大正製薬が「ゲリラ豪雨×頭痛」の見えない関係について解説している。

突然の大雨、頭痛のサイン?

近年、全国各地で"ゲリラ豪雨"と呼ばれる突然の大雨が増加している。ゲリラ豪雨は短時間に激しい雨をもたらし、河川の急な増水や氾濫、道路の冠水といった社会的にも深刻な影響を及ぼすことがある。さらに、こうした急激な気象変化は「頭痛」にも関係している可能性がある。

ゲリラ豪雨が増えている背景とは?

  • 【図1】年別のゲリラ豪雨(局地的大雨)発生回数(気象庁データより)

気象予報士によると、温暖化や都市化によって局地的な対流活動が活発になる事が多くなり、"突然の激しい雨(ゲリラ豪雨)"が増えているという。さらに、より強度の強い雨ほど増加率が大きくなっている。このような急激な気象変化は、短時間の強い雨の他に、短時間の気圧変化などももたらす。

  • 【図2】ゲリラ豪雨時の気圧変化(前橋 2024年7月22日)

ゲリラ豪雨の際には、10分~30分などの短時間で、非常に激しい雨が降ることがある。こうした極端な降水とあわせて、気圧も急激に変化するケースが見られる。特に局地的な積乱雲が発達したときには、気圧が短時間で下がる、あるいは大きく上がることもあり、体調に影響を及ぼすと感じる人も少なくない。図2のように、降水量の急増とともに気圧が変動している様子がわかる。

アンケートで判明、「ゲリラ豪雨×頭痛」の実態

  • 【図3】ゲリラ豪雨の前後に、頭痛を感じたことがありますか?

気圧変化による体調不良に備えるアプリ「頭痛ーる」では、ユーザーを対象に「ゲリラ豪雨時の頭痛」に関するアンケートを実施した。その結果、8割以上の人が頭痛をはじめとする体調の変化を感じていることが判明した。この結果から、ゲリラ豪雨のような急激な天候の変化が、多くの人の体に影響を及ぼしていることがうかがえる。

ゲリラ豪雨と頭痛記録、相関はあるのか?

同アプリに記録された痛み記録と、実際のゲリラ豪雨発生日の気象データを組み合わせ、関東エリアを中心に分析を行った。図4のように、ゲリラ豪雨の前後で気圧が大きく変化し、また、ユーザーの痛み記録も非常に増えており、データからもゲリラ豪雨の前後に"頭痛を感じる人"が増える傾向が確認された。

  • 【図4】ゲリラ豪雨発生時の頭痛ーるユーザー痛み記録数の推移(東京2024年7月24日)

ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲は1つ1つが小さいために、ごく短時間で気圧などが急激に変化する。この急な気圧変化や雨による湿度上昇などに対して、体は敏感に反応するため、ゲリラ豪雨時に頭痛の症状が悪化する人が多いと考えられている。

実際にアプリでは、ゲリラ豪雨時に1時間ごとの気圧変化には大きく現れていなくても、みんなの痛みの状況がわかる機能(みんなの痛みナウ)には、痛みを感じて記録したユーザーデータが増える傾向がみられた。

  • 図5】ゲリラ豪雨時の「頭痛ーる」による痛み状況(みんなの痛みナウ)

論文で証明された頭痛と気圧変化の関係

一般的に、気圧と気象病の関係では、気圧が低下すると、内耳のセンサーが敏感に反応し、そのセンサーの反応によって、前庭神経が刺激され、自律神経に影響を及ぼす可能性がある。こうしたメカニズムによって、頭痛などの不調につながる可能性があると言われている。

また、アプリに記録された痛みデータと気象データとの関連性を明らかにするため、日本頭痛学会に所属する医師4名と頭痛ーる運営チームにより、2021年に共同研究が行われた。この研究成果は、2023年2月にアメリカ頭痛学会の公式医学誌「Headache」に掲載されている。(Headache 63(5) 585 2023年2月28日)

本研究では、アプリユーザーの頭痛記録を解析した結果、頭痛の発生には「気圧の変化」「降雨」「湿度」などの気象条件が関与している可能性が示唆された。天気と頭痛の関係を、データからも裏付ける結果となっている。(Headache 63(5) 585-600 2023年2月28日)