究極のウェルネスとラグジュアリーとは?|シックスセンシズ京都の「Sleepcation(スリープケーション)」で気付いたこと

「忙しい」を理由に心身のメンテナンスを後回しにする。働き盛りの年代にはありがちなことである。仕事が忙しい。家事が忙しい。育児や介護に忙しい。肉体的に疲れることもあるが、精神的にはそれなりに充実した時間を過ごすことで満足している⋯気もする。しかし、「忙しい」という漢字は「心を亡くす」と書く。多忙なときこそ、一度立ち止まって自分の心身と向き合い対話することが必要だ。

【画像】自然派ラグジュアリーリゾート「シックスセンシズ 京都」で「Sleepcation(スリープケーション)」を体験(写真15点)

そんな折、2024年に京都に開業した自然派ラグジュアリーリゾート「シックスセンシズ 京都」で「Sleepcation(スリープケーション)」を体験してみませんか、という願ってもないお誘いをいただいた。

シックスセンシズは、1995年に南インド洋でウェルネスとサステナビリティをコンセプトとしてスタートしたリゾートだ。今でこそウェルネスやサステナビリティという概念は一般的に知られているが、30年前の開業時にはさぞ斬新なコンセプトだったことだろう。この分野の先駆者といえるシックスセンシズの哲学は以降も揺るぐことなく、時代に合わせて進化を続けている。

そんなシックスセンシズ 京都が提供するプログラムのひとつが「睡眠」に関するもの。シックスセンシズでは、全世界で共通する6つの体験を提供している。「Eat With Six Senses」「Alchemy Bar」「Grow With Six Senses」「Integratd Wellness」「Earth Lab」、そして今回体験した「Sleep With Six Senses」(快適な安眠環境を提供するシックスセンシズ式快眠プログラム)だ。

このプログラムでは、睡眠専門医マイケル・J・ブレウス博士をはじめ、世界的に有名な専門家達と協力しながら、快適な安眠環境を整えてウェルネスの中でも重要とされる睡眠をサポート。スパトリートメントやヨガを含むプログラムと食事、そして眠りの質を向上させるためのアメニティを備えた客室での滞在を含めた宿泊プランが「スリープケーション」である。レストランでの夕・朝食とシックスセンシズ スパ 京都が提供する「スリーププログラム(2日間)」が含まれ、各種セッションやトリートメント、サービスが提供されるプログラムの一部を体験することになった。

ウェルネスジャーニーの始まり

当日。開放感のあるロビーでのチェックイン時からシックスセンシズ 京都独自の体験が始まる。「これを手に擦り込んで、顔を包み込むようにして香りを楽しんでください」とウェルカムリチュアルの「塗香」が差し出される。滞在スタートの儀式だ。心地よく穏やかな香りに包まれて、雑念がリセットされた気持ちになる。

まずは60分間の「ウェルネス スクリーニング」を受ける。約40の主要なバイオマーカーで、心身に関連する状態を内側からチェックする、日本で唯一のプログラムである。両手両足をパネルに当て、額にも機器を装着。インテグレイテッド ウェルネス プラクティショナーの小口泰未さんの指示に従い、深呼吸をしたり、立ち上がったりして体の変化も記録する。モニターに映し出された結果を見ながらフィードバックを受けるのだが、ここで泰未さんと交わす会話がとても心地よい。押し付けがましい改善提案ではなく、彼女はあたかも私の身体が発するメッセージを読み取って代弁してくれているかのよう。泰未さんと対話することを通じて、日頃なかなか向き合うことがなかった自分の身体と素直に対話している、そんな時間を過ごすことができた。

プログラムには「ドリームキャッチャー」というスパトリートメントも含まれている。不眠症対策のための研究が進められているCBD成分を含むボディオイルを使用した、頭から足先までの全身トリートメントだ。先ほどのスクリーニングの結果がセラピストに共有され、さらに重点的にケアしてほしいポイントをヒアリングされた。自覚している肩の凝りを伝えつつも、そこばかりに注力しないでほしい、客観的にみてケアするべきポイントがあればお任せしたいという意向を伝えた。

施術は90分。しかし時間の経過の記憶は定かではない。いつしか眠りに落ち、頭は空っぽになっていた。セラピストからのフィードバックは、前述のウェルネス スクリーニング同様に身体からのメッセージを分かりやすく言語化してくれるものだった。「普段、帰宅されてからも、お仕事のことなどで頭の中が常にフル稼働されていたりしませんか?」と聞かれたときには、トリートメントでそこまでわかるものなのかと驚いた。

ウェルネスの真髄は食に宿る

ディナーはスリーブケーション専用の、睡眠の質を高めるための特別メニューを日本の伝統的な二十四節気を反映した料理を提供するシーズナルダイニング「Sekki(節気)」で味わう。旬の野菜を使ったベジタブルスープに始まり、メインディッシュは和牛のフィレ肉(脂肪が少なく消化に優しい。必須アミノ酸であるトリプトファンやセロトニンの生成に関わるビタミンB6を含む)の炭焼き。玄米、雑穀、きのことナッツ(睡眠の質を向上させるための栄養素を多く含む)を使用したリゾット。デザートには、バナナアーモンドミルクプリンと、カフェインを含まないホテル自家菜園のハーブを使ったガーデンハーブティーが提供される。

