つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は、7月31日に長期ビジョン発表記者会見を実施。同日に発表した「長期ビジョン 2050」などについて説明した。

  • つくばエクスプレスの長期ビジョン発表記者会見に首都圏新都市鉄道の代表取締役社長、渡邊良氏が登壇

秋葉原~つくば間を結ぶつくばエクスプレス(TX)は2005年8月24日に開業。現時点で唯一、「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法(宅鉄法又は一体化法)」の適用を受けた鉄道事業者であり、この特別な法律にもとづき、宅地開発と一体的に整備された、他に例のない地域密着型鉄道だという。

つくばエクスプレスは今年で開業20周年。開業当初、駅周辺がほぼ未開発だったところも少なくなかったが、その後は各駅の周辺でまちづくりが進み、沿線人口も増加した。乗車人員はコロナ禍の影響を受けた2020年度に減少したものの、2024年度は40万3,397人/日に。コロナ禍前の2019年度を上回り、過去最大となった。

  • つくばエクスプレスの開業から20年で沿線人口・乗車人員ともに増加

7月31日の長期ビジョン発表記者会見で登壇した首都圏新都市鉄道の代表取締役社長、渡邊良氏は、沿線について「豊かな環境に恵まれた住宅、商業施設、観光・文化拠点、教育・研究機関、企業などが集積し、多様な魅力にあふれた街を形成しつつあります。つくばエクスプレスが日常生活に浸透した重要なインフラとなり、沿線が発展し、日々進化する鉄道、進化する街を体現しているところです」と説明。今後も地域・社会から愛される鉄道として進化を続けるとともに、「地域の関係者の皆様とコラボレーションした街の進化にも貢献したい。そうした思いから、今般、『長期ビジョン 2050』を策定し、公表することとしました」と述べた。

「長期ビジョン 2050」は、経営環境の変化と重要課題を踏まえ、今後の経営方針と、その方針にもとづく事業戦略をとりまとめた。これらの戦略を有機的に組み合わせ、鉄道ネットワークを基盤とした広域的な沿線の価値を「共創」し、イノベーション先導と社会課題の先進解決で社会をリードするフロンティアの実現をめざす。「TX 共創フロンティア ~人・街・知をつなぎ、世代を超えて愛され、進化を続ける鉄道~」をスローガンに掲げ、「鉄道の共創」「地域の共創」「社員の共創」によってフロンティアを開拓し、社会をリードするという。

  • 渡邊社長が「長期ビジョン 2050」について説明。2050年にめざす姿や沿線の未来像など紹介された

2050年にめざす姿として、より高次元な「安全・安定・安心」の鉄道サービスの進化を今後も追求し続けるとともに、沿線に暮らし、働き、訪れる人々の交流、沿線の街にある最先端の科学技術、上質な文化、スポーツ、豊かな自然環境等との交流による新しい価値の創造に貢献する。20駅の鉄道ネットワークを基盤に、人・街・知をつなぐ「TX コラボリング」により、沿線の豊かなアセットを生かしたイノベーション先導と社会課題の先進解決で、首都圏、日本、世界をリードするフロンティアを創造していく。

沿線の未来像として、各々の地域で「TX コラボリング」による連携を通じ、時代とともに「選ばれ続けるまち」へと進化。つくばエクスプレス沿線の多様な魅力をつなぎ、「TX コラボリング」の広域連携へと深化させ、イノベーション先導と社会課題の先進解決により、フロンティアを共創するとのこと。今後の経営方針を示す基本方針に「鉄道インフラ 最高水準の鉄道輸送・サービスの追求」「地域とのつながり 選ばれ続ける沿線へ」「経営基盤 社員が輝き、地域から信頼される会社へ」の3つを掲げ、これにもとづく事業戦略も設定された。

  • つくばエクスプレスの開業20周年記念グッズに加え、開業当時に使用されたヘッドマークやポスターも会場に展示

  • 開業当初と現在の駅周辺を比較するパネルも

なお、首都圏新都市鉄道は今年、つくばエクスプレスの開業20周年を記念したイベントや特別企画など実施している。記者会見が行われた7月31日、「長期ビジョン 2050」の他に「開業20周年記念乗車券」や記念グッズ第3弾の発売、特別コラボイベントの開催等も発表された。これらの各種企画も、その実施を通じて「長期ビジョン 2050」で掲げる「TX コラボリング」による沿線価値の共創を図ると同社は説明している。