リンナイはこのほど、「カビに関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2024年5月17日~20日、カビ専門家・千葉大学真菌医学研究センター准教授の矢口貴志氏監修のもと、全国の男女1,000名を対象に実施した。

  • 自宅のカビ汚れについて悩むことがありますか

日本気象協会によると、今年の梅雨入りは前年に比べてやや早まる地域が多い見込み。九州から関東にかけては6月上旬の梅雨入りが予想されている。

また、今年の梅雨は気温が高く蒸し暑い日の多い「陽性梅雨」となる見込みだという。陽性梅雨とは梅雨のタイプの一種で、カビの繁殖に適した"降雨量が多い・湿度が高い・気温が高い"という3大条件がそろっている。例年以上にカビの発生に注意が必要なため、正しいカビ対策を学ぶ必要があるとのこと。

  • 2025年 梅雨入り予想

自宅のカビ汚れについて悩んでいるか尋ねたところ、77%が「悩む」「どちらかといえば悩む」と回答した。カビ汚れが気になる場所は、「浴室」(92%)が最も多く、「エアコン」(42%)が続いた。

  • カビ汚れが気になる場所

「入浴後は浴室のドアを開けておく」はNG?

約8割が悩んでいるカビ汚れ。そこで、これからの時期に注意したい正しいカビ対策について学びを深めるために、生活環境のカビに詳しい矢口先生が監修した「カビ対策優等生〇×クイズ」を紹介する。下記の10項目について、〇か×かチェックしてみよう。〇×数に応じて、自分の「カビ発生危険度」が判別できる。

  1. 入浴後は浴室のドアを開けておく
  2. 重曹はカビに効く
  3. パッキンのカビはスポンジでこする
  4. 圧縮袋はカビを防ぐ
  5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える
  6. 浴室のカビ掃除は天井から
  7. 玄関はカビが生えづらい
  8. 冬の結露もカビの温床になる
  9. パッキンのカビ汚れは落ちない
  10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく

<正解>
×……1、2、3、5、7、9
〇……4、6、8、10

  • 判定結果

調査対象者へのカビ対策○×クイズの結果、7問以上正解の「カビ対策優等生」は2割(23%)に留まった。正答率が低い項目は「湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える」(11%)、「入浴後は浴室のドアを開けておく」(27%)、反対に高い項目は「冬の結露もカビの温床になる」(90%)だった。

カビを寄せ付けない3原則「溜めない・止めない・吸わない」

矢口氏によると、カビを寄せ付けない3原則は、「溜めない・止めない・吸わない」であるとのこと。

カビを生えにくくするには、カビの栄養源となるものを溜めず、取り除くことが大切だという。例えば、浴室では皮脂、石鹸カス、湯垢など、リビングルームなどでは食べかす、ダニの死骸、糞、土など。「人が部屋の中で動き回るとカビは空気中に浮遊するため、掃除は朝イチで行うのがおすすめです。先に掃除機で吸うとカビが空気中に舞い上がってしまうため、モップ掛けを先に行いましょう」(矢口氏)

次に大事なのは、「空気の流れを止めない」こと。カビの胞子は空気中に浮遊しており、落下すると定着し、湿度、温度、栄養分の3つの条件がそろうと発芽する。カビの胞子が定着しないように、扇風機、サーキュレーターなどを使用して、空気の流れをつくること、つまり換気が重要であるという。

そして、「なるべくカビを吸わない」こと。カビを多く吸いすぎると健常な人でも呼吸器系のアレルギーを起こすことがあり、免疫の落ちている場合は肺に感染してしまう危険性がある。矢口氏は、「カビをなるべく吸わないようにして、快適な生活を心がけてください」とコメントしている。