このように睡眠に特化したコースメニューの設定があること自体も素晴らしいが、シックスセンシズ 京都の食の醍醐味は睡眠に留まらない。ウェルネスの真髄は食に宿ることを、さりげなく、しかし如実に教えてくれる。生産者の顔が見える食材はもとより、ホテルで運営するガーデンで自家栽培した野菜やハーブも使用。最近では養蜂も始めたそうだ。1年前の開業時には、贈られる祝花をハーブにしてもらい、以後ホテルで活用しているというサステナブルなエピソードもある。

地元京都の地産素材をふんだんに活用して提供される朝食も絶品だった。いちばんのおすすめは平飼い卵を使った料理。今回はポーチドエッグをオーダーした。また、ブッフェ形式を含むサイドメニューは滋味にあふれたものばかり。焼き芋、ローストかぼちゃ、オクラの煮びたし、自家製豆腐、人参ディップや紫蘇フムスなど、いわゆる”映える”ものではないかもしれない。しかし、見えない部分にどれほどの人の手が掛けられているのかは、一目見れば、一口味わえば、すぐにわかるほど丁寧に作られている。総料理長の宍倉宏生シェフが手がける料理は、シックスセンシズ 京都の哲学をカタチにしたものなのだと合点がいった。

快眠へと誘う特別仕様のパジャマとベッド

ゲストルーム内のナイトウェアにも特筆に値する。ガーゼと特殊繊維を用いた柔らかでシンプルなリカバリーパジャマが快眠へと導いてくれる。こちらも決して”映える”ものではないが、寝心地・着心地ともに非常に快適だった。スパ併設のブティックで販売されているウェルネスアイテムの中で最も人気が高い商品だというのも納得だ。

ベッドに使われるマットレスは、「Naturalmat」社によるハンドメイド製品で、オーガニックのラムウールと、オーガニック認定ココナッツ農園で採れたココヤシ繊維で作られており、抜群の通気性を確保している。ラテックス層は、世界で唯一のオーガニック認定ゴム農園で採取されたもの。このマットレスをやわらかなコットン100%のシーツで包み、優れた睡眠サポートを提供してくれる。

仕上げは「睡眠トラッキング」だ。就寝時に指にトラッキングリングを装着して、睡眠パターンを把握。心拍数や呼吸、血中酸素レベルなどから睡眠スコアが算出され、アプリで確認することができる。

リコネクト、そしてリスタート

正直なところ、スリープケーションを実際に体験するまでは「お風呂にゆっくり入って、マッサージを受けて、体に優しいものを食べて、寝心地のよいベッドに入れば、その夜は快眠できるに決まってるよね」という程度の軽い気持ちだったことは否定しない。しかし、いざ体験してみると自分の認識の浅さを痛感することとなった。

シックスセンシズ 京都で得られたものは、滞在中の快眠だけではなかった。刹那的な快楽や心地よさではなく、見えない部分にかけられている手間暇とコストがあってこそ成立する、究極のウェルネスとラグジュアリーの体感。自分に向き合うことの大切さ、そして自分の心身を気にかけてくれる他者の存在。さらには、これからの自分の生活の質の向上や、心身が整うことで他人にも環境にもやさしくなれる精神の安定。

今回の滞在をサポートしてくれたシックスセンシズ 京都のマーケティングコミュニケーションズディレクター、ヘンリー・チョウさんによると、ホテルで大切にしているキーワードのひとつに「リコネクト」があるという。再度、つながる。つながる相手は大切な人でも自分自身でも構わない。忙しい日常だからこそ、立ち止まって向き合うことの重要さを示唆する単語である。一度立ち止まって、リスタート。私のウェルネスジャーニーはまだ始まったばかりだ。

文:オクタン日本版編集部 写真:シックスセンシズ 京都、オクタン日本版編集部

Words: Octane Japan Photography: Six Senses Kyoto, Octane Japan

「Sleepcation(スリープケーション)」宿泊プラン内容

●料金:2名1室合計 400,000円~ / 1名1室 320,000円~

(消費税・サービス料込。別途、京都府の宿泊税が加算されます)

●プランに含まれるもの

・シックスセンシズ 京都でのご宿泊

・睡眠向上のための特別ディナーコース

・朝食ブッフェ

・シックスセンシズ スパ 京都でのスリーププログラム(2日間)

●スリーププログラム(2日間)内容

・ウェルネス スクリーニング(60分)

・ヨガニードラ or プラーナヤーマ呼吸法(45分)

・ドリームキャッチャー(90分)

・スリーププログラム アメニティ

・睡眠トラッキング

・スリープ チェックイン

・デイリー バイオハック リカバリー セッション(計2回)

・毎日の温浴リチュアル

※3日前までに要予約

●宿泊の予約・問合せ

この宿泊プランの予約は電話またはメールにて

電話:075-531-0700

メール:reservations-kyoto@sixsenses.com

日本語Webサイト:http://www.sixsenses.com/jp/kyoto

スリーププログラムは外来(宿泊なし)で、2・4・6日間で利用することも可能