
メンバー全員がオーディション番組を通じてデビューしたことから、「ファンの”愛”で作られたグループ(WE MADEIN U)」という意味を持つ6人組グローバルガールズグループMADEIN。2024年9月には韓国デビューを果たし、第5世代ガールズグループを担っていく存在として注目が集まっている。
そんな彼女たちにとって初となるショーケースライブ『MADEIN SHOWCASE LIVE』が、4月29日に東京・Zepp DiverCityにて開催された。2部制で行われた公演には、合計で4000人を超えるMAYBE(MADEINのファン呼称)が集結。体調不良のため、SUHYEは欠席となってしまったが、残る5人は完全体でのパフォーマンスに期待が高まるような堂々としたステージを作り上げた。本稿では、メディア向けに行われた公開リハーサルと囲み取材、1部公演の様子をお届けする。
【ソロ写真ギャラリー】MADEIN SHOWCASE LIVE
メンバーは水色の衣装に身を包み、ステージに登場した。これから始まる『MADEIN SHOWCASE LIVE』に向けて、高揚と緊張が混ざり合った独特のオーラを放つ5人。なによりも、「絶対に成功させる」という力強い意志がひしひしと伝わってきた。まずは、デビューソングである「UNO」をパフォーマンス。ふわふわとステップを踏むさまこそ、天使のような可愛らしさがあるが、その奥には凛とした意志を感じさせる。続く「LOVE, AFRAID」では、可憐さとカッコよさの二面性で魅了。イレギュラーな体制でのステージだという事実を忘れさせるような堂々としたステージとなった。
フォトセッションでは、メディア陣の要望に答えながら、表情やポーズをクルクルと変えていく。すでに5人は自身の魅せかたが定まっているようで、撮影はスムーズに進んでいった。質疑応答になると、韓国人メンバーであるYESEOを気遣い、他のメンバーがフォローをしているようなシーンも。ショーケースへの意気込みを尋ねられると、リーダーのMASHIROは「メンバーたちと一緒にたくさんの練習をしたショーケースなので。ショーケースよりもコンサートに近いなと思っていただきたいので、それくらいの曲数を頑張って練習してきました。応援よろしくお願いします」と回答。毅然とした受け答えは、デビューから約8カ月とは思えない地に足のついた安定感があった。
照明が落ちると、華やかな歓声が一気に会場を包みこんだ。メンバー一人ひとりをフィーチャーしたオープニングムービーが映し出されている間も、絶えず声を送り続けているMAYBE。その熱狂ぶりは、MADEINがファンの愛で作られていることを鮮明に物語る。暗転のなか、5人が定位置につくと、いよいよショータイムは開幕した。
まずは、最新リリース『MADEIN FOREVER』のタイトルソングである「LOVE, AFRAID」をドロップ。圧倒的なスキルと物怖じしない佇まいは、さすがオーディション番組経験者といったところ。1曲目だというのに、それぞれが持つ個性を存分に発揮していく。MAYBEのコールも絶好調で、メンバーと共に一体感のある空気を作り出した。間髪空けずに導かれた「STARLIGHT」では、柔らかなモーションで魅せていく。ハツラツとした声色をMASHIROが響かせれば、無邪気な愛らしさをNAGOMIは解き放つ。どんな瞬間であっても曲の世界観から落ちることのないパフォーマンスは、楽曲へ入りこむ集中力の高さを感じさせた。
軽やかなステップが印象的な「HONESTLY」、クルクルとフォーメーションが移り変わっていく「UNO」、キュートな魅力が炸裂する「MADEINE」とポップなナンバーを次々に投下。可愛らしい楽曲の数々は、彼女たちが持つ煌びやかなアイドル性を一段と輝かせる。歌やダンスのクオリティだけにとどまらない、天性の誘引力というMADEINの強みを遺憾なく発揮した。
MADEINの曲が繋がれていくDJプレイを挟み、この日のために用意されたカバーセクションへ。SERINAが「気まぐれロマンティック」でたっぷりとあざとさを振りまけば、NAGOMIは「LA・LA・LA LOVE SONG」をセンチメンタルに響かせ、YESEOは感情を乗せて「すずめ」を歌いあげる。それぞれのキャラクターが反映された選曲には、自然と観客も前のめりに。その後は、MASHIROがギターを弾きながら「Subtitle」を歌唱し、MIUはダンスも交えて「Me Against The Music」をステージング。『SHOWCASE』という場を活かし、一人ひとりが持つカラーを眩しいほどにアピールした。
ライブも折り返しを越え、次第に終盤へと差し掛かっていく。これまで盛り上がっていたムードに一呼吸を置くかのように、誘われたのは「EYE TO EYE」だ。星空の映像をバックに紡ぎ上げられる歌声は、胸の奥をギュッと締めつけていくよう。お互いの呼吸を感じながらハーモニーを響かせたり、伸びやかに歌い上げたり、MADEINの歌唱力が鮮やかに証明されていく。表情や声色、歌のニュアンスで「SATURN」の情景を繊細に描き切り、バラードパートを締めくくった。
本編ラストのMCでは、「愛♡スクリ~ム!」や「エッホエッホのうた」といったミームにチャレンジ。恥ずかしがりながらもSERINAは「キャラメルリボンよりもMAYBE!」と口ずさみ、場内からは「かわい~!」と声が沸きあがる一幕も。YESEOが「みんな~!」と投げかけた際には、MAYBEから「モチロン大好き MADEIN」と返答があり、嬉しそうに目尻を下げていた。
ほんわかした雰囲気になったものの、MADEINはこのままでは終わらせない。熱狂の渦に会場を巻きこむ、ガールクラッシュセクションへと突入だ。「DADARIDA」のイントロが流れると、一気に5人はクールな面持ちに。先ほどまでとは違った鋭い視線を飛ばし、オーディエンスをノックアウトしていく。続く「DOPAMINE」では、しっとりとした大人っぽさを香らせる。美意識の行き届いたMIUのモーションも優美で、一挙手一投足で観る者の心を捉えていく。ピンクに彩られた銀テープと共に、晴れ晴れしいラストを飾ったのだった。
メンバーとテレビ電話をするようなVCRを経て、ほどなくしてアンコールへ。「BABY MAYBE CRAZY」を引き連れ、MADEINは再び舞台に姿を現した。飛び跳ねたり、手を振ったり、じゃれあうようにしてライブを展開。本編を無事に走り抜けることができ安心したのが、メンバーはどこかリラックスした様子だ。MCでは、MASHIROが「大好きなMAYBEのみなさんに、ご報告がありまして」と切り出し、この夏に日本デビューすることを報告。場内の至るところから、温かなメッセージが飛び交い、新たな門出を迎える彼女たちを祝福した。
その後も自然体な表情で「TA-DA!」「MADELEINE」と披露し、最後の最後まで楽しみ尽くすMADEIN。最後には、この日2度目となる「LOVE, AFRAID」を投下し、記念すべき初ショーケースを完遂したのだった。
MCでMASHIROが「コンサートに近いショーケースを作るために努力してきた」と語っていたように、内容がぎっしり詰まった公演となった『MADEIN SHOWCASE LIVE』。エネルギッシュに「MADEINとは、なんたるか」を提示したばかりでなく、それぞれが持っている才能も鮮やかに開花させていた。日本デビューの際には、大物アーティストとのフィーチャリングも決まっているとのこと。これから彼女たちが、どのような進化を遂げていくのか、今から楽しみでならない。