パーソル総合研究所は10月16日、「はたらく人のウェルビーイング実態調査 2025」の結果を発表した。同調査は5月29日~6月3日、20~69歳の就業者計5,000名、15~25歳の学生1,021名を対象に、インターネットで実施した。
「ウェルビーイング」という用語の認知度について尋ねたところ、27.1%が「意味を知っている」と回答した。2023年同時期の認知度(15.9%)と比較して、11.2%増加している。直近の認知度は、「エンゲージメント」(24.6%)を上回っており、ビジネスパーソンの間で一定程度定着が進んでいることがわかった。
はたらく上での「ウェルビーイング」と近似する概念として「エンゲージメント」と比較したところ、いずれも仕事に対して「意欲的」で「継続的」で「真面目な」イメージが共通していた。しかし、ウェルビーイングは、心身の安定や自然体を想起させるイメージが特徴的であったのに対し、エンゲージメントは、仕事への強い集中や緊張感を伴うイメージが強く表れていた。
はたらく事を通じた主観的な実感として、「幸福感/不幸感(単項目)」について確認した。2020年時点と比較すると、幸福感を得ている人の割合は(40.8%)と3.1pt減少し、不幸感は(22.5%)と2.3pt増加している。「幸せを感じない」と回答した割合も増加傾向にあった。
「はたらく幸せ/不幸せ実感」の主たる要因となる7つの因子スコアについて経年比較を行った。その結果、はたらく幸せ因子は「役割認識因子」を除いて全般的に低下傾向にあり、不幸せ因子は「評価不満因子」を除き、おおむね横ばいからやや低下の傾向にあった。
学生に対し、はたらく事に関連付けられる複数の言葉(ポジティブ/ネガティブ)を提示し、はたらく事のイメージを尋ねたところ、「自由に使えるお金」「趣味や欲しいもののため」といった経済的側面が上位となった。「忙しい」「人間関係が大変」といったネガティブな懸念も上位に上がるとともに、「成長」「人との出会い」といったポジティブな期待感も目立った。
学生(高校生~大学院生)に対し、親のはたらく姿(働いていて幸せそうに見えるか)について印象を聞くと、全体の36.2%は「幸せそうだ」、23.3%は「幸せそうではない」と回答した。この傾向は、就業者自身が感じている主観的幸福感(40.8%)と近似しており、親世代の働き方や職業生活実態が、家庭生活を通じて子どもにも伝わっている可能性が示唆される結果となった。
親のはたらく姿に対する子ども(学生)の印象と、学生のはたらくイメージ【ポジティブ/ネガティブ項目】との関連を分析した。親が「幸せそうに見える」学生ほど、はたらく事へのポジティブなイメージを持っており、「幸せそうに見えない」学生ほどネガティブなイメージを持っていた。
ウェルビーイングであることを求め能動的に行動することを「ウェルビーイング・クラフティング」と称し、職業生活におけるウェルビーイング・クラフティングを促進するメカニズムについて検証した。その結果、就業者が仕事の中で「幸せを感じる体験」を得ることが、ウェルビーイングの好循環を生む起点となることが確認できた。「はたらく幸せ実感」が価値観を育み、自己理解や行動を促し、再び幸せを高める流れにつながっている。
就業者に対し、これまでの職業生活において幸せに感じる事柄(要因)の変化を自覚したことがあるかを尋ねたところ、24.4%が「大きく変わったことがある」、56.3%が「変わったことはない」と答えた。年代別では30代以上で「変化した」と答える割合が増加する傾向があり、ライフステージの移行や経験の蓄積により、ウェルビーイング・トランジションが生じる可能性があることがわかった。







