自動車保険の走行距離を超えた場合の保険料は?下回った場合も解説

自動車保険の種類によっては、1年間の走行距離によって保険料が変わる場合があります。これは、年間走行距離と保険料に深い関連があるという考え方によるものです。では、「保険料は走った分だけ」というCMに引かれて加入したものの、実際の走行距離が加入時に申告した予想走行距離を超えた場合、保険料を追加で払わなければならないのでしょうか。
また、反対に、実際の走行距離が加入時の予想より少なかった場合、保険料が返金されるかどうかについても知りたいところです。

この記事では、自動車保険の走行距離と保険料の関係と算出方法のほか、申告した年間走行距離を超えたり下回ったりした場合の保険料などについて解説します。

自動車保険の走行距離と保険料の関係

自動車保険によっては、年間走行距離が保険料に影響する場合があります。特に、保険代理店を通さず、ウェブや電話で直接保険会社と契約するダイレクト型(通販型、ネット型ともいう)の自動車保険においては、年間走行距離が多くなると、保険料が上がる傾向が見られます。これは、「年間走行距離が多いほど事故リスクが高くなる」と判断されるのが理由です。

反対にいえば、ダイレクト型自動車保険は年間走行距離が少なければ、保険料は安くなります。

自動車保険の走行距離の算出方法

自動車保険において、年間走行距離は大きく分けて2種類で算出しています。ここでは、自動車保険の年間走行距離の算出方法について解説します。

過去1年間の場合:オドメーターまたはトリップメーターで確認

ダイレクト型自動車保険の多くは、年間走行距離の算出方法として、過去1年間の走行距離で確認しています。この場合、「オドメーター」または「トリップメーター」で確認します。

車のメーターパネル内に設置されるオドメーターとトリップメーターはいずれも走行距離を測るものですが、両者の違いは、下記のとおりです。過去1年間の走行距離を算出する際には、多くの保険会社で、リセットできないオドメーターの数値を使用しています。

オドメーターとトリップメーターの違い
名称 メーター表示 計測・表示対象 リセット 用途
オドメーター
(Odometer)
ODO 製造からの総走行距離 不可 保険料の算出、車の状態確認 など
トリップメーター
(Tripmeter)
TRIP 任意の区間走行距離 燃費の計算 など

なお、初めて自動車保険に契約する場合には、「過去1年間の走行距離」というものがありません。この場合、走行距離を選択する必要がない保険会社や今後1年間の走行距離を予想して選択する保険会社など対応が分かれています。

今後の1年間の場合:保険会社が設定する年間走行距離区分から選ぶ

今後の1年間の予想走行距離で、保険料を算出するダイレクト型自動車保険も存在します。この場合、1年間の予想走行距離を保険会社が設定する年間走行距離区分から選び、その結果により保険料が設定されることになります。

自動車保険における年間走行距離の区分は、下記のようなイメージです。なお、区分は保険会社によって異なります。

自動車保険の年間走行距離の区分例
年間走行距離区分 車の使用状況の目安 保険料
3,000km以下 あまり運転しない
3,000km超~5,000km以下 休日の買い物などで運転する
5,000km超~7,000km以下 ほぼ毎日近場で運転し、月1回程度遠出する
7,000km超~10,000km以下 ほぼ毎日近場で運転し、週1回程度遠出する
10,000km超~15,000km以下 毎日近場で運転、週1回程度遠出し、月1回帰省する
15,000km超~20,000km以下 ほぼ毎日遠出する

申告した走行距離を超えた場合の保険料と補償

加入時などに申告した走行距離をオーバーした場合、保険料と補償はどのような扱いになるのでしょうか。ここでは、申告した走行距離を超えた場合の保険料と補償について解説します。

過去1年間の走行距離で保険料を設定するタイプの場合

過去1年間の走行距離で保険料を決めるタイプの場合には、加入の際に申告した年間走行距離を超えても、一般的に保険料は変わりません。また、事故に遭ったときにも変わらず補償されます。例えば、前年の年間走行距離が約2,500kmで、今年の年間走行距離が約4,000kmになったとしても、保険料はそのままです。ただし、翌年は増えた走行距離をもとに計算されるので、保険料が高くなります。

なお、初めての契約で1年間の予想走行距離を設定している場合などでは保険会社への連絡や追加保険料が必要となることもあります。

予想走行距離で保険料を設定するタイプの場合

予想走行距離で保険料を設定するタイプの自動車保険では、予想より多く走った場合、追加の保険料が生じます。仮に3,000km超~5,000km以下の区分で申告し、5,000km超~7,000km以下を走行した場合は、5,000km超~7,000km以下の区分における保険料との差額を支払うことになります。

保険会社によっては、予想走行距離を超過した場合、すみやかな通知義務があったり、追加の保険料を支払わなければ補償が受けられなかったりする場合もあるので注意が必要です。

なお、保険料を安くしようとして走行距離の過小申告をする行為は「告知義務違反」にあたります。補償対象外になったり契約解除になったりといったペナルティを受ける可能性もあることに注意してください。
自己申告なのでバレないと思われるかもしれませんが、事故に遭って保険を使う際、保険会社が調査を行えば発覚します。保険金を受け取れない事態に陥らないためにも、虚偽申告は避けましょう。

申告した走行距離を下回った場合の保険料

申告した年間走行距離を下回った場合、保険料は返金されないのが一般的です。具体的に説明すると、3,000km超~5,000km以下の区分で申告し、実際の走行距離が3,000kmを下回った場合でも、保険料の差額は返金されません。

過去1年の走行距離を申告するタイプの場合は翌年の保険料が少ない走行距離をもとに算出されますが、1年間の予想走行距離を申告するタイプの場合はできるだけ自分に合った走行距離区分で申告できるよう注意しましょう。

年間走行距離と保険料に応じて保険会社を選ぼう

ダイレクト型自動車保険では、走行距離が保険料に影響を与える場合があります。走行距離による保険料の決め方は保険会社によって異なり、過去1年間かこの先1年間かのいずれかで決めるのが一般的です。自分のライフスタイルや今後のライフプランに合わせて、自動車保険の契約を見直すようにしましょう。

なお、年間走行距離と保険料の扱いは、保険会社によって異なります。自分に合った契約内容を探すには、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかること。そこで、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼するのがおすすめです。

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