河出書房新社は、YouTubeで人気という鉄道アナリスト、鐵坊主氏による新刊『データから読みとく JRの生存戦略』(新書判216ページ、1,056円)を発売した。

  • 『データから読みとく JRの生存戦略』表紙

著者の鐵坊主氏は、2020年にYouTubeチャンネル「鐵坊主チャンネル」を開設し、鉄道を中心に地域交通や都市計画をテーマに鋭い視点で分析・解説を行い、幅広い支持を得ている鉄道アナリスト。これまでに『鉄道会社 データが警告する未来図』(第48回交通図書賞・奨励賞受賞)をはじめ、『鉄道会社vs地方自治体 データが突き付ける存続限界』『鉄道路線に翻弄される地域社会』などを執筆している。

新刊『データから読みとく JRの生存戦略』では、コロナ禍による移動需要の急減を端緒に、人口減少・少子高齢化・ライフスタイルの変化といった構造的な課題に直面する鉄道業界の現状を背景に、JR各社の「脱・鉄道」戦略を網羅的に分析。移動サービス提供にとどまらず、宅地・マンション開発、ホテル経営等の不動産関連事業、エンターテイメント事業、百貨店やショッピングセンターの運営、駅ナカで展開する小売業・外食業、広告事業、旅行代理店事業、金融事業等へと広がる取組みの意義と成果、リスクを多角的に描き出している。

  • JR北海道の課題を解説

  • JR東海の生存戦略を解説

  • JR西日本の新たな取組みを解説

全7章構成の同書は、まずJRグループ全体の経営方針と戦略を概観した後、各地域会社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)ごとの現場課題と対応策に踏み込む。たとえば、JR北海道における苗穂工場跡地の活用と札幌駅周辺再開発、JR東海の新幹線依存からの脱却戦略、JR西日本の水素供給インフラへの参入、JR九州のローカル線再編と観光資源開発など。具体的な事例を通じて、読者が理解しやすい構成としている。