終活の情報メディア「終活瓦版」を展開する林商会は2025年5月16日、片付けに関する調査を発表した。
同調査は2025年03月19日~2025年03月26日、60代以上の片付けが苦手な親がいる人200人を対象にインターネットで実施した。
まずは、片付けが苦手な親がいる方から寄せられた、実際に困ったエピソードを一部紹介する。
「足の踏み場が無いほどの部屋で、来客を呼ぶことが難しいため、同居の家族以外は家に入れることができ無いことに困りました。」(20代女性)
「父親がネットショッピングでいつも似たような商品を購入します。それを自室ではなく家族共有の部屋に整理せず置いておくので、部屋の掃除をしたい時に捨てて良いものかそうでないのか分からないので困ります。」(30代女性)
「足が弱くなってから、服をタンスにしまわず、身の回りにおく。食事の片付けが遅くなり、食器を棚にしまわなくなってきた」(50代男性)
「私も言える事ですが小さな小物も沢山あり、同じもの、どの部屋にもあるハサミやメジャーなど20個以上ある。片付けできてなく、また購入するという悪循環。いくらあっても困らないのは困らないけどありすぎる。」(30代女性)
親の荷物の量について質問してみたところ、80%以上の方が「多い」または「非常に多い」と回答している。
このデータからもわかるように、片付けが苦手な方は物をため込んでしまう傾向にあるようだ。
続けて、物を捨てるのが苦手かどうかについてアンケートをとったところ、90%の方が「はい」と回答した。
この結果からは、物を捨てられないと荷物の量が増え、片付けができなくなるという因果関係があることが言える。
最も多かったのが「いつか使えるかもしれないから」で126票、ほぼ同数の123票を集めたのが「もったいないから」だった。
次いで、「面倒だから」で81票、「思い出があるから」で66票と続いていく。
片付けが苦手な原因の1つとして、物を大切にするという意識が、「捨てられない」というマイナスの方向に作用しているのかもしれない。
親の荷物を片付けようとしたことがある方は、全体の70%を占める結果だった。
半数以上の方が、親に代わって片付けようとしたことがあるようだ。
続いて、片付けに関して親とトラブルになったことがあるかを調査したところ、約40%の方が「はい」と回答した。
過半数は越えない結果となったが、やり方や言動によっては口論などに発展してしまう原因になるようだ。
以下では、実際にトラブルになった際のエピソードを紹介する。
「引っ越し時荷物が多すぎて明らかに使用していないほこりがかぶっているような物を捨てようとしたらかなり怒られた」(30代女性)
「実家のものが多いので『整理整頓、断捨離しよう』と言ったら『私が死んでからしてくれ!』と言われました」(60代以上男性)
「母親がこれはまだ使えるとか、思い出があるから捨てたくないと言って、使わなくなった家電製品などをなかなか物を捨てようとしなくて、私がもう使わないから捨てようと言っても、お互いに感情的になってしまい、口論になったことがありました。」(40代男性)
「忘れてるものだと思って勝手に捨てたら怒られた。何回も片付けを言ったりしているけど、いつか使うからとの事だった。私が片付けて、いるいらないのゴミの仕分けは大体全部いる。終わらない。」(30代女性)
親の荷物の片付けについて、最も多かったのが「親が元気なうちに一緒に整理を進めたい」で約40%、次いで「親に整理をしてもらいたい」で約30%と続く。
あくまでも、本人の意志のもとで片付けをしてほしいという方が多いようだ。
以下では、親に片付けてもらうための効果的な方法について、寄せられた声を紹介する。
「捨てることに罪悪感がある世代の人なので、『必要ないけれど、捨てるのももったいない…』と感じている品目をこちらが貰い受ける、という手は有効だと思います。いまいち使いきれていない箱とかカバンとか、書類入れとかノートとかを引き取ると喜ぶので、それを(私が代わりに使い切って)捨てる…みたいな形で、物を減らすことに貢献できたり。「物が減ればスペースが増えて、部屋が使いやすくなる』を実感してもらうのが一番良いかな、と思っています。」(40代男性)
「テレビ番組で、高齢の方の自宅のものを全てトラックに入れて家を空っぽにして本当に必要なものを取捨選択をして家を掃除している場面があり、自分もこうなる前に綺麗にしなければならないなと気づきがあったよう。」(30代女性)
「乱雑に物が置かれていたので、ジャンルごとに整理する。すると、重複しているものが明確にわかり、不必要であると理解させることができるようになった。」(40代男性)