劇的すぎる幕切れ...スーパーGT 第2戦 FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL

SUPER GT第2戦『FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL』が5月3、4日に静岡県・富士スピードウェイで開催されました。

例年、多くの観客を集めるこの大会ですが、今年も二日間で8万2500人の大観衆を集めました。

好天に恵まれた土曜日は、午前中に85分間のフリー走行が行われ、その後、20分間のフルコースイエローのプラクティスを挟んで、GT300、GT500それぞれ10分間の走行の中で、午後の予選に向けたセットアップが進められました。

午後2時半からの予選は、まずGT300クラスのA組が、続いてB組がそれぞれ10分間走行。次にGT500クラスの10分間のQ1が行われました。ブランケット型のタイヤウォーマーの使用はレギュレーションで禁止されているため、セッション終了ラスト2分あたりから各チームともタイムアタックを開始します。

GT500クラスでQ2へトップで進出したのは、19号車(WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資))。このクラスのQ1は、トップから14番手までが僅か0.909秒差と非常に拮抗した予選となりました。

GT300クラスでは、A組が61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人))、B組は777号車(D’station Vantage GT3(藤井誠暢))。

Q2は、GT500クラスで38号車(KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹))が、GT300クラスでは777号車(D’station Vantage GT3(チャーリー・ファグ)が、それぞれポールポジションを獲得しました。

決勝日も朝から快晴となり、ドライコンディションですべてのスケジュールを消化することができました。今回のレースは、3時間というタイムレースで行われます。2回のピットインが義務付けられ、ピットワークというチーム力も問われるレースとなります。

地元警察の先導によって1周し、さらにセーフティカーも1周先導。その後、レースはローリング方式でスタートを切りました。

序盤からレースを引っ張るのが38号車KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹でした。1分30秒前半から、ラップによっては29秒台へ入れるハイペースで周回を重ねます。2位以下が30秒後半から31秒台のため、その差はどんどん広がり、そのまま2スティントを走破します。72周目に、2位に23秒以上のリードを作ってピットイン。ラストスティントをパートナーの石浦宏明に託します。結局、そのままのポジションをキープして38号車が優勝。石浦とチームにとって、2019年5月第2戦富士500km以来となる6年ぶりの勝利となりました。

●GT500クラス優勝の38号車

2位には、予選7番手からスタートした1号車(au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太))が、3位には、予選13位からのスタートとなった100号車(STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐))が、終盤までこの位置を走っていた12号車(TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット))をパスして入り、12号車は4位でフィニッシュしました。

GT300クラスは、レース終盤まで予選でそれぞれ1番手、2番手だった777号車と、61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝))の争いとなりました。ところがレース終盤に777号車は2度のトラブルに見舞われ、トップに立った61号車にはなんとラストラップにマシントラブルが発生し、ストップ。結局、予選27位から驚異的な追い上げを見せて2番手まで浮上していた6号車(UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン/片山義章))が、最後の最後に劇的な逆転初優勝を飾ることとなりました。2位には777号車が、3位に2号車(HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響/卜部和久))が入りました。

●GT300クラス優勝の6号車

●ラストラップにトップを走りながらトラブルでストップしてしまった61号車

●GT500クラス表彰台

●GT300クラス表彰台

●予選・決勝日とも好天に恵まれ、両日合わせての観客動員数は8万2500人となった

〈文と写真=川上滋人〉