチェ

『めちゃ×2メチャってるッ!』は、2018年に終了した『めちゃ×2イケてるッ!』の人気シリーズ「岡村隆史にオファーが来ました」8年ぶりの最新作。これまでSMAP、モーニング娘。、EXILE、三浦大知といったアーティストのライブで、努力を重ねて見事なパフォーマンスを見せてきた岡村だが、今回の舞台は、JO1、INI、DXTEEN、ME:I、IS:SUEというLAPONEエンターテインメント所属のアーティストが総出演する『LAPOSTA 2025』だ。

シリーズ最長の484日、足掛け3年に及ぶ完全ドキュメンタリーで、12話の総尺は約7時間。かつての『めちゃイケ』では2時間半のスペシャル枠(正味2時間強)で放送されることが通例だったのを考えると、いかに一大巨編であることが分かるだろう。そしてこれだけのボリュームを配信したにもかかわらず、さらに未公開の場面で1話が作れてしまうことに、驚きを禁じ得ない。

思い返すと、『めちゃイケ』でも「オファーシリーズ」の特番後のレギュラー枠で、未公開を盛り込んだディレクターズカット版が放送されていた。それは、ただ放送されていないシーンをラインナップするだけではなく、キーワードを軸にしたパッケージ化が施されていた。そして『めちゃイケ』がフィナーレに向かっていく際も、終活を起点にした「シュウ活」をキーワードに最後まで走り続けていた。

今回の「完全版」のキーワードは、ずばり「ウンコ」。ゆるい仕事で収まっている人間を奮起させる魔法のワード(※「フン」が掛かっているかは不明)だが、番組内であまりに連呼されるので、『めちゃイケ』でも光浦靖子の音痴から生まれた巨大ウンチが『お台場冒険王』で鎮座していたのを思い出す。

魔法ワード「ウンコ」から想起するのは、ちょうど先週末、『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』で優勝したニッチェが、7年ぶりに賞レースに復帰したことについて、「温度がどんどん下がっていく同世代がいっぱいいるので、“まだまだやろうよ!”という気持ちもうっすらありました(笑)」と明かしていたこと。中堅からベテランまで、そうしたマインドを持った芸人を連日にわたり目にすると、働く業種が違っていても大いに刺激になるはずだ。

もしかすると片岡飛鳥氏は、その刺激を最前線で受けたことで、484日という膨大な映像素材を作品に仕上げる猛烈な仕事を成し遂げることができたのではないだろうか。

『めちゃイケ』終了から張られていた伏線

「完全版」を視聴すると、このキーワードが『めちゃイケ』終了の8年前から張られていた壮大な伏線になっていたことが判明する。そういえば「オファーシリーズ」では、約30年前のSMAPライブへの乱入から、木村拓哉との「最後まで水分を取らない」という約束が縦軸の一つに配され、本番中のステージ裏でそれがついに許されるというしびれる伏線回収があったことを思い出した。

ドラマや映画のみならず、バラエティにおいも「伏線回収」がコンテンツの盛り上がりに直結する傾向が見られる昨今。今回、『めちゃイケ』がその先駆けだったことを再確認するとともに、期間の長さを含めたスケールの大きさや各所に散りばめた緻密さに、パイオニアとしての矜持を感じた。