インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月25日、内閣府が公募した「令和7年度 先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」において、茨城県つくば市を実証地域として提案した「終末期の患者の意思を尊重する事前指示書の確立に向けた調査」が採択されたと発表した。

  • イメージ

高齢化社会の進展に伴う社会課題に対応

この事業は、高齢化社会の進展に伴い、救急搬送時に本人の意思に反した延命治療が行われるケースや、救急隊員の負担が増大している社会的課題に対応するもの。患者の終末期における意思を事前に明確にし、それを医療や救急の現場で共有するための仕組み作りを目指すという。

実証地域はスーパーシティ型国家戦略特区に指定されている茨城県つくば市で、救急搬送時を想定し「重い病を持つ患者の意思を尊重した事前指示書の適切な整備・活用方法」について、専門医や生命倫理の専門家とともに調査を実施する。

調査は筑波大学附属病院の協力のもと、IIJが提供する医療・介護向けICT基盤「IIJ電子@連絡帳サービス」を活用。在宅医療や介護の現場で共有されている「かかりつけ医」や「緊急連絡先」といった情報に加え、終末期患者の意思を示す事前指示書を救急時にデータ連携し、迅速で適切な対応や救急隊員の負担軽減につながるかを検証する。

このほか、事前指示書の倫理的観点からの運用検証や、救急搬送時における確認体制の整理、ICT基盤の強化、さらには全国的な制度化・標準化に向けた検討も行われる予定だ。

IIJは、調査で得られた知見や課題を行政や医療現場と共有し、救急搬送における事前指示書の取り扱いを制度化し全国展開するための規制改革提案につなげていく考えだ。