今回は、ビジネスシーンで使える「おかしい」「おかしいと思う」の言い換え表現を紹介します。

商談・会議などで「それはおかしいですね」と言いたくなる場面は意外に多いもの。相手を不快にさせない丁寧な言い換え表現を覚えておけば、コミュニケーションも円滑になるはずです。

ビジネスシーンで「おかしい」を使うリスク

  • 「おかしい」が持つニュアンスとビジネスでのリスク

    「おかしい」という言葉には否定的なニュアンスが含まれます

「おかしい」という言葉には、さまざまなニュアンスが含まれています。そのためビジネスシーンでは、「おかしい」という言葉が相手にどのように受け取られるか客観的に考えてみてみましょう。

「おかしい」の基本的な意味

「おかしい」は、「不自然だ」「異常だ」「予想外だ」などを意味します。感覚的に違和感を覚えたときに使うことが多いですが、ビジネスシーンで使用すると軽い印象を与え、誤解を招く可能性があります。また、失礼な印象を与えてしまうこともあるので、言い換えた方が無難です。

「おかしい」の主なニュアンス

「おかしい」は、さまざまな意味合いで使用されます。たとえば「なにか変だ」「違和感を覚える」「不具合がある」などは、どれも「おかしい」の一言で表すことができますよね。

しかし、これらをそのまま「おかしい」と言ってしまうと、相手に対して強い否定的な印象を与えかねません。ビジネスシーンで問題があることを指摘する際や疑問を伝える際には、適切な表現に言い換えましょう。

ビジネスシーンで使える「おかしい」の言い換え表現の例

  • ビジネスシーンで使える「おかしい」の言い換え表現の例

    ビジネスシーンで使える「おかしい」の言い換え表現の例

「おかしい」をビジネスシーンで適切に言い換えるための表現をいくつか紹介します。

「整合性がない」

「おかしい」を「整合性がない」に言い換えることで、論理的に一致しないことや、データや情報に矛盾があることを指摘できます。

例:「この報告書の数値と前回のデータは、整合性がないように見えます」

「一貫性がない」

「おかしい」を「一貫性がない」に言い換えると、何か矛盾が生じていることを示すことができます。たとえば、計画書のなかで前後の内容に矛盾がある場合に、「この計画書は〇〇と■■で矛盾が生じているため、一貫性がありません。このまま進めると問題が発生してしまいます」と表現できます。

例:「今回の提案内容は、これまでの方針と一貫性がないように感じます」

「不自然」

「これは不自然だ」と伝えることで、違和感を覚えていることを表現できます。「その提案は不自然に思えます」と言うことで、異常な状態を冷静に指摘できます。

例:「この契約条件は、ほかの案件に比べると少し不自然に感じるところがあります」

「想定外」

予測と異なることが起きている場合は、「おかしい」を「想定外」に言い換えられます。「これは想定外の結果です」「先方が想定外の反応をしてしました」というように使用できます。

例:「想定外のトラブルが発生して、出費額が増えてしまいました」

「異例」

「おかしい」を「異例」に言い換えると、通常とは異なる事例だと指摘することができます。たとえば、「今回のケースは異例です」といえば、普段とは異なる特殊な状況であることを示せます。

例:「このプロセスは、当社の通常の手続きと比較すると異例の対応ですね」

「不適切」

「おかしい」を「不適切」に言い換えることで、行動や判断が適切でないことを伝えられます。特に行動や発言がマナーやルール、モラルに反している場合に使用することが多い表現です。

例:「この表現は、今回のようなフォーマルな場面では不適切だと思います」

「不合理」

道理・理屈に合っていないことや、筋が通っていないことを指摘できる表現です。たとえば、商談や契約内容に無理がある場合に、「この契約内容は不合理です」と表現することができます。

例:「この契約書の内容には、不合理に感じる点がいくつかあります」

「矛盾している」

「おかしい」を「矛盾している」に言い換えることで、二つの物事の辻褄が合っていないことを指摘できます。

例:「先ほどの説明と今回の提案内容は、〇〇の点が矛盾していると思うのですが」

「疑問が残る」

「おかしい」を「疑問が残る」に言い換えると、結論や説明に納得できていないことを表現できます。たとえば、「この点については疑問が残ります」といえば、相手に対して不明確な部分を丁寧に指摘することができます。

例:「この企画書には疑問が残る点がいくつかあるので、確認させていただきたいです」

適切な表現を使い、円滑なコミュニケーションを

  • 適切な表現を使い、円滑なコミュニケーションを

    「おかしい」という言葉がどう受け取られるかを意識しましょう

ビジネスシーンで「おかしい」と伝えたいとき、言い換え表現を使うことで的確な指摘ができます。言い換え表現も、状況や文脈に応じて選ぶことが大切です。上手に活用することで、相手に礼儀正しい印象を与えながら、自分の言いたいことを明確に伝えられるようになるでしょう。