日本殉職船員顕彰会は、2025年8月15日の終戦記念日に、神奈川県横須賀市の県立観音崎公園にある「戦没船員慰霊碑」にて献花式を行った。
献花式には、日本殉職船員顕彰会の会員をはじめ、海運・水産業に関わる関係者約40名が参加。太平洋戦争で犠牲となった戦没船員の慰霊と平和を願い黙祷を捧げた。
太平洋戦争では、軍人以外の船員6万人以上が生命を失い、約2,500隻の商船が被害を受けた。1971年(昭和46年)には、海運・水産界の関係者により戦没船員の碑が建立されている。
戦没船員の碑が建つ観音崎公園は、多くの船舶が行き交う海上交通の要衝・浦賀水道を眼下におさめ、遠くには太平洋が広がる。約4,300平方メートルの敷地には、東京芸術大学教授吉村順三氏の設計による碑文石、高さ24mの白磁の大碑壁、同大学彫刻科教授菊池一雄氏の制作によるブロンズ群像、練習船「進徳丸」の錨、そして天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)が戦没船員を悼み歌われた御製碑、御歌碑が建立されている。
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天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)が追悼式へのご臨席を賜った折やこの碑にご供花をされた折などに、戦没船員を悼み歌われた副碑、御歌碑、御製碑
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戦前多くの船員を養成し、太平洋戦争で被害を受けた練習船「進徳丸」の錨
また、日本殉職船員顕彰会 会長の池田潤一郎氏(商船三井 取締役会長)は、献花式に向け言葉を寄せた。
「終戦から80年、遺族の方も第二世代・第三世代となっています。戦争を語り継ぐといっても、なかなか全てが伝わっていかない世の中になりました。今の繁栄は昔亡くなられた犠牲の上に成り立っています。ご遺族の方も含め、我々の先輩諸氏の犠牲について声を出すということは大事ではないか」と池田氏。献花式ののち、戦没船員の碑に眠る戦没船員60,643名、殉職船員2,975名の御霊の鎮魂と海洋の永遠の平和を祈り、献杯が行われた。
なお、日本殉職船員顕彰会では、「戦時徴用船遭難の記録画展」を、静岡県静岡市の清水文化会館 マリナート 1階 ギャラリーにて9月5日~15日の期間で開催する。日本最初の船舶画家・大久保一郎画伯が戦場から生還した船員たちの証言を聞いて密かに描き残した油彩画を公開。1942年の戦時海運監理令により国の管理下に置かれた戦時徴用船が遭った悲劇を描き残す、貴重な記録画の展覧会だ。



