
11月4日、Newspeakが『Glass Door Tour』東京公演を渋谷CLUB QUATTROにて開催した。今年8月13日には初のアニメタイアップ(『BULLET/BULLET』エンディングテーマ)となる表題曲を含むEP『Glass Door』をリリースした彼ら。新たな扉に手をかけた同作のリリースツアーで、初日の大阪公演はインディーズ期とメジャー期の二部構成による「Oldspeak × Newspeak」というコンセプチュアルなワンマンを展開。続く名古屋でのFIVE NEW OLDとのツーマンを経て、この日はGLIM SPANKYとの共演が予定されていたが、メンバーの体調不良のため出演がキャンセルに。急遽Newspeakの単独公演として開催された。
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ライブは昨年7月リリースのメジャー1stアルバム『Newspeak』より「White Lies」からスタート。Steven(Dr)とYohey(Ba)が紡ぐコーラスワークがスケールを広げ、その空をRei(Vo)の歌声が羽を伸ばし漂う。ゆったりと幕を開けたように思えたステージだったが、続く狂乱のポストパンクチューン「RaDiO sTaTiC」でムードは一変。Reiがハンドマイクでフロアに迫った。そして「Alcatraz」「Generation of Superstitions」と、序盤はインディーズ時代の楽曲とメジャーデビュー以降の楽曲を交互に繰り出し、熱狂と遠望を織り交ぜ、Newspeakならではの空気感で会場を包んでいく。
「みんな知ってると思うけど、Newspeakのライブは自由だから」というReiのMCから繰り出されたのは、最新EPから「Lifedance」。各プレイヤーの見せ場を提示しながらボルテージを一段階引き上げる、強力なダンスチューン。今後のライブでも定番曲となり得るだろう。
Photo by toya
「Glass Door」で深く自分と向き合った反動から、「ドアはもしかしたら最初から開いてるのかもしれない」とリラックスした気分で制作したという「Coastline」では、サマーブリーズなサウンドが季節を巻き戻した。そして「Before It's Too Late」と、近作での挑戦を象徴する日本語詞の楽曲が続く。筆者の母語である日本語で歌われるメロディは、不思議と英語でのボーカルと異なる体温が宿っているように感じられる。この日はグローバルな客層が集っていた。きっと一人ひとりに違った聴こえ方があるのだろうと想像する。それでも我々は、同じビートに身体を揺らしている。
ウィンターソング「Ocean Wind&Violet Waves」、切なくも力強いロックバラード「Be Nothing」。冬の予感がじわじわと身体に染み込んでいく11月に、ソウルフルな歌声が胸を温める。「Be Nothing」演奏前には、結婚式で同楽曲を使用した友人や「『Be Nothing』フリーク」だと語る『BULLET/BULLET』朴性厚監督とのエピソードを交え、「心の底から書いた曲を心の底から愛してくれる人がいる限り、音楽を続けようと思ってます」と決意を語った。
終盤は再び熱量を上げて畳み掛ける。YoheyとStevenの叫びが無機質なビートに火をつける「Media」。メリハリのある展開がバウンスを促す「INERTIA」。アルバム収録曲ながら支持の厚い「Bleed」。そして盛り上がりの最高潮で辿り着いたラストナンバーは満を持しての「Glass Door」。一塊となったロックバンドの強固さを感じさせるサウンドを、オーディエンスは一面のハンズアップで受け止めた。
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アンコールではまずStevenが再び現れると、「めっちゃ楽しいぞ!」とご機嫌でタンバリンソロを奏でる。Reiは直前での出演者変更にも関わらず会場に集まったファンとの間に固い絆を感じているようで、「俺はここにいる人たちのために曲を作るよ」と冗談めかしつつ語る。Stevenの要望により当日セットリストに組み込んだアコースティックバージョンでの「Lake」を3人で披露し、ライブは再開。あまりに気持ち良さそうにコーラスするStevenに気を取られたYoheyが、思わず冒頭のベースラインをミス。仕切り直すとクラップとシンガロングがサポートし、アットホームな空気感が場を満たしていく。
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メンバーは本編の緊張感からすっかり解き放たれたようだ。サポートメンバーのTake(Gt)を加えて、「Leviathan」「Bonfire」とアンセミックな2曲でフィニッシュ。「最後の曲もめちゃくちゃ歌えるんで、今日一番デカい声で歌ってください!」。Reiに応える、幾重にも重なった歌声。舞台の垣根を超えて、一人一人が次のドアをともにくぐる仲間との結束を確かめ合う。最後の曲を終えてもWアンコールを求める拍手は止まず、再々登場した4人は肩を組んで深く頭を下げた。


