こどもの職業・社会体験施設「キッザニア福岡」に、「船舶トレーニングセンター」パビリオンが、7月21日にオープン。これに先駆けて、7月16日には本パビリオンのオープンを記念したセレモニーが開催された。
オープニングセレモニーでは「キッザニア福岡」を企画・運営するKCJ GROUPと、本パビリオンを出展した日本郵船の両社代表が挨拶。除幕式やこども達によるユニフォーム披露などが実施され、パビリオンの内覧会が行われた。
■リアルな設備で操船の楽しさを体験
本セレモニーには、「船舶トレーニングセンター」パビリオンを出展した日本郵船を代表して常務執行役員・樋口久也氏が登壇。実際にコンテナ船などで船長として勤務してきた経験を持つ樋口氏は冒頭、次のように挨拶した。
「先ほど船舶トレーニングセンターを拝見させていただいたんですが、十数年前の現役時代を思い出すようなリアル感と臨場感に溢れた、本当にドキドキする素晴らしい内容になっていると感じました」
「船舶トレーニングセンター」パビリオンを出展した日本郵船は、1885年の創業以来、海上輸送を主な事業として展開してきた総合物流企業。本パビリオンで子どもたちは航海士として、全長約300mの巨大なLNG(液化天然ガス)運搬船の操船シミュレーションを体験できる。
樋口氏は日本の輸出入の99%以上(重量ベース)を海上輸送が担い、エネルギー資源、食料品や衣料品など、生活を支える物資の多くが海を越えて日々運ばれていると説明。そんな海上輸送の重要性を子どもたちに知ってもらい、より身近に感じてもらいたいとの思いから、本パビリオンを出展したという。
「仲間と協力し合うことの重要性を学び、船の仕事が私たちの生活に密接に関わっていることを感じていただければと思います。このパビリオンが子供たちにとっての新たな学びとなること、そして、航海士をはじめとする船に関わる仕事を将来の夢として思い描いてもらえるきっかけとなることを願っています」(樋口氏)
続いて登壇したKCJ GROUPの圓谷(つむらや)道成社長は、「船舶に関わるお仕事は非常に重要なもので、まずは船や海に興味を子どもたちに持ってほしいという思いが一番にあります。このパビリオンをひとつのきっかけに、子どもたちがさまざまな発見をしてくれると嬉しく思います」とコメント。
海上輸送に携わる仕事への理解を深められる本パビリオンへの期待を述べた。
「キッザニアは全国3カ所にありますが、「船舶トレーニングセンター」があるのは「キッザニア福岡」だけです。いよいよ夏休みシーズンですが、ぜひ全国から足をお運びいただき、多くの方にここでしかできない体験をしていただければ」(圓谷氏)
■出展のきっかけは社員の子どもの一言
その後の除幕式では、「船舶トレーニングセンター」で使用される本格的なシミュレーターをお披露目。「キッザニア福岡」への出展を記念して、全てのパートナー企業へ贈呈される鍵の贈呈式やテープカットも執り行われた。
オープニングセレモニー後の囲み取材で樋口氏は、改めてパビリオン出展の狙いを語った。
「船乗りのお仕事はあまり馴染みがないという人が多く、日本人船員の減少にとても強い危機感を持っています。航海士の仕事を体験することで海や船に興味を持ってもらい、将来を担うお子さんたちに、海運について知っていただきたいとの思いでパビリオンを出展しました」
本パビリオンの設備は、航海士たちが訓練で用いるシミュレーターが基になっており、舵輪やコンパス、エンジン・テレグラムなど、舶用メーカーから取り寄せた本物のモニターや機器類が多く導入されているという。
「キッザニア用に多少シンプルにはなっていますが、私どもが訓練で使用するシミュレーターにかなり近く、非常に本格的な設備です。私は短いバージョンのシナリオを体験させていただきましたが、いくつかイベントも起きて、正直、私もかなりドキドキしながら体験させていただきました。子どもたちにも船を動かす楽しさ、高揚感を体験していただければ」(樋口氏)
本パビリオンの出展は、とある日本郵船の社員が「キッザニア東京」を訪れた際、「パパの会社のパビリオンがない」と言われたことがきっかけとのこと。企画から2年以上の歳月をかけてオープンに至っているという。「キッザニア福岡」での出展となった理由についても紹介した。
「日本の中でも瀬戸内海をはじめ、大分、福岡、佐賀、長崎など島が多く存在し、海事産業が非常に盛んなのが西日本地区。弊社の社員の船乗りも西日本出身者が多く、「キッザニア福岡」さんとのご縁もあり、出展させていただくことになりました」(樋口氏)
■ユニフォームもホンモノ志向
「船舶トレーニングセンター」のアクティビティでは、キッザニアのスタッフであるスーパーバイザーが船長役となり、子どもたちは一等航海士として、船長の指示のもと3人1組でLNG運搬船を操縦。船舶シミュレーターを使い、全員で協力しながら福岡・門司港を出港して、関門海峡を超えたエリアまで船を進めていくという。
なお、LNG船はニュース映像などで目にする機会が比較的多く、球形のタンクが並ぶ特徴的な見た目が子どもに興味を持ってもらいやすいこと、日本のエネルギー輸送について触れられることなどから選定されたそうだ。実在するLNG船がモデルとなっており、2機のシミュレーターごとに「NYK ENERGY」「NYK POWER」というキッザニア用の船名がつけられている。
また、子どもたちが着用するユニフォームは、紺地に金色のシンボルマークが印象的なユニフォームで、実際の航海士の制服を基にデザインされており、腕元には一等航海士の印である3本のラインが入っている。
船舶シミュレーターを使って操船トレーニングを行う子どもたちは、最初にブリーフィングモニターで船の種類やその役割、船長と航海士のコミュニケーションルールや海上交通ルール、ブリッジの設備などを学ぶ。その後は海図で航路を確認。子どもたちは一等航海士として、それぞれの役割に分かれて操船トレーニングを行うという流れとなっている。
操舵担当は舵を右や左に切って船の進む方向を調整。右舷担当はレーダーを使って海上に他の船の存在を確認したり、VHF(船舶共通通信システム)と呼ばれる機器を使って他船や海上交通センターへの連絡などを行ったりする。左舷担当はエンジン・テレグラムでのスピード調整、汽笛や船内放送などを担当するそうだ。













