塩野義製薬は8月12日、夏の受診に関する実態調査の結果を発表した。調査は2025年7月18日~7月23日、直近1ヵ月に風邪の諸症状を感じた20~80代の男女1,200人および、新型コロナウイルス感染症の診察を行う医師100人を対象にインターネットで行われた。
夏の受診控えの実態
風邪の諸症状を感じて、病院やクリニックなど医療機関で受診したかを聞くと、「受診した」のは32.7%で7割近く(67.3%)が受診していなかった。年代別では20代の受診率が43.5%だった。
医療機関を受診しない理由
医療機関を受診した人は「咳が止まらず苦しかったから」(30.6%)、「発熱していたから」(29.3%)、「からだがだるかったから」(23.2%)など、症状のつらさから医療機関を受診している。受診しない人は「受診するほどではないと思ったから」(54.3%)、「受診しなくてもそのうち治ると思ったから」(38.0%)、「様子を見ればよいと思ったから」(33.8%)が挙げられる。20代は、受診理由として「仕事にさしつかえるから」(23.0%)より「家族や職場の人にうつしてはいけないと思ったから」(29.9%)が多く、受診しない理由では「面倒だったから」(23.0%)を挙げる人が他の年代より多くなっている。高齢の70~80代では「暑かったから」(10.2%)受診しないという人が1割程度いた。
不調を感じて医療機関を受診するまでの期間
医療機関を受診した人に、不調を感じてから何日ぐらいで受診したかと聞くと、「2~3日後」と答えた人が38.3%と多く、受診までの日数は平均で3.2日だった。年代別に見ると、40代が2.5日と早く、70~80代が受診するまで4.3日と最も長くかかっている。
新型コロナ再流行が進行中
新型コロナウイルス感染症は、日本では2023年5月8日に5類感染症に移行され、有事対応から平時対応へと移行、世界的パンデミックから3年余を経て、新型コロナ対応は日常に戻ったとされた。しかし、日本ではこの夏、新型コロナの再流行が進行している。厚生労働省の発表によると、2025年7月第30週(21日~27日)の定点医療機関当たりの報告数は4.12件で、第26週(6月23日~29日)の1.40件から、上昇している。
「新型コロナは風邪と同じでわかりにくい」約8割が回答
このような状況の中、直近1ヵ月に風邪の症状を感じた人に、新型コロナは風邪と同じような症状になるのでわかりにくいと思うかと聞くと、77.3%が「わかりにくいと思う」(「そう思う」33.7%+「ややそう思う」43.7%)と答えた。
風邪の症状を感じたときコロナを疑うか
直近1ヵ月に風邪の症状を感じたとき、新型コロナに感染していると疑ったかと聞くと、38.7%(「疑った」10.3%+「少し疑った」28.3%)が感染を疑っている。年代別に見ると、20代は49.5%と約半数が疑っているが、年代が上がるほど疑う割合が低い傾向があり、70~80代で疑った人は28.5%だった。
コロナを疑うものの、医療機関を受診したのは半数
新型コロナ感染かもしれないと疑った人のうち医療機関を受診した人は53.4%で、半数近くの46.6%は疑いながらも受診していない。年代別に見ると20代の受診率が72.7%と高いのに対し、40代では40.0%、70~80代では43.9%と半数以下だった。働き盛りの40代や重症化リスクが高いといわれる高齢者の半数以上が、新型コロナ感染を疑いながらも医療機関を受診していない。
新型コロナの検査状況
風邪の症状を感じ医療機関を受診した人のうち、新型コロナの検査を受けた人は53.8%いるが、そのうち陽性だった人は17.1%だった。受診した人の約6人に1 人が新型コロナに感染していた。今夏、再流行が進行中の新型コロナだが、全体の約3割(29.2%)が「新型コロナは、罹患しても重症化はしないと思う」(「そう思う」7.6%+「ややそう思う」21.6%)と答えている。
新型コロナ陽性と診断した患者の反応
このような状況を、医師はどう捉えているのか? 新型コロナの診察を行う医師100人に聞いた。
新型コロナ陽性と診断した際に患者からの反応を聞くと、医師の90.0%が「ただの風邪だと思っていたという反応があった」(「よくある」52.0%+「たまにある」38.0%)と答えた。
酷暑の夏、医師が特に気を付けたいこと
酷暑の夏、新型コロナの診察を行う医師100人に特に気をつけたいことを聞くと、「熱中症」(87.0%) 、「夏バテ・自律神経の乱れ」(72.0%)に次いで、「新型コロナウイルス感染症」(69.0%)が上位に挙げられた。
患者の受診に関する医師の意見
臨床の現場で思うことを聞くと、医師の58.0%が「風邪の諸症状を訴える患者に対して『もう少し早く受診していれば』と思うことがある」と答えている。また、「患者の自己判断で初動が遅れ、重症化や疾患の長期化につながっているケースがある」は65.0%、「患者の初期の自己判断が間違っていると思うことがある」は78.0%と多くなっている(いずれも「よくある」「たまにある」の合計値)。新型コロナ再流行の気配が高まる今年の夏、風邪の症状を感じたら、自分の判断ではなく、医療機関を早めに受診することが肝心のようだ。












